韓国メディアがまとめた、「元」世界3大金融ハブ・香港の今

半導体、株式市場だけでなく、韓国経済にとってもっとも重要なものは、中国経済が立ち直ることです。他の国だって中国経済の影響を受けないことはないでしょうけど、それがもっとも大きいのは、韓国だとされています。最近の半導体関連エントリーでも中国関連の話が何度か出てきたので、なにか中国経済に関する記事は出てないだろうか・・と思ってチェックしてみましたが、マネートゥデイ(3月4日)に、香港関連記事があったので、こちらを取り上げてみます。韓国メディアで香港関連記事を見るのは、久しぶりです。私がチェックしなかっただけかもしれませんが。

一時は、世界3大金融ハブと呼ばれた香港。しかし、最近韓国の「ELS(株価指数連動証券)」事態(香港ハンセン指数連動商品に多額の投資を行ったものの、結果は大幅な元金割れでした)からも分かりますが、どうも金融部門で明らかに衰退しています。香港から金融をのぞけば、なにがあるのかという話もありますが・・どうやら香港で育った人たちはすでに海外にいて、いま香港に残っているのは高齢者、そして中国本土から来た人たちがほとんどである、とのことでして。民主化運動以来、韓国ではあまり紙面に載ることのなかった香港。現状どうなっているのか、以下、<<~>>で部分引用してみます。

 

<<・・香港が「金融ハーブ」とされるのは、低い税率と簡単な課税構造のおかげだった。香港の租税構造は、所得税(利潤税)と給与税、認知税税の項目が全体税収の約90%になる。しかも特例が多い。2億4000万香港ドル以上を香港に直接投資すれば、所得税が免除される制度が代表的だ。法人税の最高税率は10%台半ばに過ぎない。それでも香港の財政は潤沢だった。企業は香港の証券市場に上陸するために列を作った。彼らが香港政府から土地を高価に買い取り、賃貸し、香港の財政はいつも安泰だった。しかし、2020年香港国家保安法が発効し、香港は「自由」と最も遠い都市になった。グローバル企業が脱出、証券市場というエンジンも止まっていくばかりだ・・

 

・・(※外国企業の撤収、不動産価格下落、それによる税収不足を補うための所得税引き上げの話の後に)次は、脱出だ。2021年基準香港の海外金融人材就職ビザ数は、2019年比でなんと50%も減った。 香港に住んでいた研究人材や教育人材など高級人材も相次いで香港から離れている。2022~23学年度香港内8大公立大学で、学校を去った教授など研究人数は380人で、20年ぶりに最も高い離職率(7.6%)を記録した。専門職を含む香港生まれたちの離脱も目立つ・・香港の人口は2019年に748万人余りから2020年には747万人、2022年には733万人余りまで減った・・

・・昨年からは人口が再び増加傾向に戻ったが、これは中国政府による、本土である移住政策のためだ。香港生まれの人たちと外国人が去ったあとを、本土の人たちが満たしているのだ。残りの香港生まれたちは、ほとんど高齢者だ・・・・あるグローバルIB関係者は「近い将来、香港には本土の人と高齢者だけが残るだろうという話が聞こえてくる」とし「中国政府が香港に対して再び前向きな自治を認める可能性はないので香港状況が改善されることは容易ではないだろう」と言った。アジア金融センターの役割を果たしてきた香港の金融産業は、1997年に中国に返還された後も成長し続けた。グローバル金融市場で確実な地位を構築した香港を活用するために、中国政府が一国二体制を標榜したためだ・・

 

・・海外企業公開(IPO)を推進する中国企業が集まり、香港は一気に世界1位のIPO市場になった。金融が、香港国内総生産(GDP)の20%以上になった背景だ。だが、中国の全面的な支援は、香港証券市場の弱点でもあった。香港株式市場に上場した企業の70%が中国本土企業であり、中国の景気が下がると、証券フローにそのまま反映された。米中対立と新型コロナ、習近平長期集権などの影響で、中国の景気が低迷、香港証券市場も低迷した・・・・ゴールドマンサックスのある中国専門家は、「香港株式市場上場会社の半分は取引量がゼロ水準であり、グローバル企業や資産家はシンガポールに向かっている」とし「香港が世界3大金融ハブに位置するのに100年かかったが、終わるには5年もかからなかった」と話した(マネートゥデイ)・・>>

これといってオチを書く気にもなりませんが・・なんというか、一帯一路もそうですが、中国と政策的に、詳しくは中国のお金と繋がったとなると、かなり話題になるし、なにかものすごい将来性を手に入れたような評価を受けますが、それから数年後、良い結果になったという話を聞きません。数年前、民主化のために頑張っていた香港の若い人たちのことを思うと、胸がくるしくなる話です。

 

 

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