韓国、戒厳・弾劾の影響で経済政策も外交も全面停止の可能性・・トランプ氏側との会談も「長期間、無し」

大統領弾劾案は廃案となりましたが、経済・外交などは見事に弾劾(?)されたようです。いまのところはまだ(解除が早かったのが幸いしたのでしょう)そこまで大きな問題は出てきていませんが、『これから』やるはずだった各種政策が全面ストップするのではないか、そんな懸念が出ています。ハンギョレ新聞MBNなどが報じています。特に、トランプ政権に備えての各国との共助もストップする可能性が高い、とも。ハンギョレ新聞によると、今回の騒ぎが影響してのことかどうかはわからないものの、トランプ大統領(当選者)側とのハイレベル会談なども「長期間、無し(原文ママ)」とのことでして。どこかの多国間会議で会って「挨拶」はするかもしれませんが。以下、各紙から<<~>>で引用してみます。

<<・・経済が一歩先も見えない「視界ゼロ」状態に置かれた・・・・政治的不確実性が最大化し、国民と国際社会の信頼が低下し、経済がその影響を受けているわけだ。途方もなく弱くなった経済基盤、米国ドナルド・トランプ政権の保護貿易など多くの問題が同時に起きている。国内証券市場とウォン安、外国人投資金の離脱は、政局・経済不安の信号弾だ。すぐに政府政策が推進動力を失い、私たちのような対外開放経済の核心である経済外交も「オール・ストップ」になる立場だ。

 

8日、政府機関の情報筋たちによると、来年1月20日、米国トランプ2期行政府の発足を前後に、米韓間の首脳レベルの会談は、長期間、開かれないと思われる。当初、韓国政府はトランプ2期行政府発足前に米韓首脳会談の開催を推進してきた。しかし現在、ユン大統領が内乱関連で捜査を受けており、弾劾手続きもあって、トランプと対話するための、憲法上の『相手』がいない。トランプが国務総理や経済副首相などと会談する可能性は低い。ある輸出大企業の役員は「今のように通商が重要な時期、政府がリーダーシップを発揮しなければならない事案が山積しているが、トランプ大統領のカウンターパート(相手)すら空白状態だから、心配が大きい」と話した・・

 

・・トランプ2期に対応する国際共助もそうだ。今月初め、ウルフ・クリステション スウェーデン首相の訪韓が、非常戒厳の余波で突然延期された。それだけではなく、今月次期執行部が本格発足する欧州連合(EU)執行委員会と東南アジアなどを訪問し、貿易・通常懸案を議論しようとしたアンドクン産業通商資源部長官の海外出張日程も、保留された。外交政策に詳しい国策研究機関の関係者は、「トランプ政権の貿易・関税政策に対して他の国と共同対応をしなければならないが、外国の実務陣が、『今後どうなるのか分からない』政府と交渉することもめずらしいだろう」とし「政局が解消されるまでは、対外活動はまともにできない」と話した。

金融・外国為替市場の不安や内需低迷などに対応しなければならない今、すでにダメージを受けた対内・外の信頼や政治混乱などで、来年度予算案処理など国政懸案の対処はもちろん、投資・消費心理が回復するかどうかもわからなくなった。4大グループとされるグループのある役員は、「来年度の事業計画を立てる次期なのに、トランプなど対外変数や国内不安などを考慮して、売上目標などを保守的にとらえるしかない」とした。ゴールドマンサックス・モーガンスタンレーなどグローバル投資銀行も、韓国経済の成長鈍化を予想し、国内証券投資にも思わしくない見解を出している・・・・米フォブス紙6日(現地時間)「戒厳令が韓国経済を不況に追い込むという懸念は過度だという副首相の言葉は、その通りかもしれない」としながらも、「本当の問題は今後の数年間だ。ユン大統領の戒厳令事態の対価は、韓国国民が時間が経つにつれて分割払いすることになるだろう」と指摘した(ハンギョレ新聞)・・>>

 

<<・・「非常戒厳事態」に続いて「弾劾対立政局」につながり、韓国経済の不確実性はさらに大きくなっています。対外信者も下落はもちろん、経済政策も麻痺するという懸念に、経済省長官が緊急会議を開きました・・・・チェサンモク副首相兼企画財政部長官など14の関係省長官が一堂に集めました。大統領弾劾案の廃案の後、大きくなった政治的な不確実さにより外国人投資家が離脱するなど、経済の影響が懸念されているからです。【チェサンモク/副首相兼企画財政部長官「何よりも対外への信頼が重要です。 どんな状況が来ても、対外信頼に揺れがないようにしっかり守ります」】・・・・政府は国際信用評価会社と会い、国際金融協力大使を国際機関に派遣し、国内経済状況と政府の対応を知らせる計画です。副首相は米国の新政権発足が近いだけに、産業競争力強化のための「ゴールデンタイム」を強調したりもしました。

先月発表した「半導体システム競争力強化方案(※今度こそ補助金を出すのかと期待されていましたが、『政府が直接補助金を出してもいい』という内容だけでした。ちなみに、今まで別になにかの法律で出せなかったとかそんなわけでもありません)」のように各種業種で支援策を設け、対外不確実さに対応するということです。混乱した政局により、推進中の金融投資税廃止や半導体特別法など、経済政策も動力が失われるのではと、副首相は国会に協力を要請しました(MBN)・・>>

 

・・・国会に協力を~といっても、いままでもうまくいかなかったのにこの状況でうまくできるはずがないでしょう。戒厳令の直前、野党側は来年予算案から4兆1000億ウォンの削減しました。今回、さらに7000億ウォンを削減するとしています。主に大統領室(大統領府)関連を集中的に削った、とか。ユン大統領(のまま)では、いっさい妥協せずに今のままの予算案を通過させるというスタンスです。こんな状況で半導体(補助金など)がどうとかの話が通じるのでしょうか。毎週弾劾案出すだけでも結構大変なのでは・・いや、それなら日付だけ変えて再利用すればいいかも。

 

 

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