韓国、石油・ガス田で「名前が似ている会社」の株価まで急騰・・一部では「超伝導体のときと同じに見える」とも

昨日本ブログでもお伝えしましたが、浦項・蔚山あたりの海域、一般的に迎日湾(ヨンイルマン)と呼ばれるところで、最大140億バレル規模の石油・ガス田が見つかった(かもしれない)こと、韓国では連日大きな話題になっています。朝鮮日報などは肯定的な記事が多いですが、全体的には「どうしても朴正煕大統領のときのことがオーバーラップする」という記事のほうが目立っています。中には「日本が緊張している」というニュースも結構ありますが(笑)。

今日は、迎日湾あたり、一般的には6鉱区(なぜかここだけ6-1と表記します)と8鉱区あたりの開発について、今までなにがあったのかを韓国日報の2つの記事、記事1記事2からまとめてみます。基本的に「50年間調べたけど、なにもなかった」が結論ですが、実はガス田が一つ見つかって、2004年から2021年までガス(原油換算で約4000万バレル)を生産していました。すなわち成果がまったくなかったわけではありません。また、今回の件で「関係ない会社」たとえば韓国石油公社とは何の関係もない韓国石油という会社の株価が急騰するなど、一部からは「超伝導体のときと同じだ」という話も出ている、とのことです。以下、<<~>>で引用してみます。

 

<<・・(※該当地域、6鉱区・8鉱区あたりに対する)石油探査及び掘削は50年以上前からやってきた。その間、1998年にガス田が発見され、実際の開発までできたが、石油は経済的または意味のある評価を受ける発見はなかった。朴正煕政権が慶尚北道の浦項市一帯で「石油が発見された」と公式発表したことはあるが、発見された黒い「油」が原油ではないことが明らかになってハプニングにとどまった。国内石油探査および掘削は1970年代に始まった。1970年1月、産業通商資源部の前身である商工部が「海底鉱物資源開発法」を作りながら約30万㎢に達する国内大陸棚を7つの海底鉱区に確定し、石油探査時代が開かれた・・

・・実際、1972年、米国ガルフ社が6-1鉱区から海底4,626mまで掘ったのが、韓国初の大陸棚石油探査掘削だ。しかし、石油が埋蔵されていることを確認するまではいたらなかった・・・・1975年、朴正煕大統領が自ら前に出て「石油が発見された」と発表し、大騒ぎになった。浦項の迎日湾一帯を掘削する過程で、ドラム缶一つ分量の黒い「油」を見たというのが根拠だった。しかし、その油を分析したところ、人為的精油過程を経なければ出てこない「軽油」の比重が高すぎるという結論が出た。ガソリン、軽油、灯油、ガスなど様々な物質が均一に混ざっていなければ、原油ではない。産油国の夢がハプニングで終わる瞬間だった(韓国日報その1)・・>>

 

<<・・エネルギー関連株の急騰が2日間続いた。ユン大統領が多量のガス・石油埋蔵の可能性を言及した影響だが、証券関係者たちの間では「20%の可能性(※これくらいの可能性だそうですが、もっと低いという話も出ています)だけ見て判断するにはまだ早い時点」という懸念が出ている・・・・エネルギー生産・輸送とは関係のないメーカーも急上昇を続けた。コスピ上場会社「韓国石油」が代表的だ。アスファルト加工会社なのに、2日連続上限まで上昇を記録した(※あとで話が出てきますが、韓国石油公社と間違えられたから、とされています)・・

・・証券街では、「追加進行状況を見守ってから投資すべき」という指摘が相次いだ。ユ・ジェソン、ハナ証券研究員は「生産が始まると予想されている時点が2035年以降であることを考慮しなければならず、前のガス田の場合も1998年探査成功以後2004年に商業生産を開始した事例を参考にする必要がある」と強調した・・・・今回のジャンセが昨年「二次電池」、「超伝導体」テーマ株の延長線だという意見もある・・

 

・・確かな根拠なしに急騰したが、ある瞬間、買収が消えてそのまま終わってしまう、ということだ。業界関係者は「『可能性がある』という話をなぜ大統領が自ら話したのかわからない」と言い、「どこまで、いつまで上がるかは誰も知らない。しかし、市場がダメージをうけることになるという結論だけは、わかる」と話した。投資家の間でも懸念の声が出た。特に韓国石油の急上昇に関する指摘が多かった。ある投資家は「(探査掘削を主管する)韓国石油公社と韓国石油は違う」とし「サムスンという字の入った看板の金物屋がサムスン電子系列会社になるわけではない」と指摘した(韓国日報その2)・・>>

別に発表したこと自体はいいでしょう。発表の「仕方」はちょっと大げさだったかな、とは思いますが。モーリシャス共和国との首脳会談まで延期して発表する必要があったのか、と。また、昨日MBCが「聞いたことない会社」と報じたエクトジオですが、そのことでいくつかのメディアが調べた(?)結果が記事になっているので、少し補完しておきます。確かに会社名はあまり知られていないとのことですが、顧問の1人が有名な人だそうです。ただ、今回の調査をその会社が行ったわけではなく、韓国石油公社が下請けなどのシステムで調査したデータを、その会社が「分析」したと思われる、という専門家の意見なども記事になっていました。とりあえず、本格的に話が出てくるのは次の、またその次の政権の話になるでしょう。

 

 

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