月探査機SLIM、ピンポイント着陸成功・・高度50mまでは誤差3mの完璧な状態

日本の月面探査機「SLIM(スリム)」が、最大の任務とされた「ピンポイント着陸」に成功しました。21日着陸成功したときにもお伝えしましたが、いままでの月面着率は、目標時点近くに着陸することができまず、目標時点の数km~数十km範囲内に着陸するのが普通でした。そこで、今回のスリムは100m範囲内で着陸する「ピンポイント着陸」がもっとも注目されていました。海外記事からは「スナイパー」という表現もよく見られます。たとえばBBCはYOUTUBE公式チャンネルに「日本の探査機が月面に高精度の軟着陸 宇宙探検の新時代」という題の動画をアップし、イギリスオープン大学シメオン・バーバー博士の「何より大事なのは高精度の着陸でした」という説明を紹介しています。

着陸してから、JAXAはピンポイント着陸が「成功したと思われる」としながらも分析に1ヶ月はかかるかもしれないとしていましたが、昨日、着陸直前にスリムから分離された「SORA-Q」(『トランスフォーマー』などのノウハウを持つタカラトミー共同開発の小型ロボット)が撮影した写真などを公開、目標地点から約55m離れた場所に着陸できたと発表しました。また、あまり話題になっていませんが、鹿児島ニュースKTS(※ YOUTUBE公式チャンネル)によると、高度50m付近までは着陸目標時点から3mしか離れていない、完璧な状態だったとのことです。

 

しかし、そこで2基あるメインエンジンの1つが、なにかの原因でロスト、横方向に移動することになり、結果的に55m離れた場所に着陸、姿勢も当初の予定とは異なり、太陽電池パネルも西側を向けてしまいました。NHKの報道によると、高度50メートル付近から撮影、地球に送った月面画像の中には、中央付近に円すい状の形をした物体が写っている写真がある、とのことです。これが、着陸直前になんらかの理由でスリムから落下したメインエンジン(ノズル部分)だとみられる、とも。これについては原因究明中だそうです。着陸後の会見で「60点でギリギリ合格」としていたJAXAですが、今回、坂井真一郎プロジェクトマネージャーは「ピンポイント着陸に関しては100点満点。限られた時間でやるべきことはやりきれた。引き続き復旧運用に向けて全力であたっていきたい」と話しました。復旧というのは、もしこれから太陽の光が太陽電池パネルに届いた場合に備えることです。そうなると、再起動の可能性はある、とも。

 

バスツアーでも目標地点から数百メートル離れた場所で降りる(こちらはバスの駐車場関連ですがw)ことがあるのに、月まで行って55mとはすごい話です。それに、メインエンジン関連トラブルさえ原因がわかれば、ほぼ誤差なく着陸できたかもしれないと思うと、本当にすごいことです。JAXAの方も言ってましたが、これからは「降りられる場所に降りる」が、「降りたい場所に降りる」に変わっていくことでしょう。このように、はやぶさ1号、2号に続き、今回も日本の技術が、日本だけでなく人類において大偉業を成し遂げたわけですが・・

あいかわらず韓国メディアの反応は、会見内容の要点だけ短く紹介するものがほとんどで、その多くは「姿勢が~」「太陽電池パネルが~」をメインにしています。ただ、21日紹介したときに比べると、ずいぶんと大人しく(?)なったイメージで、聯合ニュースがタカラトミー共同開発の「SORA-Q」について取り上げるなど、21日に比べると「さすがにすごいことだ」とするニュアンスが強くなっています。各記事にコメントがほとんど無いのは気になりますが。

 

<<・・今回月面でスリムを撮影した「ソラ-Q」は、JAXAがおもちゃメーカーのタカラトミーと共同開発したボール型の変形ロボットだ。ソラ-Qは両側に車輪が出るように変形して、月面を走行できるように設計された。ソラ-Qなどスリムに搭載されたロボット2機は月面を探査する任務を引き受けた。JAXAは「世界で初めて完全自律ロボットによる月面探査、複数ロボットによる同時月面探査を達成した」と明らかにした(聯合ニュース)・・>>、と。

ソース記事に4つあるコメントのうち(※DAUMは記事掲載24時間後にコメント欄が閉じられますので今日の午後5時あたりまでしか表示されません)、「この前は自分で失敗だと言ったじゃないか」というものがあったりしますが、確かJAXAの発言は「60点でギリギリ合格」だったはずです。あまりにも多くのメディアが「太陽電池パネル」だけ強調して報じるから、ちゃんと読まないとそう認識してしまうのでしょうか。  今日の更新はこれだけです。次の更新は、明日(27日)午前11時頃になります。

 

 

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