昨日お伝えした通り、今日、早くもユン大統領弾劾案が国会で報告されました。早ければ明日、票決に入ります。こういうのに限っては、本当にスピード感が半端ありません。KBS(今日)によると、与党「国民の力」はそれでも大統領の任期だけは守るという構えですが、国会議員たちが団結した姿を見せるのかどうか、今回ばかりはなんとも言えません。そんな中、デイリアン(今日)など一部のメディアが、今回の非常戒厳騒ぎが米韓関係に大きな影響を及ぼすだろうという趣旨の記事を載せています。当然とも言える反応でしょう。ちょうど11月30日、ロイターなどに、トランプ政権は北朝鮮と「直接」対話するだろうという記事がありました。前のトランプ政権(+文在寅政権)でいろいろあったので、やはりそうなるでしょう。
こういう側面でも、米国政府が韓国政府をスルーするのではないか、今回の事態が、その名分を与えたのではないか、と。ちなみに、米国ホワイトハウスは「戒厳令については何も聞いていなかった」としています。ニューヨーク・タイムズも(ソース記事デイリアンの引用によると)、これは今のバイデン政権だけでなく、次期トランプ政権にも影響を及ぼすだろう、としています。米国は、バイデン大統領任期中には最後となるNCG(米韓核協議グループ)の会議も順延しました。このNCG協議、ユン大統領が米韓安保協力の核心外交成果としてきたものです。記事は、これは単に日程の問題ではなく、韓国政府に向けての不満の表れである、としています。以下、<<~>>で引用してみます。
<<・・尹錫悦(ユンソンニョル)大統領の弾劾訴追案が、野党議員だけが出席した中で、今日の夜明け、国会本会議に報告されました。ハンドンフン国民の力代表は、少し前、弾劾を防ぐために努力すると明らかにしました。野党側は、非常戒厳が国民主権主義と権力分立の原則など憲法と法律に違反したという弾劾事由を提示しました。弾劾案は本会議に報告された後、24時間以降、72時間以内に議決がなされなければならないため、早ければ明日、遅くとも明後日には本会議での票決が行われるものと見られます。大統領弾劾案の可決要件は在籍議員の3分の2以上の賛成です。野党議員が192人で、可決されるためには国民の力で8人が賛成しなければならないが、国民の力は今日明け方「弾劾訴追反対」を党議と決めました。
ハンドンフン代表は少し前最高委員会で「混乱の影響を抑えるためにも、今回の弾劾は成立しないように努力する」と述べました。代表は、だとしても「大統領の違憲的戒厳を擁護しようとするわけではない」とし「ユン大統領が共に民主党の暴挙により仕方なく非常戒厳をしたとしているが、違法な戒厳を合理化することはできない」と話しました。続いて、党代表としてユン大統領の脱党をもう一度要求すると明らかにしました(KBS)・・>>
<<・・ユン大統領の予告のない非常戒厳宣言で、米国政府は不快な気配を隠さないでいる。トランプ2期行政府の発足を控え、米韓関係が非常戒厳事態の影響を受け、韓米同盟の安保共助が揺れる可能性があるという懸念が高まっている。4日、国防部によると、米国はユン政権が核心成果として強調してきた韓米核協議グループ(NCG)の日程を順延させた。国防部は「第4次NCG会議および第1次NCGTTXが順延された」、「韓米は適切な時期に開催することにした」と明らかにした。NCGは、ユン大統領とジョーバイデン大統領のワシントン宣言により発足した協力体だ。 NCG4次会議は10月30日(現地時間)、韓米国防長官間の年次協議体である韓米安保協議会議(SCM)開催を契機に確定した。今回の日程は、ジョーバイデン政権任期内の最後のNCG会議でもあった。
NCG会議の順延には、韓国政府に向けた不満が込められたと解釈されている。バイデン大統領がアフリカのアンゴラ訪問中、韓国の戒厳令事態について報告を受けた。なんの予告がなかった戒厳令に、ホワイトハウスは理解が追いつかない姿だ。ホワイトハウスは戒厳宣布と関連した韓国記者たちの質問に、「米国はこの発表(非常戒厳宣布)の事前通知を受けていない」とし「私たちは韓国の状況展開について深刻に懸念する」と話した・・
・・米国現地では、米国バイデン政権と韓国の関係に思わしくない気流が感知され始めた。米ニューヨークタイムズ(NYT)は、「韓国の戒厳令宣言で、韓米同盟が数十年ぶりに最大の問題に直面した」とし「民主主義を外交政策の基本枠組みにしてきたバイデン大統領は、このリスクを処理する方法について難しい選択をしなければならないだろう」と報道した。
戒厳令は解除されたが、外交に及ぼした影響は容易には収まらない見通しだ。新たに始まるトランプ2期政権でも、円滑なコミュニケーションがなされないだろうと懸念されている。パク・ジンギ世宗大学待遇教授(※該当大学で教授としての待遇を受ける学者など)は、「後先考えずに行った今回の事態は、現バイデン政権、次期トランプ政権すべてに深刻な不信感を植え付けた」とし「今回の事態により、トランプ政権に北、朝鮮問題解決で韓国をスルーする名分を与えた」と指摘した(デイリアン)・・>>
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