一部のメディアにて、来月(5月)、日中韓首脳会議を調整中との報道がありました。もともとは、日本、韓国、中国で定期的に開かれていたもので、2019年12月から中断されています。今回は韓国で開かれる番です。ただ、これについて韓国メディアの見方は分かれています。「もともと日本と韓国は日中韓首脳会議の『再開』に肯定的な立場だったけど、中国側が応じないでいた」とのことですが、東亜日報など一部のメディアは「その中国が1ヶ月前に、急いで会議をしようと提案してきた(だから今回は5月に開かれる可能性が高い)」としています。またYTNなど一部のメディアは、「急に中国が応じる理由もないし、岸田総理は支持率問題が、ユン大統領は総選挙がある」としています。
岸田総理とユン大統領に、いま日中韓首脳会議を他の案件より優先する理由があるのか、という趣旨です。あと、私見ではありますが、もし本当に5月に首脳会議ができたとしても、ユン大統領としては4月に総選挙があるので、議題とかいろいろ決めるのに約1ヶ月しか時間がありません。普通は首脳会議の前に実務協議が行われ、議題を調整することになりますが、2国間でもなく3国間であることまで考えると、時間的にどうでしょうか。「よくある話」以外はできないかもしれません。それはそれで、会議を再開した、という意味はあるとも言えますが。以下、両紙の記事、<<~>>で引用してみます。
<<・・日中韓首脳会議が、来月末にソウルで開かれることが大まかに決まった中、先月、中国側が先に「早期の首脳会議開催の意思」を韓国側に伝えた、という・・・・5日、複数の政府高位消息筋によると、中国側は先月、韓国当局に早期の日中韓首脳会議を提案した。日韓当局は概ね三国の首脳が早く会うことに肯定的な立場だっただけに、中国側の提案後、首脳会議の開催議論が急に進んていることも分かった。日中韓首脳会議は、昨年下半期に開催される方向に推進されたことがある。しかし、中国当局がさほど乗らず、実現できなかった。
当初、米中対立などで、日韓に対話の意志を示していた中国だが、米中首脳会談など米国との対話気流が続くと、日韓との出会いに消極的な方向に態度が変わったという。そして先月、中国が再び日中韓首脳会議の推進を示してきたのは、米国との対立が最近再び深化したためだと解釈される。政府情報筋は「米中の間で再び溝が広がり、中国が日韓首脳に対話の意志を示したのではないか」と話した。また、6月以降は日中韓首脳は多国間協議など日程がいそがしいので、その前に会わなければならないという点もある(東亜日報)・・>>
<<・・日中韓首脳会議議長国である韓国が、来月、三国首脳会議を開催する方向に調律中です。最近日本の共同通信のこのような報道が出ると、大統領室と外交部は次期会議をソウルで開催する日程を三国が協議中だと明らかにしました。昨年11月、三国の外交長官会議で「相互便利でできる限り早期の開催」に合意した後、政府は日本と中国側と協議を続けてきました。しかし、中国政府の消極的な態度で、ことがあまり進まなかったと知られています。先月、中国の両会(※全人代など)などで国内政治日程と、日米韓安保協力強化など影響を及ぼしたようです・・・・(※開催されるなら意味はある、という話の後に)ただし、韓国の総選挙と、岸田政権の低い支持率など、日韓国内の政治状況のため、早期開催は難しいのではないか、という見通しも出ています。また、日米韓協力が強化されている状況で、中国が日中韓首脳会議がいますぐ必要だと思うことはないのでは、という観測も提起されています(YTN)・・>>
さて、「中国が先に提案した」の部分ですが・・多分、私だけでなく、ここまでお読みになった方々のほとんどがこう思ったことでしょう。「これ、『そんなこと言ってない』パターンでは?」。前例がいろいろあるので、ちょっとどうかな、と。YTNの報道のほうが現実味あり、ですが・・ある種の牽制の意味、そして、もっと忙しくなる前にとりあえず再開しておこう、などの意味で、日中韓首脳会議が実現(再開)される可能性も十分あります。先も書きましたが、議題などについてはさほど期待できませんし、率直に、会ったところでこれといって話すこともないでしょうけど。特に、日米首脳会談で日米の経済安保協力が大きくステップアップすると言われていますし。 今日の更新はこれだけです。今日は、久しぶりに東京の桜を見に出かけます。人多いでしょうけど、頑張って何箇所か回ってみたいと思います。来週には、また長野県にちょっと行ってみようか、とも思っております。次の更新は、明日8日(月曜日)の11時ころです。
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