韓国経済専門家「いままでの成長動力は、対中輸出と家計債務による内需浮揚でした」

「中国のリオープニング(新型コロナ後の経済活動再開)が始まれば、なんとかなる」。中国との貿易収支が赤字になったとき、政府及び多くの専門家たちは、そう言っていました。一時的なもの、外部要因によるものだというのです。実際、新型コロナが大きな問題になっていたし、米国の金利政策やウクライナ事態などさまざまな外部要因があったので、『そういうこと』になっていました。でも、本ブログだけでなく、韓国内の専門家たちも(一部ですが)、1~2年前から「そうではなく、もっと構造的な変化が現れている」という見解を出していました。

一時的なものではなく、中国の技術力発展などいくつかの要因により、両国の交易において構造的な変化が現れているというのです。私が個人的に「韓国経済成長の2つのエンジン」と考えているのは、「対中輸出(いわゆるチャイナブーム)」と「家計債務(不動産投資)」です。でも、この二つに構造的な変化が現れ、少なくとも今まで通りにはいかなくなりました。そういう見解を何度もエントリーしてきた本ブログとしてはいまさらな話ですが・・数日前から、複数の韓国メディアが『構造的』という言葉を取り上げています。日本の日経新聞が、中国との交易、少子化問題などで、韓国の経済発展モデルに構造的な変化が現れていると報じた、とのことでして。

 

でも、「構造的」と書きながらも、それがどういう構造なのかについてちゃんと書いているメディアはほとんどありません。朝鮮日報(朝鮮BIZ)も26日に同じ趣旨の記事を出していますが、「少子化と中国の技術力など」「日経新聞がそう言った」としているだけで、それ以上はありません。本エントリーでは、マネートゥデイの記事を紹介します。日経新聞がそう言っている~という内容もありますが、それだけではなく、『構造的に変わったということは、単に半導体不況だけが原因ではないという意味だ(題などがそうなっています)』としながら、『いままでの経済成長は中国輸出と家計債務による不動産中心の内需浮揚によるものだった』という大学教授の言葉まで紹介しています。関連記事で家計債務まで取り上げているのは本記事だけです(当然の話なのに、意外なほど見つけるのが難しかったりします)。以下、<<~>>で引用してみます。

 

<<・・最も直接的な原因は、半導体業況不況による輸出不振である。輸出は昨年9月まで12ヶ月連続マイナスを記録し、10月にやっと反騰した。昨年の年間輸出増加率は2022年(3.4%)より低い2.8%を記録した・・・・(※しかし)半導体業況不況だけでは説明できないという指摘が出ている。日本経済新聞は最近、日本と韓国の成長率逆転事実を報道し、韓国の構造的問題点を指摘した。 中国の急速な成長に依存してきた経済構造、低出産・高齢化及び生産性の低下などで韓国も低成長を懸念する状況ということだ。

今年も、政府の成長率の見通し2.2%達成も確実とはいえない。中国輸出依存度は依然として高いが、今年の中国成長率は昨年(5.2%)より低い4%台を記録すると見られる。物価・高金利の長期化で民間消費の萎縮が続き、建設業の不振も深まり、内需が景気を支える状況でもない。経済の体質改善が急がれると指摘されている。ハ・ジュンギョン漢陽大学経済学部教授は、「中国対象輸出、家計債務の拡大による不動産中心内需浮揚など、いままでの成長方式がこれ以上うまく機能しない状況になった」と話した。続いて「政府が債務を減らす過程で生じる内需萎縮の可能性は、財政を活用して対応する必要がある」とし、「グローバルサプライチェーン再編変化過程での適応努力、新たな成長動力を求める努力も必要だ」と言った(マネートゥデイ)・・>>

 

「財政で~」「新しいものを~」という意見は無数に聞きましたが、「いままでの発展は家計債務による不動産中心の内需浮揚」という言葉、これを専門家の意見としてちゃんと出てくるのは珍しいことです。『構造』という言葉と同じく、当然の指摘なのに。当然のものが見当たらないから、問題になっているのでしょうけど。今日、午後の更新がちょっと遅れます。多分、ですが・・次の更新は15時~17時頃になると思われます。

 

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