円安を「国力の問題」としていた韓国メディア、今回は「円高こそが世界を揺るがした理由」

一つ前のエントリーでも少し触れた内容なのでどうしようかと思いましたが、ちょっと明らかな書き方の記事が増えてきたので、もう一度取り上げてみます。つい今朝まで「もっとも大きな理由はアメリカの景気後退に対する懸念で、円キャリートレード清算、AIバブルの早期終了、中東情勢などが複合的に作用した」としていた韓国の各メディアですが、午前あたりから一気に記事の方向性が変わり(なにがあったのでしょうか)、「原因はおまえだったのか(※日本中央銀行のこと、アジア経済紙)」「金利引き上げてもうすっきりしたか?世界から批判集中(韓国経済TV)」(以下、各メディアの記事の題など、原文ママ)などの、明らかすぎる題の記事が増えてきました。アジアを中心とした株安の原因が、それだというのです。

その影響があるというならともかく、なんでこんなに一気に記事の書き方が変わったのか・・とにかく、こういう記事が急激に増えています。今日は日本だけでなく韓国など他国の市場もずいぶんと立ち直っていますが、ひょっとして昨日か今朝書いておいたもの、でしょうか。掲載時間が10時~11時あたりのものが多いので、そうかもしれません。こんなとき「野党(共に民主党)の政策による影響もある」と記事を載せた朝鮮日報は、勇敢なのかどうかよくわかりませんが・・「いままで円安を国力と結びつけようとしていた各メディアがいまさら何を言っているのか」と思うと、朝鮮日報はまだわかりやすいとも言えるでしょう。

 

140円~145円が本当に円高なのかどうかも、それも人によって考えが異なるでしょうし・・得をする人もいれば、そうでない人もいる、といったところでしょうけど。一つわかっているのは、国力がどうとかの円安ではなかったということです。いまでもはっきり覚えているのが、KBSのニュース番組(2022年10月21日、ドル円150円になった日)です。「我が国にも影響するので、日本の国運があまりにも早く衰退しないことを願うだけです(直訳)」という内容でした。似たような流れが多い中、同日の韓国日報の記事だけが妙に「浮いて」いて、エントリーしたことを記憶しています。日本特派員が書いたもので、日本東京証券街である日本橋兜町で取材した結果、前日、円・ドル為替レートが150円になり、金融危機の影が見え隠れするのだろうかと思ったが、とても平穏で、輸入物価、消費者物価が上がり、企業の採算性や国民の生活に影響するのではないか、そんな話ばかりだった、という内容です。

 

「日本発、アジア金融危機が迫る」という暗い見通しに耳を傾ける日本人はほとんどいない。国内外の経済専門家たちもそうだ」、などなど。この記事だけ、他の記事からすると明らかに「浮いて」いました。これといって話題にもなりませんでしたが。で、今回は円が少し高くなったわけですが・・先のように「なんで金利を引き上げたのかうわあぁぁ」という記事も多いけど、中には「円キャリートレードが清算されると、確認されているだけで16兆ウォンが離脱するかもしれない」という記事もありました。韓経ビジネスというメディアです。国力どうとか言っていた人たちが、なんでこんなこと気にしているのか、と(笑)。以下、ちょっと<<~>>で引用して、そのまま終わりにしたいと思います。

 

<<・・日本系資金が国内証券市場を揺るがせるかもしれないという見方が浮上している。円を低金利で借りて高金利資産に投資するいわゆる「円キャリートレード」が清算されるという懸念が高まっているからだ。6日、金融監督院によると、6月末に日本系資金の韓国上場株式保有額は16兆2910億ウォンと集計された。昨年末(15兆890億ウォン)より8.0%増加した。日本系資金の韓国上場株式保有額は2022年末12兆3910億ウォンにとどまったが、昨年末15兆ウォンを超えるなど増加傾向を見せた。6月にも国内証券市場で1910億ウォン分を純買収するなど活発な動きを見せた。しかし最近、この資金が国内証券市場から離脱するという観測が提起されている。

日本銀行が先月31日、金融政策決定会議で年0~0.1%だった政策金利を年0.25%に上げたためだ・・・・円の価値が急騰する場合、円キャリー資金の為替差損が大きくなるだけに、海外資産を投売する兆しが現れる可能性があり、韓国株式も整理する傾向が続くという分析が出ているのだ。日本系資金の韓国証券の離脱が、他の外国人の離脱と一緒に起きた場合、国内証券市場への影響が大きくなる可能性があるという懸念も提起されている(韓経ビジネス)・・>>

 

 

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