韓国総選挙、野党代表の司法リスクを弁護した法律家5人が全員国会議員に当選

すでにお伝えした通り、総選挙の結果、野党が圧勝しました。もう各メディアは与党、野党内部の動きに注目していますが、その中でも特に話題になっているのが、最大野党共に民主党の李在明(イジェミョン)代表の権力拡大です。「イジェミョン体制」などで、各記事が大きく取り上げています。一時は国会逮捕決議案などで党内でも分裂がありましたが、今回の選挙で、李代表の立場は完全に強固なものとなりました。なにせ、今回175議席を取り、その中で初選(初めて国会議員になった新人議員)が73人。その73人のほとんどが、いわゆる親明派(李代表派)です。特に象徴的なのが、『デジャンドン弁護士』5人全員が当選したことです。

本ブログでも取り上げたことがありますが、李代表が京畿道城南市の市長だったころの、いわゆる「大庄洞(デジャンドン)都市開発事業」問題。都市開発事業でいろいろ不正があったというものですが、その関連裁判で、李代表、及び「共に民主党」側で活躍した5人の弁護士が、今回公薦(政党公式推薦)を受け、5人全員が当選しました。多くのメディアが「デジャンドン弁護士5人、全員勝利」などと報じています。また、今回の選挙で、党内の『親文派(文在寅派)』の影響力も一気に弱くなった、とも。

 

逆に、与党は、ユン大統領と対立することがおおい「非尹派」の重鎮が当選しました。羅卿瑗(ナ・ギョンウォン)氏、安哲秀(アンチョルス)氏などです。出口調査結果ではまけるとなっていましたが、なんとか勝利しました。現リーダーの韓東勲(ハンドンフン)氏の影響力は、しばらくは著しく低下するでしょう。一部のメディアは「政治家としては、1年足らずでもう終わったのでは」という記事もあります。少なくろも、今回の結果で次期大統領選挙の与党候補になるには、なにか大きな反転でもないかぎり、難しいでしょう。その隙に、非尹派が台頭するはずです。また、前回の大統領選挙のときから対立していた李俊錫(イ・ジュンソク)前与党代表の新党が3議席を得たことも、与党としてはうれしくない展開です。以下、SBSニュース1から引用します。ニュース1は『真明(親明を超えて、本物だけが残った)』体制と書いています。確かにそれはそうだ、としか。以下、<<~>>で引用してみます。

 

<<・・共に民主党が圧勝した今回の総選挙で、イ・ジェミョン代表に近いとされる人たちが多く当選しました。イ・ジェミョン体制の力がより強くなったわけです・・・比例含め175席を得た共に民主党、初選議員73人の多くが「親明」に分類されます。イ・ジェミョン代表の「護衛兵」とされるヤンブナム元高検長をはじめ、パクギュンテク、キムギピョ、イゴンテ、キムドンアなど、「デジャンドン弁護士」と呼ばれた5人全員が当選しました・・(※人名省略)・・など、特別補佐官などで李代表を補佐した人たちも国会議員になれました・・・・いままで主流だった親文・86世代を押し出して、名実共にイ・ジェミョン体制を完成したのです(SBS)・・>>

<<・・今回の総選挙で、共に民主党・共に民主連合(※共に民主党ほ衛星政党)が175席を確保して圧勝した中、イ・ジェミョン代表の「真明」(本物の親明)候補たちが大挙国会議員になれた。出馬者の大部分が当選し、「李在明の民主党」が完成したと評価される。11日ニュース1の取材を総合すれば、今回の総選挙でイ・ジェミョン党代表の特別補佐官、司法リスク関連の弁護士、京畿道ライン(※李代表が京畿道で市長・道知事だった頃の知り合いで、こちらも李代表と親しいとされています)など出馬者17人中16人が当選した。昨年8月に任命されたイ・ジェミョン党代表補佐官のうち6人が出馬し、そのうち5人が当選した(ニュース1)・・>>

 

ひょっとすると、李在明氏のライバルは、保守側の与党やユン大統領ではなく、同じ左側のチョグク氏かもしれません。今回12議席を得て大物政治家としてデビューしたチョグク氏。いまはまだありませんが、野党の「統合」次期大統領候補を決めようという動きは、かならず出てくるでしょう。いまは李代表がリードしていると言えますが・・それはそうとして、ユン大統領は「真」にパワーアップした李代表に勝てるのでしょうか。スーパーなんとかにならないと、難しいのでは。

 

 

昨日は、長野県の高遠城址公園に行ってきました。晴れ、満開、すばらしい桜スポット、まさに恵まれた環境で、とても幸せでした。ありがとうございます。花見してきた翌日に李在明が~とか書くと、ギャップがはげしすぎで混乱します・・

 

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