さて、3月1日です。韓国大統領の演説の中でも3月1日と8月15日は特に重要だとされていますが・・予想通り、いままでに比べると大した内容は無く、日本と韓国は「新しい世界」へ向かっていると、人権、自由、法治の価値観をともにするパートナーだというふうに話しました。全文(国民日報)をチェックしてみましたが、これといってピックアップするような内容はありませんでした。ただ一つ、来年は日韓外交関係60周年ということを強調しています。個人的に、前から噂されていた「新しい両国共同宣言」を念頭に置いての発言ではないのか、と思っています。
「・・(※日本と韓国は)自由、人権、法治の価値を共有する共同の利益を追求し、世界の平和と繁栄のために協力するパートナーになりました。北朝鮮の核とミサイルの脅威に対する両国の安全保障協力はさらに強固になりました。産業と金融、先端技術分野で協力していて、昨年、両国を訪れた国民は928万人に達します・・・・来年の修交正常化60周年をきっかけにより生産的で建設的な両国関係で一歩跳躍させていくことを楽しみにしています・・」、などです。
主に批判の対象にしていたのは、北朝鮮です。「・・3.1運動は、誰もが自由と豊かさを享受する統一によって初めて完結するものです。今私たちは、すべての国民が主である自由な統一韓半島(※朝鮮半島)に向けて進むべきです・・・・自由の統一大韓民国は、北東アジアはもちろんインド太平洋地域と世界中の平和と繁栄に貢献していきます・・」、などなどです。で、その北朝鮮ですが、いつもこの時期には北朝鮮も日本に対してかなり強い談話や声明などを発表(内容は毎年ほぼ同じですが)しますが、今年は何故か何も言っていません。ニュース1などの報道によると、この前、金与正副部長が一定条件のもと岸田総理の訪朝を認めるような談話を出しましたが、それの延長線上でのことではないのか、との見方が出ています。2月15日、北朝鮮の外交担当とされる金与正労働党副部長は、拉致被害者問題や核問題などを取り上げないなら、岸田総理が訪朝できる日も来るだろう、と話したことがあります。以下、<<~>>でちょっとだけ引用してみます。
<<・・(※北朝鮮が)3月1日に対日メッセージを出さなかったのは、北朝鮮が最近日本との関係改善意志を見せた状況であり、さらに注目される。金与正労働党副部長は先月15日、談話を通じて日本と北朝鮮関係改善、岸田文雄日本首相の平壌訪問などの可能性に言及した。韓国とキューバの外交関係樹立の知らせがあった当日だ。談話は、拉致被害者問題と核・ミサイル問題に言及しないという北朝鮮の既存の立場を再確認する水準だったが、金正恩労働党総秘書の妹である金与正副部長が直接出てきたという点で、以前とは重さが異なるという評価もあった・・・・韓国が、北朝鮮自ら「兄弟国」としているキューバと修交を結んだことで、北朝鮮は対外戦略に一部に支障が生じたと判断し、日本との関係改善を推進するなど、外交的突破口を設ける戦略を立てたものと解釈された(ニュース1)・・>>
韓国とキューバの外交関係樹立は、どうでしょうか。北朝鮮側からこれといった話が出てきたわけではありません。他に金与正談話については、最近北朝鮮が南北関係を「国家と国家の関係」に路線変更したことなどで、米国との外交関係などがさらに重要になったものの、うまくいかず、日本をその「窓口」としようとするのではないか、そんな分析も出ています。また、一部からは、最近岸田総理の支持率が低調なので、支持率回復のための訪朝をほのめかし、それで日米韓共助を弱体化させようとするのではないか、そんな話も聞こえてきます。しかし、どのみち、例の二つの案件を議題にしないなら、いくらなんでも訪朝はありえないでしょう。
南北ともに、なんというか、ちょっと前の韓国のネット用語ですが「ネンムー(内容が無い)」な展開です。やはりブログ更新という側面ではムンたんはレベルが違う存在でした(遠い目)。ただ、あの共同声明についてはやめてほしい・・と思っていますが、こういうのに弱い(やっておいてマイナスにはならないと思っている)政治家も多いので、ちょっと心配です。
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