韓国、「働く60歳以上」比率で日本を超える・・わずか5年で180万人増加

以下、複数の機関のデータなので基準が異なります(66歳だったり65歳だったり60歳だったりします)。その点、ご注意ください。本ブログとしては初期から(ダンボール拾いなどで)取り上げてきた、高齢者の貧困問題。関連したニュースをいくつか紹介したいと思います。実はこれ、最近「若い人たちの就業は減少し、60歳以上が急増している」という指摘とも繋がっているわけでして。中央日報の報道によると、60歳以上勤労者の比重で、韓国が日本を超えました。高齢者率では日本のほうが高い(高齢・超高齢社会進入時期が早かった)にもかかわらず、60歳以上勤労者比重は韓国が高い、ということになります。

OECDは「65~69歳雇用率」を集計していますが、最も高いのが日本が50.9%、その次が韓国が50.4%です。しかし、高齢者(OECD集計で66歳から)の可処分所得を見てみると、各国人口(全体年齢代)の平均可処分所得は、韓国は68.0%(76歳以上は58.6%)でした。それぞれワースト2、ワースト1です。日本は85.2%(76歳以上は78.0%)でした。この部分はSBS(2023年12月19日)からです。人それぞれ、世帯それぞれでしょうけど、このデータは、日韓共に働く高齢者は多いけど、得られる所得においては日本のほうがずっと多いという意味になります。66歳以上貧困率でも、韓国だけが40%を超え、40.4%でした。アメリカが22.8%、日本が20.2%などなどです。

 

こんな中、働く高齢者が増えたというニュースは、各紙共に、あまりうれしくないものとして受け止めているようです。ソース記事中央日報の画像部部のデータですが、2019年時点で日本の60歳以上勤労者比率は21.2%(1416万人)で、2024年で22.1%(1488万人)。少しずつ増えていますが、そこまで急増したわけではありません。しかし韓国の場合、2019年16.8%(451万人)2020年18.2%(485万人)2021年19.5%(526万人)2022年20.1%(559万人)2023年21.7%(613万人)2024年22.4%(637万人)と、%で見ると急速に増加しています。以下、<<~>>で引用してみます。

 

<<・・(※6月)13日統計庁によると、3月に全就業者(2840万人)のうち60歳以上は637万人で、22.4%だった。同月、日本総務省統計を見ると、60歳以上の就業者の割合が22.1%(6726万人のうち1488万人)だった。経済規模や人口ともに日本が韓国を上回るだけに60歳以上の就業者数自体は日本が多かったが、比重は逆転した・・・・年をとっても仕事を続けなければ生計を続けることができる高齢者貧困問題がこのような結果を生んだという分析が出ている。韓国66歳以上貧困率は40.4%(2020年)で、経済協力開発機構(OECD)加盟国の中で最も高い。OECD加盟国平均66歳以上貧困率(14.2%)より3倍高く、日本(20.2%)の2倍だ。昨年、統計庁の調査で65~79歳の高齢者の55.7%が勤務を続けることを希望したが、これらの半分以上(52.2%)は「生活費」、「お金が必要」と答えた。食べて生きるために働く高齢層が多いという意味だ。

昨年、国民年金を受けた65歳以上の国民は498万人で、65歳以上(973万人)の51.2%だ。平均老齢年金受領額は1人当たり月62万ウォンに過ぎなかった。企画財政部の関係者は「日本など他の先進国と比較すると公的年金の導入が遅れたため、依然として働かなければならない高齢層が多い」と説明した。国内国民年金が全国民対象に拡大されたのは1999年だ・・・・高齢層を対象とした直接雇用政策(※政府や自治体が簡単な仕事を直接与える政策)も、高齢就業者の割合を高めた理由の一つだ。政府は今年直接雇用117万個を作ると明らかにしたが、この中で高齢者雇用が103万個だ。昨年(88万3000個)より14万7000個増えた。高齢者雇用に割り当てた予算は2兆ウォンに達する。政府が給料を与え、高齢就業者の割合が高まった(中央日報)・・>>

 

余談ですが、OECDの66歳以上貧困率は、福祉メインの国家は貧困率が5%にもならないので、それらの国により平均値はかなり低く出ます(14.2%)。たとえば、フランスは4.4%です。アメリカは66歳以上貧困率は22.8%で日本より高いですが、66歳以上のスーパーリッチが多いためか、「可処分所得」は全体平均の93.2%です(76歳以上でも83.8%)。最後に、政府が「直接」用意する雇用のうち高齢者を対象にしたものは、「月30時間勤務で29万ウォン」と「月60時間勤務で63万4000ウォン」だそうです(実際にその仕事を紹介するサイトなどの情報です)。記事で言う103万人の政府雇用というのがこちらです。60時間働くものは、「行政の支援」「教育補助」などで、なにか経験者限定、または履歴によるものかもしれません。

 

 

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