ユン大統領が再び中国・ロシアへ接近しようとしている、というニュースがありました。総選挙のあとのユン大統領関連記事はほとんどが『協治』に関するもので、もっと野党と力を合わせるべきだ、国民がそれを望んでいる、そんな内容でした。しかしそれらは何かの特検法など国内政治関連のものがメインです。この場合は、外交の領域になります。実際にどうだったかはまずおいといて、ユン政権に対する批判には「外交が日米に集中しすぎだ」というのがありました。これは、保守支持の人たちからすると(米国という字が出てくるだけに)歓迎されるものでしたが、「中国との関係をもっと大事に」という意見もかなり出ていました。
繰り返しになりますが実際にどうだったかはともかくして(いままでもそうだったじゃん、と言ってしまえばそれだけですが)、ユン政権としては、「そういう話」にもっと応じるしかないと思ったのでしょうか。この前、プーチン大統領の就任式に韓国大使が参席したことに続き、今度は6年ぶりに外交部長官(外相)が訪中するという話が出ています。だからユン政権は、中国、そしてロシアに「接近」しようとしている、というニュースも出てくるわけです。いくつか似たような記事がありますが、わかりやすいソウル経済をソース記事にしました。これが、ユン大統領なりの『協治(野党の言うことも聞く)』の一つの形、なのでしょうか。以下、<<~>>で引用してみます。
<<・・ユン大統領が、10日から執権3年目を迎える中、外交・安保政策の限界点として指摘されてきた中国とロシアとの関係管理に乗り出している。ジョテヨル外交部長官が、外交部長官としては6年ぶりに訪中をすると見られ、ウラジミール・プーチンロシア大統領就任式には、米国や日本など友邦国とは異なり、大使が参席した(日本、米国、ドイツ、イギリスなどは参席せず、G7ではウクライナ支援を強調する発言が相次いだフランスだけ参席しました)。8日、外交部によると、ジョ長官は王毅中国外交部長の招待ですぐに中国を訪問すると見られる。長官は習近平中国国家主席を礼訪できるという観測も、一部では出ている。
今月27~28日にはソウルで日中韓首脳会議が開かれる可能性も高い状況だ。実現すれば、2019年12月以降4年5ヶ月ぶりになる。これまで専門家らは、ユン政権が去る2年間、日米韓同盟を強化して自由民主主義の価値連帯を復元したという点は高く評価したが、中国との関係がおろそかになった点は残念だと指摘してきた。政府は、ロシアとの関係管理にも出ている。イ・ドフン大使は7日、モスクワクレムリン宮で開かれたプーチン大統領就任式に参加した。先にクレムリン宮はプーチン大統領就任式に非友好国を含むすべてのロシア駐在外交公館長を招待したと明らかにした。米国、日本など韓国の友好国大使は参加しなかった・・・・こうした中、プーチン大統領の就任式に韓国の大使が参加したのは、それだけ私たちなりに韓ロ関係を管理する必要性を反映した措置だという解釈が出ている(ソウル経済)・・>>
総選挙のあと、ユン大統領は様々な形で「揺れて」います。8回も応じなかったとされている、最大野党「共に民主党」の李在明代表との会談がその代表格です。総選挙で野党が大勝利して、協治、協治と大騒ぎになってから、急に会談は成立しましたが、それで変わったことはなにもありませんでした。あいかわらず国会は特検法などで騒いでいるし、野党との協治はおろか、与党内部の「親尹」と「非尹」の区分が鮮明になりました。中国・ロシアへのアプローチも、なにかの『協治』のつもりなら、国内と似たような結果になるのではないでしょうか。なにせ、いままでも表面的には「米国側に完全に舵をきった」としながらも、そのスタンスはあいまいなものでした。中国・ロシアからしても、「接し方」を変える(リップサービス的なもの以外は)理由がないわけでして。
ちなみに日中韓首脳会談ですが、今月末あたりが有力だと言われていますが、8日、林芳正官房長官は『日程は決まっていない』と話しました。去年の3石外相会議で「早期の首脳会談開催を支持」としたので、開かれても別におどろくことではありませんが・・本当に開かれるのかどうか、まだちょっとわかりません。KBSによると、<<・・日本政府は今月26~27日、ソウル開催で最終調整中という観測が出ている日中韓3国首脳会議と関連して、「開催日程に関しては決定されたことがない」とし、議長国である韓国の努力を支持すると8日明らかにしました。日本政府の広報担当である林芳正官房長官は、この日の午後、記者会見で首脳会議開催日程に関する質問にこう答え・・・・「日本は引き続き議長国である韓国の努力を支持し、首脳会議の早期開催のために三国が調整していく」と話しました(KBS)・・>>、とのことです。
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