韓国ユン大統領、10回目の拒否権行使・・野党側は「弾劾の事由になる」

就任2年のユン大統領が、10回目の拒否権を行使することになりました。記事によっては「李承晩大統領以来もっとも多い」という書き方も目につきます。朝鮮日報によると、野党側は、また弾劾の事由になると話しています。国会で弾劾案をだして成立したとしても、憲法裁判所がそれを認めないとなりません。それに、大統領の拒否権行使は大統領権利なので、可能性は高くないと言えるでしょう(普通に考えると、ですが)。盧武鉉大統領のとき、今の与党国民の力(当時は別の政党名でしたが)が同じことをやったものの、憲法裁判所では認められなかったこともあります。

なんというか、拒否権が2年で10回というのもそうですが、なにかあればすぐ弾劾がどうとかの話が出てくることそのものが問題ではないのか・・といったところです。で、今回は何の案件かと言いますと、いわゆる「チェ上兵」特別検事法関連です。去年、豪雨災害関連の作業中に、海兵隊員のチェ・スグン上兵が殉職する事件がありました。当時、指示された作業に無理があった、救命チョッキーを着用していなかった(装備面での問題)などなど、様々な問題点が指摘されましたが、それからも、「軍内部で調べて、その結果を警察庁に移送する予定だったが、明らかに『外圧』により、調査結果の一部が修正された」など、さらに疑惑が提起されました。

 

この件、それから完全に政治案件になって、野党側が特検法(特別検事を決めて徹底捜査すること)を要求、成立させたわけです。大統領室側は、『与党と野党の合意のない特検法は受け入れられない』などで、拒否権を行使すると明らかにしました。国会票決に与党は参加していません。野党側は28日に、再票決を行うとしています(本件だけでなく、本会議でいままで大統領に拒否された各案件の再票決を行うとしています)。ただ、野党側が多数の議席を取っているものの、再票決で成立させる(すなわち、大統領の拒否権行使を無力化させる)には、17票が足りません。

野党側が1人も「離脱票」を出さないという仮定のもと、与党国民の力から17票の離脱票が出ると、本件は再び成立します。ちなみに、4月の総選挙結果による国会(韓国で言う22代国会)はまだ始まっていないので、28日の再票決は、既存の議員たちによるものになります。ソウル新聞は、「28日の再票決に参加する議員の中には、4月の総選挙で当選できなかった、または政党公式推薦が受けられなかった人たちもいる」としています。彼らがどんな選択をするのか、わからないという意味です。以下、<<~>>で引用してみます。

 

<<・・共に民主党は21日、ユン大統領の海兵隊員特検法再議要求権(拒否権)行使に対して、「避けてとおるつもりはない」「大統領自ら政治の終わりをまねいた」と総力対応を示唆した。野党側はユン大統領の拒否権行使自体が違憲の可能性もあるとし、弾劾事由になるという主張も出た。パクジャンテ院内代表はこの日、国会で開かれた院内対策会議で「ユン大統領が拒否権行使で野党と国民に向けて対立を宣言すれば、共に民主党はすべての案を講じ、国民と共にユン政権に総力対応する」とし「そういうことは願っていないが、避けて通れないこともある」と話した。続いてユン大統領に向けて「キムゴンヒ女史(※大統領夫人)の各種疑惑捜査も、海兵隊員をめぐる捜査も、ただ真実を隠そうとするだけだ」と述べた。 パクジュミン議員はSNSに「ユン大統領が戻れない川を渡った」とし「今日の拒否権行使は、ユン大統領の政治的な終わりになるだろう」と話した(朝鮮日報)・・>>

 

<<・・国民の力は21日、ユン大統領の「チェ上兵特検法」再議要求権(拒否権)の行使により、党内離脱票取り締まりに注力している。 現在まで、キムウン議員、アンチョルス議員、ユイドン議員が公開的に特検法に賛成する立場を明らかにした中(※いわゆる非尹派の議員たちです)、追加離脱票がどれくらい出てくるかがカギだ。国民の力は「大きな問題は見つかっていない」としながらも、個別説得に入った。チュギョンホ国民の力院内代表はこの日、国会で記者たちと会って「ユンジェオク元院内代表と私が、議員たちを個別に全員会っている」と明らかにした。彼らは特に22代総選挙で当選できなかった、出馬しなかった、または公式推薦が受けられなかった現職議員59人と会って説得している。彼らの本会の出席の可否と選択が再議決を決定するためだ。特に再票決は無記名投票で行われる点も、変数だ(ソウル新聞)・・>>

 

28日の本会議に参席する議員は、今のところ(個人的な理由で参加できない人がいないとすると)295人とされています。出席議員3分の2以上(197人)が賛成すれば、特検法が再び通過します。すなわち、大統領の拒否権行使は無力化されます。共に 民主党(155席)をはじめとする野党側はすべて180席。「国民の力」から17票の離脱票が出れば、可決されます。次の国会(4月の選挙結果による国会議員たちの国会)でも、共に民主党は「いままで拒否された案件」を再び取り上げるとしています。離脱票がどう動くのか、結果によっては、『大統領と与党の関係』においてのレームダックが確実なものなるのではないか、などなど、昨日も今日も多分明日も、揺れまくっている、ユンれまくっている韓国政治ネタでした。ユ~ン~ユ~ン~(謎のEDテーマ)・・と、最後に告知ですが、一昨日に続き、今日もまたプレジデントオンラインに記事が掲載されました。韓国Z世代関連、拙著からの抜粋記事です(リストの一番上の記事)。よろしければ、お読みください。ありがとうございます。

 

 

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