韓国、政府も医師協会も「日本を見習え」・・なにがあったのか

長引いている、韓国の医師増員(医科大学増員)問題関連です。研修医たちの辞職事態もまだまだ続いており、大学病院の教授たちが休診の形で参加しており、数十の大学・総合病院で一部の診療ができない事態もありました。4月、野党の大勝利で幕を閉じた総選挙でも、この件は与党・政府側の支持率を下げる要因だったと言われています。最初は強硬なスタンスのユン大統領が支持を得ていましたが、長引いてしまい、逆に支持を下げることになった、というのが一般的な見解です。

そんな中、医師(協会)側も、そして政府も、「日本を見習ったらどうか」と主張しています。政府は政府なりに医師たちは日本を見習えと言っているし、医師も医師なりに政府は日本を見習え、と。今朝の聯合ニュースが報じています。結構長い記事ですが、ポイントは、日本の場合は医師と政府が「事前にちゃんと話し合って」「会議内容を公開し」「一気に増やさず段階的に」医師増員を行い、そして、「何の問題もなく進んだ」という点です。だから医師側は政府に「日本を見習ってちゃんと話し合ってから決めて」としているし、政府は「日本では医師たちが増員に反対しなかった」と言っているわけです。以下、<<~>>で引用してみます。

 

<<・・医大増援をめぐる医政(医師・政府)対立が続く中、先に医師人力を拡充した日本の事例を置いても、政府と医療界の見方が交錯している。政府は、私たちより先に急速な高齢化を経験した日本の事例を、医大増援が必要な根拠として掲げ、この過程で医師の反発なしに増援がなされたと強調している。一方、医療界では日本の事例をむしろ政府批判の根拠とする。日本は2006年から徐々に増援したうえに、日本厚生労働省傘下の医師需給分科会はホームページに会議録を透明に公開しているという理由からだ。政府と医療界が、同じ日本の事例を置いて、それぞれ強調したい部分だけを取り上げている格好だ・・

 

・・日本厚生労働省は2006年「新医師確保対策」に続き、2007年「緊急医師確保対策」を相次いで出して医大定員を大幅に拡大することにした。これにより日本医大の定員は2007年7625人から2019年9420人まで増加した。2020年には9330人に小幅減り、再び2021年に9357人、2022年に9374人、2023年に9384人に増やした。今年の定員は9403人で、最も多かった2019年9420人を超えない水準で管理されている。国会図書館が発刊した「日本の医大定員増加と地域定員制」報告書によると、日本医師需給分科会は「2029年頃に医師人材需給がバランスをとり、その後人口減少に伴い将来は医師需要が減少局面に入るので、 今後(医師定員を)見直さなければならない」と見通した。

医療界は、一度に2000人を増やす韓国政府とは異なり、日本は「徐々に」増援したことを強調する。これとは異なり、政府は、日本の医師たちが医師不足に共感し、葛藤なしに増援が履行されたという点に注目する。さらに27年間、医大定員が凍結されていたため、一度に2000人を増やすしかない状況だったとする。福祉部は「我が国は医師たちの反対で27年間医大定員をたった一人も増やせなかった」とし「私たちも日本と同様に2006年から医師を徐々に増やしたならば、年に1万人が足りない状況までは至っていないだろう」と指摘した(※1万人が足りないという政府の主張については、見解が分かれています)・・

 

・・日本厚生労働省は「医療従事者需給に関する検討会」傘下に医師需給分科会を置いて、医師人員の増減を決定する。日本の医師需給分科会は会議議事録と参考資料を共に公開している。医師需給分科会は2015年12月から2022年2月まで計40回以上の会議を開いたが、厚生労働省のホームページに会議録と参考資料をすべて載せた。公開された会議録には、会議に出席した委員の発言が含まれており、具体的な議論過程を確認することができる。そもそも医大増援を議論した各種協議体の会議録を公開しなかった韓国政府とは対比される。政府は、公共記録物管理法上、会議録作成義務のある保健医療政策審議委員会の会議録を作成したものの公開しないでいたが、裁判所の要請により提出した。医療懸案協議体は報道資料とブリーフィングで会議結果を公開していた、と解明した(聯合ニュース)・・>>

本件だけでもありませんが、必要なときだけ~を見習えというのはそろそろやめてくれないかな・・とおもう今日この頃であります。さて、今日もまたまた同じ告知で恐縮ですが、おかげさまで好評の拙著「Z世代の闇」の抜粋記事が、FNNプライムオンラインに掲載されました。すべて4つあります。もしよろしければ、ぜひお読みください。3つがコラム、1つが「国際」カテゴリーです。ありがとうございます。

 

 

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