韓国メディアも「日本大企業の満額回答」と「マイナス金利解除」に注目・・「うらやましい」との題も

春闘シーズンが始まり、日本の大企業が相次いで満額回答、さらにはそれ以上の回答をしていて、話題になっています。韓国の大手マスコミもそろってこの件を報じ、主に二つの側面に注目しています。一つは、最近複数のメディアに載っている「日本経済が復活しようとしている」系の強調。いつもの日本大好き(ダークサイド)パターンだと言ってしまえばそれだけですが、実は韓国も2022年、2023年連続で実質賃金がマイナスでした。2年連続でマイナスなのは、関連統計を作成してから初めてのことだそうです。ソース記事のSBS(SBS Biz)が、記事の題を「うらやましい!日本TOYOTAなど大企業、最大級の賃金引き上げ・・なぜ?」にしているのも、そのためです。というか、なぜと言われましても・・

韓国の場合、年収のどれくらいを債務の返済に使っているのかを意味する「DSR(Debt service ratio)」が40%に達しているので、賃金がどうとかでは見えない側面もあります。韓国で「家計債務」の対象として集計される人(自営業債務は別)は2023年4~6月期のデータで1978万人、規模は1845兆7000億ウォンです。彼ら1978万人の平均DSRは39.9%、平均で年収の39.9%を債務の返済に使っています。住宅担保ローンを組んでいる人は、なんと平均DSRが60%です。他の所得関連データは10月17日にまとめたことがあるので、そちらも参考にしてください。実質賃金データにDSRを適用するとどうなるのだろう、そんな気もします。ちなみに、その家計債務の53.7%は満期一括償還方式です。

 

もう一つは、日本がいよいよマイナス金利を解除するのではないか、という側面です。ソース記事でも取り上げていますが、他にこの部分をメインにしているメディアも目立ちます。別にプラスかマイナスかよりも、『その時に最適の方向』を向くのが、そして『市場が吸収できるように』ステップを踏むのがするのが大事でしょうけど、早ければ3月にでもマイナス金利解除に向かうのではないか、という予測が出ています。ついデフレ脱却なるか、その後はどうするのか。また、賃金が上がるとしても、中小企業の場合はどうなっているのか、そういうデータまでちゃんと把握済みなのかどうか。応援しかできませんが、中期・長期的に良い流れになることを期待したいところです。以下、半分タイトルで(かわいい)選んだのは秘密にして、ソース記事を引用してそのまま終わりにしたいと思います。引用部分内の段落の順番を、オリジナルから少し変更してあります(内容は同じです)。

 

<<・・トヨタ自動車をはじめ、日本の主要大企業が労組の大幅な賃金引き上げ要求を受け入れています。トヨタは日本の大企業賃金傾向の基準点として機能しています。トヨタは13日、1999年以来、25年間で最も大きな幅の賃金引き上げを希望する労組要求を、完全に受け入れることにしたと明らかにしました。トヨタ労組は月給最大2万8440円引き上げと史上最大規模のボーナス支給を求めていました・・・・日産も月平均賃金を1万8000円引き上げることに合意しました。これは、現行賃金制度が導入された2005年以降、最大の引き上げ幅です。 ホンダは労組の要求より高い5.6%を上げ、1990年の6.2%以来最も高い引き上げ率を記録しました。日本製鉄も基本給の引き上げ額を労組要求額より多い月35000円にしたと・・

・・ブルームバーグはこういう動きに対して、今回の引き上げは植田和男日本銀行総裁にとって、賃金と物価上昇の好循環に、日本がさらに近づいているというもう一つの証拠となっていると伝えました。いままで、岸田文雄総理は、財界の指導者たちにインフレを超える賃金の引き上げを求めてきました。専門家たちは、企業と労組間の交渉の結果、今年の賃金引き上げ幅が昨年よりも大きくなると予想して、日本銀行が来月にでもマイナス金利体制を終えるだろうと見ています。共同通信は「昨年を上回る4%以上の賃金上昇が確実視される」とし「こうした流れが中小企業に影響を及ぼし、長いデフレ(景気低迷の中の物価下落)から脱却できるかどうかが焦点」と分析しました(SBS BIZ)・・>>

 

 

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