文在寅前大統領の回顧録に書いてある、「(当時)安倍総理とトランプ大統領」の関係

文在寅前大統領の回顧録「辺防から中心へ」が出版され、話題を集めています。辺防(辺境の地)から中心になった、と。話題といっても方向性はいろいろありますが、特に右側メディアから・・というか普通の感覚でもそうですが、その本の「当時の北朝鮮問題に関する日米韓の関係」に対する部分が、どうみてもおかしいと話題になっています。私は本を読んだわけではないので、以下のエントリーのソース記事はあくまで「朝鮮日報の記事」である点、ご理解ください。引用部分も、多くは、ちょうどその期間中に朝鮮日報の日本特派員だった記者の「指摘」をメインにしています。

たとえば、回顧録は、「トランプ大統領と私(文在寅氏)は良い外交パートナーだった」としながら、当時大統領府秘書室長などの話として「安倍総理とトランプ大統領の信頼関係はそこまで強くなかった・・という話を聞いた」という内容が出ていますが、朝鮮日報記者さんは、「私が日本で見たのとはあまりにも異なる話で、いったいどこからそんな話を聞いたのかわからない」としています。朝鮮日報や右側以外のメディアからも、「さすがに当時の現状認識に問題があるのでは」という指摘は結構出ていて・・左側は感動しているようで、いろいろ話題になっているわけです。それでは、特に(以下、当時)安倍総理とトランプ大統領の話をメインに<<~>>で引用してみます。

 

<<・・文在寅前大統領が先月出した回顧録「辺防から中心へ」で議論が続いています。「ありもしない北朝鮮の非核化意志を代弁した」という指摘を受けるこの回顧録は、北朝鮮問題だけでなく、他の事案に対しても検証が必要だという指摘が多く出ています。南北関係はもちろん、米韓関係などで事実よりも自分の感想、感じを優先した自話自賛が多いとされています。文前大統領は回顧録でこう述べています。「韓国政府はバランス外交で前例のない最高の成果を出した。そう自負してもいいと思う。米韓同盟は強固で、日韓関係が政治的に揺れる部分もあったが、経済や民間レベルの交流では何の問題もなくよく回っていたし、中国やロシアとの良好な関係、北朝鮮とも平和を維持した。このような時は、いままでの政権ではなかった」(488ページ)・・

 

・・「米韓関係を見ると、朴槿恵政権とオバマ政権の間には足並みが揃わなかった(488ページ)」、「彼(トランプ)に対しては様々な評価もあるが、私には同盟外交のパートナーとしてすごくよく合う方だった(29ページ)」・・チェジョンゴ前外交部一次官もこう言い、文前大統領の話を助けます。「安倍首相はトランプが当選者の身分だったときに、トランプタワーまで行って金メッキゴルフクラブをプレゼントしたが、二人の関係はそんなに強くなかったという話を聞きました」(30ページ)。文前大統領は、朴槿恵大統領とオバマ大統領は呼吸が合わなかったが、自分とトランプの関係はピッタリだったと思っているようです。

 

残念ながら、文前大統領のこのような発言は、事実とは異なるとの評価が多く出ています。私は2018年6月に東京特派員として赴任し、日本で取材しながらトランプ・アベのブロマンスが最高水準の首脳関係に達したことを取材しました。文在寅・トランプの関係は、文前大統領が考えているほどよく合うものとは思えませんでした・・・・当時の日米の密着とは異なり、米韓関係は問題が指摘されていました。国家安保室長は米国訪問直後の2019年12月10日「トランプ大統領が金正恩委員長の誕生日のお祝いメッセージを文大統領が伝えてほしいと言った」と仲裁者っぷりをアピールしました。

しかし、北朝鮮外務省顧問が「米国大統領の親書は、こちらに直接伝えられている」と談話を出し、「体面」を台無しにされた。当時外交情報筋たちの間では、「親書の有無も分からないほど、米韓間のコミュニケーションに問題があるという意味ではないか」という言葉が出ていました。文大統領が2020年の新年演説で南北協力構想を明らかにしたときも、米国国務省は「すべての国連加盟国は国連安保理制裁決議を履行しなければならない」と事実上反対の意思を明らかにしました(朝鮮日報)・・>>

 

記事が取り上げているいくつかのエピソードのうち、一つを簡単に紹介します。「ああ、あったあった」な話です。安倍元総理とトランプ前大統領は2020年1月まで首脳会談を14回、電話通話を33回もしましたが、特に2019年12月21日の電話会談は、記者にとって大きなインパクトがあったと言います。当時、安倍総理は日中韓首脳会談(この前再開されたあれです)参加のために出国する直前でしたが、両首脳は75分間も通話しました。その前、12月7日には、トランプ大統領は文在寅大統領と30分間通話しましたが、この時点に安倍総理とまた電話会談を、しかもずっと長くしたというのは、文大統領との電話会談内容が信用できなかったからではないのか、というのです。取材などによると、このときの電話会談は北朝鮮問題についてのものだった、とのことでして。確か、これ、前にも本ブログで取り上げた記憶があります。他にもトランプ大統領がが安倍総理のアドバイスを受け入れたことは、何回もあった、とも。

 

 

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