韓国ユン大統領、任期2年目の支持率(23%)で最低記録・・文在寅氏は47%

韓国政治関連の話です。就任してからずっとピンチが続き、任期中の唯一の総選挙も野党側の大勝利となった、ユン大統領。任期2年弱で、10回目の拒否権行使が予想される展開となりました(現在、9回使いました)。支持率も、就任2年としては(現在の選挙制度になってからの大統領の中では)もっとも低く、また、与党から離脱票が出て、得意の拒否権も無力化されるのではないかという話まで出ていて、いろいろ追い込まれる形となりました。率直に言って、いままでユン大統領はこの大統領拒否権で政権を維持してきたと言えます。大統領の拒否権行使で国会に戻された案は、再審議し、国会議員3分の2が賛成すれば再可決されますが、いままでは、野党側が3分の2までは行かなかったためです。

ですが、今回、「多分、10回目」とされる案件が登場しました。今回は何のことかと言いますと・・完全に政治案件になっているので本ブログでは取り上げませんでしたが、去年、豪雨災害関連の作業中に、海兵隊員のチェ・スグン上兵が殉職する事件がありました。作業に無理があったとか、救命チョッキーを着用していなかった(装備面での問題)など、様々な問題点が指摘されましたが、それより話題になったのは、軍内部で調べて、その結果を警察庁に移送する予定でしたが、明らかに『外圧』により、調査結果の一部が修正されたという疑惑が提起されました。

 

もう完全に政治案件になっていて、野党側は『特検法を制定し、徹底的に捜査』としていますが、与党側は『その必要はない』としていました。このチェ上兵特検法が、国会で成立しました。与党『国民の力』は票決に参加しませんでした。もしこの案件に、ユン大統領がまた拒否権を使うとなると、任期2年弱で10回目になります。2年で10回も問題ですが、今回は別の問題が提起されています。再審議された場合、「与党から離脱票が出て、『3分の2』に届くのではないか」、という見方です。ちなみに、前の総選挙結果による国会はまだ始まっていません。いままでは、それでも与党内で『親尹(ユン大統領派)』の影響力が強かったから、なんとかなったけど、今回の総選挙に出馬しなかった、または政党公式推薦を受けることができなかった、落選したなどの国会議員たち(もうすぐ国会を去ることになる議員たち)が、離脱票になってしまうのではないか、というのです。クッキーニュースによると、3分の2だと、与党から8人だけ離脱しても、案件は成立します。以下、<<~>>で引用してみます。

 

<<・・ユン大統領は国政運営2年間、すでに9回も拒否権(再議要求権)を行使した。野党側が処理した「チェ上兵特検法」にまで拒否権を行使すれば、二桁を記録することになる。政治的な負担が大きくなっただけでなく、近いうちに国会を去る(※任期終了)55人の与党議員が、再票決時に所信によって票を入れる可能性もある。先立って野党は去る2日、国会本会議で・・・・特検法を票決し、在席議員168人全員賛成で可決した。「国民の力」は野党の日程変更と強行処理などを理由に参加しなかった・・

・・最後の盾は、大統領の拒否権行使だ。大統領室は、チェ上兵特検法にも拒否権行使を既定事実化している。法案の政府移送後15日以内に可能だ。拒否権が行使された法案は、再び国会で再票決を経て、在席議員の3分の2以上の同意で議決される。 現在、国会構成上、再議決のためには197人の賛成が必要だ。 「巨大野党が処理→大統領再審議要求→再票決」という政局が繰り返される可能性が大きい・・・・ただし、政府与党が背負わなければならない負担は大きい。ユン大統領は総選挙以後「もっと疎通する」イメージを出すための国政刷新メッセージを出していた。また、拒否権を行使する場合、総選挙での民心を受け入れなかったとされる可能性もある・・

 

・・与党は今後再票決過程で離脱票を取り締まらなければならない宿題を抱くことになった。現在、野党側の議席は192席に達する。与党から離脱票がたった8票だけ出ても、大統領の拒否権は無力化される。特に今回の総選挙で不出馬・政党公式推薦が受けられなかった・落選したなどの与党議員たちが変数に挙げられる。もうすぐ国会から離れる与党議員は55人に達する・・・・離脱票が出てきた場合、ユン大統領は与党側のリーダーシップを完全に失うことになるだとう、という分析が出ている。この場合、レームダックが加速する見通しだ(クッキーニュース)・・>>

次の国会(4月10日の総選挙結果による国会)がもうすぐ始まりますが、それでも似たような現象は続くでしょう。なぜなら、与党内で親尹派の影響力は著しく低下しているためです。与党が、大統領の拒否権行使による政治的負担より、「私たちは大統領とは別です」というイメージを出すため、別の道を行く可能性は十分あります。いまの選挙制度になってから、大統領就任2年目の職務遂行肯定評価(支持率)を見てみますと(ヘラルド経済)、盧泰愚元大統領が28%、金泳三元大統領は37%、金大中元大統領49%、盧武鉉元大統領33%、李明博元大統領44%、朴槿恵元大統領33%、文在寅前大統領47%でした。同じ韓国ギャラップ調査で、尹大統領は23%です。

 

 

おかげさまで、新刊「Z世代の闇 物質主義に支配される韓国の若者たち」(扶桑社)が発売中です(2024年5月2日、アマゾン発売日)。詳しくは、下記のお知らせをお読みください。ありがとうございます
・以下、コメント・拙著のご紹介・お知らせなどです
エントリーにコメントをされる方、またはコメントを読まれる方は、こちらのコメントページをご利用ください。以下、拙著のご紹介において本の題の部分』はアマゾン・アソシエイトですので、ご注意ください。

   ・様のおかげで、こうして拙著のご紹介ができること、本当に誇りに思います。ありがとうございます。まず、最新刊(2024年5月2日)<Z世代の闇>です。いまの韓国の20代、30代は、どのような世界観の中を生きているのか。前の世代から、なにが受け継がれたのか。そんな考察の本です。・新刊(2023年12月21日)、<韓国の絶望、日本の希望(扶桑社新書)>も発売中です。「私たち」と「それ以外」、様々な形で出来上がった社会の壁に関する話で、特に合計出生率関連の話が多目になっています。・刊として、<韓国人として生まれ、日本人として生きる>(2023年7月29日)も発売中です。2023年、まさに心願成就、帰化できました。その際の、自分なりの持論に関する本です。・しい説明は、固定エントリーをお読みください。・当にありがとうございます。書きたいことが書けて、私は幸せ者です。それでは、またお会いできますように。最後の行まで読んでくださってありがとうございます。