韓国経済メディアが見た、「中国市場での韓国製品の立ち位置」

ちゃんと覚えているわけではありませんが、2~3ヶ月位前、オーマイニュースの市民記者さんが中国を訪れ、『韓国製品の人気が、明らかに弱くなっている』という趣旨の記事を書いたことがあります。生徒たちの研修かなにかで訪中しての、個人的な体験記ではありますが、何度も中国を訪れている人として、明らかに雰囲気が変わっているという内容でした。他のメディアからも、似たような記事を読んだことがあります。THAAD事態がなんとかなればよくなるだろう、新型コロナが収まればよくなるだろうと思っていたけど、最近感じられる中国市場の雰囲気はそういうものではない、と。

一つ前のエントリーでも取り上げましたが、「安米経中」の韓国において、中国はまさに超重要市場です。経なのか傾なのかはともかく。これらの体験記をデータとして示す記事がありました。韓国経済の記事によると、中国の『輸入比重』において、韓国が6.3%、国家順位で3位まで下がりました。2013年から1位で、10%台をキープしていましたが、2022年に台湾が1位になり、2023年には1位台湾、2位米国、3位韓国の順です。1993年中国との外交関係が樹立したときにも5%台はあった、とのことでして。

 

経済成長が鈍化する、自国競争力への投資などで、他国からの輸入が現象する傾向にあります。6.3%といってもまだ3位で、台湾、米国、日本とも中国の輸入(各国の中国への輸出)は大幅に減少しました。しかし、記事は、「サプライチェーン再編などの理由で能動的に減少することと、競争力の問題で減少することとは、まったく別である」としながら、このままだと未曾有の事態になるだろう、としています。また、中国からして台湾からの輸入は15.4%減少、米国から6.8%減少、日本からの輸入が12.9%減少しましたが、韓国からの輸入は18.7%も減少しています。サプライチェーン再編など他の国には能動的にこうした側面があるけど、韓国は米国や日本のように力を入れているわけでもないのに、ここまで減少した理由は、主に競争力の問題でしかない、ということでしょう(この部分は私見が入っています。原文にこんな文章はありません)。以下、<<~>>で引用してみます。

 

<<・・中国の昨年の輸入総額は2兆5568億ドルで前年より5.5%減少した。新型コロナ以降、景気回復が遅れ、中国の輸入市場全体が萎縮したためだ。この過程で韓国も影響を受けている。実際、昨年中国の対韓国輸入(韓国の対中輸出)減少率は18.7%だった。これは台湾15.4%、米国6.8%、日本12.9%など主要比較国・地域より高い数値だ。中国は韓国の最大輸出国だ。 1992年の韓中修交以後、中国の輸入市場で韓国は10%前後の比重を維持してきた。2013年から2019年までは7年連続「最大輸入国」に上がった。しかし、「中国製造2025」で代表される中国の急速な産業競争力強化の流れの中で、半導体や一部の先端ディスプレイ製品を除けば、スマートフォン、ディスプレイ、自動車、石油化学など複数の主力製品分野で韓国製品の中国市場内の地位は弱まった・・

 

・・2017年9.9%、2018年9.7%、2019年8.4%、2020年8.4%、2021年8.0%、2022年7.4%、2023年6.3%に減少傾向が続いた。実際、2013年まで中国市場シェア20%台で1位だったサムスン電子スマートフォンがファーウェイ、シャオミなど中国企業に押され、2000年代には7%台シェアを記録した現代・起亜自動車も、いままでとは異なるという分析が出ている。これに世界的なIT市況不振で中国ITメーカーが中間財である半導体注文を減らし、韓国の対中輸出でほぼ3分の1を占める半導体輸出急減につながった。昨年韓国の大衆半導体輸出は361億ドルで、2022年より30.6%減少した・・

・・世界的に中国依存度を下げる「ディリスキング」(de-risking)が話題だが、韓国の最大貿易国として中国の地位は相変わらずで、中国市場依存度を能動的に下げていくことと、競争力の弱化は、まったく別の問題だという懸念も出ている。近年、中国が低成長時代に入ったとしても、中国に代わる市場はないのが現実であるだけに、米中対立の影響を受ける分野以外でも高級化で市場を開き、根本的には輸出競争力 を高めなければならないと専門家たちは助言する(韓国経済)・・>>

 

 

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