不定期にお送りしている、4月総選挙関連情報です。一時は、野党が大きくリードし、保守側の一部から「総選挙結果によっては、ユン大統領は早期退陣したほうがいい」という話まで出ていた総選挙。しかし、法務部長官出身の韓東勲(ハンドンフン)氏を党の事実上のリーダー(対策委員長)として迎え、与党は大幅な巻き返しに成功しました。しかし、それからハン委員長が大統領夫人関連案件に大統領室と異なるスタンスの発言をしたなどで、ユン大統領とハン委員長が対立、与党はまた大いに揺れる姿を見せました。また「しかし」、さすがにやっと巻き返せた状態でこれはまずいと思われたのか、大統領室とハンドンフン委員長の対立は長くは続かず、3月になってからは各種世論調査などで与党がリードを続けてきました
それから大した動きがなく、さすがに4月が総選挙だからもうこのまま、与党が大幅に巻き返すのではないか、と思っていました。可能性は高くないかもしれませんが、一部からは、慎重に「与党過半数も可能」という話も出てきました。本ブログも関連した内容は更新しませんでした。この時点の情報は2月にエントリーしましたので、興味をお持ちの方はお読みください。ですが、公式選挙運動期間(28日から)まであと少しの時点で、また『与党の支持率が大幅に下落』『負けたらユン政権はおわりだ』という話が、チャンネルA、東亜日報など、複数のメディアから聞こえてくるようになりました。野党の支持率が上がったというより、与党が下がっている、というのです。
今回は、主に首都圏です。韓国の選挙は、地域によって与党・野党どちらが勝つかがほぼ決まっていますが、比較的首都圏はそういう傾向が弱く、首都圏で勝利しないと全体的な勝利も難しいとされます(そうでなくても、首都圏は大事ですけど)。公職者捜査処という機関から調査を受けていた人を、ユン大統領が急にオーストラリア大使に任命、そのままオーストラリアに出国、赴任しました。そして、与党の重鎮が、記者たちに対し、軍事政権だった頃に「政権に批判的な記事を書いた」記者が(政権側の人たちから攻撃されて)負傷したことを取り上げて「そんなことがありましたよね、たしか」と話したことなど、いろいろ思わしくない事案はあります。また、これらの案件で、またハンドンフン氏と大統領室が、対立する兆しを見せています。しかし、だとしても、ソウルでの支持率が1週間で15%も下がるなど、ちょっとありえない結果が出ています。いままでの支持率調査そのものが間違っていた、すなわち予想などできる状態ではないのではないか、そんな気もします。以下、チャンネルAから<<~>>で引用してみます。
<<・・総選挙22日前にして(19日夕方の記事です)与党内で危機論が広がっています。今日、「国民の力」候補が一席に集まって正当公式推薦を受けましたが、中道層の民心が冷たい、大きなピンチだ、支持率が急落している、そんな話だけ出てきました。実際に、世論調査を見ると、全国各地で野党にまけています。ソウルから10席も取れないのではないか(大敗とされた4年前の選挙で8議席でした。東亜日報の同じ趣旨の記事には「8議席にも届かない」という声もあります)という言葉まで出てきました。【ユン・ヒスク/元議員(ソウル地域候補)「毎日毎日、中道層とされる住民の反応がつめたくなっていくのが分かります。支持者たちも不安になっているのがわかります」】、【キム・ギョンユル/国民の力対策委員「私たち国民の力の支持率が急落したんですよ。見通しではなく、実際にそう現れました」】・・
・・総選挙を22日控え、国民の力が最大のピンチを迎えました。全国各地で共に民主党に遅れを取る世論調査結果が発表されています。イ・ジョンソプ オーストラリア大使の出国に関する論議、ファン・サンム大統領市民社会首席の発言などが、民心を動かしたというという分析です。汝矣島に集まった党候補たちは、危機感を表わしました。【ユン・サンヒョン/国民の力議員(仁川地域候補)「最近になって、首都圏の民心が離脱しています」】・・・・ハン・ドンフン国民の力緊急対策委員長は、「1分1秒も無駄にできない重大な時期」と、危機感を表わしました(チャンネルA)・・>>
前の大統領選挙、「AVP(エイリアン対プレデター、ハリウッド映画)」とよく言われました。韓国で映画が公開されたとき、宣伝フレーズが「どちらが勝っても、明日はない」というものでしたが、大統領選挙にそのままぴったりだ、と評判(?)でした。今回もそんなところでしょうか。でも、左・右の対立が強いのは相変わらずなので、別に選挙投票率が格段に低いとか、そんなことはないでしょう。さて、これといって予想を変える理由もないので、「与党が巻き返すだろうけど、勝利(過半数)は難しいのではないか」と思ってはいますが・・こんなに支持率が急に上がったり下がったりするようでは、どんな結果が出てもおかしくない、そんな気もします。
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