まさに新時代レベルの半導体 補助金、日本・米国・韓国でどう異なるのか

ついこの前まで、日本がTSMCやラピダスに巨額の補助金を出したことが話題でしたが、いまは米国がインテル、TSMC、サムスン電子に出した補助金が話題になっています。米国の場合は、中国工場で生産する製品のレベル・量を制限するなどいわゆるガードレール条項が条件ですが、それでも補助金はかなりのもので、インテルの場合は補助金85億ドルと融資支援110億ドル、税金控除25%。TSMCの場合は補助金66億ドル、融資支援50億ドル。サムスン電子の場合は補助金64億ドルです(ソース記事ペンアンドマイク)。ガードレール条項があるとはいえ、少し前まではWTOだのなんだのと、できそうになかったレベルの補助金です。

米国が掲げる目標には『2030年まで最先端半導体の20%を自国内で生産』というものがあり、自国メーカーももちろん重要ですが、『自国内』もまた強調されています。日本でラピダスだけでなくTSMC(他にも多数の台湾メーカーが日本に拠点を新設・増強しています)が話題になっているのと似たような流れですが、日本よりは『安保(経済安保)』がもっと強調されている、そんな感じです。そんな中、毎日経済(記事1記事2)が、日本、米国、そして韓国の半導体関連補助金をまとめた記事を載せました。韓国の場合、半導体関連投資においてのインセンティブが、米国の22%、日本の15%にしかならない、とのことでして。

 

たとえば、先端半導体ファブを作るため、20兆ウォンを投資するとします。敷地や建物など6兆ウォン、インフラ設備4兆ウォン、工程装備10兆ウォンの場合を仮定します。すると、「補助金」は日8兆ウォン、米2兆ウォン、韓は無し。「税額控除」は日2兆8000億ウォン(現在推進中)、米3兆5000億ウォン、韓1兆5000億ウォン(内国法人の場合は減免額の20%が農漁村特別税とされるので、実際は1兆2000億ウォン)。すべてのインセンティブを合わせると、日10兆8000億ウォン(推進中のものも含めて)、米5兆5000億ウォン、韓国1兆2000億ウォンです(記事2より)。以下、<<~>>で引用してみます。引用部分は記事1です。

 

<<・・日本、米国をはじめとする世界主要国の、大規模投資に対するインセンティブ競争が熱い。しかし、韓国政府の半導体投資インセンティブは米国の22%、日本の15%水準にとどまることが分かった。15日、韓国半導体産業協会が算出した「国家別投資インセンティブ資料」を入手して分析した結果、先端半導体生産施設構築に投入するお金を20兆ウォンと仮定する場合、韓国に投資した企業が受ける投資インセンティブは1 兆2000億ウォンとなった。一方、同じ条件を適用したとき、米国、日本に投資した企業が受けるインセンティブは補助金と税制給付を合わせてそれぞれ5兆5000億ウォン、8兆ウォンに達した。 韓国よりなんと4.6倍、6.7倍も大きいわけだ。

このようなインセンティブ分析は、日米韓3カ国の半導体関連法案を基に算出した。新規半導体ファブ(fab・半導体生産施設)投資金20兆ウォンのうち敷地・建物に6兆ウォン、インフラ設備4兆ウォン、工程装備10兆ウォンがかかると仮定した。昨年末終了した租税特例制限法による臨時投資税額控除は考慮しなかった。現在、韓国の投資インセンティブは15%の設備投資税額控除のみ存在する。半導体製造に不可欠なクリーンルームを含むインフラ設備投資は、控除対象に含まれていない。このため、20兆ウォンの投資金のうち、インフラ設備と敷地・建物費用10兆ウォンは範囲とされない。結局、半導体機器10兆ウォンの15%に該当する1兆5000億ウォン分の税制特典のみ提供される(国内法人の場合、その20%は特別税とされるので実際の減免額は1兆2000億ウォン、毎日経済)・・>>

 

韓国では、サムスン電子など半導体メーカーが急成長できた理由を「国際情勢への対応」と「大規模投資」としています。しかし、いまでは、この二つに日本、米国、そして台湾などがもっとうまく対応出来ているのではないか、という懸念が提起されています。この補助金関連記事も、同じ趣旨です。しかし、ちょうど昨日取り上げましたが財政問題などの事情もあります。それに、お金だけの問題でもないでしょう。韓国の場合、政権によって外交路線が大きく変わりますから。

もし、政権交代がなかったとしても、いつ政権交代になるのかわからないし、政権が変われば「基本路線」まですべて変わってしまうため、『経済安保』という側面では、運ゲーになります。まずはここをなんとかしないと、ですが・・できる方法があるのでしょうか。つい先、総選挙であんなことやこんなことがあったばかりですし。

 

 

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