韓国経済メディア「ロッテグループの流動性危機は、日本のメガバンクから借りすぎたため」

弾劾騒ぎは、ダンダダン(弾)とまだまだ進行中です(適合性として「ダンガイオー」には勝てないか)。ただ、今回はあえて別の話にしてみました。また次は尹大統領関連になるかもしれませんが、流動的に選んでいきたいと思います。もちろん「このことが気になる」ページでも構いませんが、尹大統領関連も気になることがあったらコメントしてください。で、流動つながり(?)で、ロッテグループの流動性リスク関連、韓国経済の今朝のニュースです。本ブログでも何度か取り上げましたが、韓国で財界6位とされるロッテグループ。そのロッテについて、流動性リスク関連報道が相次いでいます。実際、系列会社や土地、事業関連などを売却していて、韓国最高層ビルまで担保として提供し、大きな話題になりました(この件、11月28日に紹介しました)。約1年半前に、不動産PF(プロジェクト・ファイナンス)関連でロッテ建設の流動性リスクが報じられましたが、今回は主にロッテケミカル、石油化学関連です。

記事は、日本の低金利を信じて、債務を増やしすぎた(日本のメガバンクから借りすぎた)のが原因だと指摘しています。ソース記事の題と内容のニュアンスに多少のズレが見られますが、題は「みずほ銀行を信じたため」「(ロッテが)やられた」となっていますが、内容は「みずほ銀行は、融資問題において毅然とした態度を示した」「借りた側が招いたことだと言える」となっています。すでに12年前、みずほ銀行は石油化学関連でロッテグループの方向性に疑問を示し、ある財務約定を要求した、とのことです。それが今になって現実になった(約定の基準が守れなかった)、とも。どういうことなのか、以下、<<~>>で引用してみます。

 

<<・・三菱UFJ、三井住友(SMBC)、みずほは日本の3大「メガバンク」に挙げられる。これら3行は国・企業別に信用等級を策定している。2000年代初頭まで、これらの銀行はロッテグループ系列会社の信用等級を韓国の国家信用等級より高く評価したと伝えられる。ロッテが日本で幅広く事業を展開することなどを反映した措置だ・・・・ソウルロッテホテルやロッテワールドタワー建設資金も日本の銀行から調達した。ロッテは超低金利資金を提供する日本の銀行から、借入金を大幅に増やした。買収合併(M&A)も多かった。市場で「無借入企業」、「ケチ」などの名で通じていたロッテグループの借入金は、いつの間にか30兆ウォンまで膨れ上がった。その借入金を運用する過程で、多くの問題が発生した。資金循環が詰まったり、早期償還契約内容をちゃんと認知しないなど、ミスは続いた。流動性リスク説が浮上したきっかけを自ら提供したという批判も浮上した。

 

9日、投資銀行(IB)業界によると、ロッテ・ケミカルは今月19日、社債2兆450億ウォン分の早期償還を防ぐための社債権者集会を開く。ロッテケミカルが、社債の管理契約条項に含まれる財務条件を守ることが出来なかったことで、早期償還の事由が発生したためだ。ロッテケミカルが違反した条項は「最近3年平均償却全営業利益(EBITDA)が利子費用より5倍は多くなければならない」という内容だ。最近、ロッテケミカルは多くの損失に直面し、この条項を守ることは出来なかった。IB業界の関係者たちは、ロッテケミカルの財務約定を見て、「なんで?」という反応を見せる。通常、このような財務契約は、財務構造が脆弱な企業が、機関投資家を安心させるため、投資家と結ぶものだ・・

・・早期償還の懸念があるうえ、財務構造がおもわしくないというイメージを市場に与えるため、好きでこんな条件を飲む企業はない。債務比率が70%台に過ぎないロッテケミカルが、このような財務約定を結んだことで、その背景に関心が集まった。この財務約定は、2012年に日本のみずほ銀行がロッテケミカルに要求したものだった。ロッテケミカルは2012年、石油化学製品の暴落で困難を経験した。2012年の営業利益は3717億ウォンで(※今は赤字が続いています)、2011年の4分の1だった。みずほ銀行はロッテケミカル社債の買収条件に、相応の財務約定を要求した。みずほはこれまでロッテグループの友軍だった。ロッテホテルはもちろん、ロッテワールドタワー建設もみずほ銀行の融資金を活用した。一時、みずほ銀行ソウル支店は、国内に投資する有価証券の半分をロッテグループ系列会社の商品で満たしていた。ロッテグループは、これらの銀行と数十年間の関係を続け、低金利で資金を調達してきた。

 

2010年半ばまでロッテグループが発行する会社債には、水戸など日本系銀行が参加した。超低金利を背負った日本の銀行のおかげで、ロッテグループは会社債の金利を大幅に下げた。2012年ロッテグループの借入金調達金利は年1%台だった。当時、同様の信用格付けの企業は年2~3%台だった。日本の銀行の役割が大きかったのだ。だが、数十年間友軍だったみずほも、お金のに関しては徹底した。ロッテケミカルの実績が下がると、財務約定を要求したのだ。このような約定は、会社債証券申告書には記載されていない。韓国預託決済院が管理する社債契約書に記載されている。ロッテケミカル財務チームは、このような財務約定を、いつからか、忘れていたようだ。2012年以降、実績が良くなったうえ、(※早期償還を)要求する投資家もいなかったし、削除してもよい条項だった。しかし、それから、発行する会社債の社債契約書にもこのような財務約定が挿入された。それからロッテケミカルが相当な赤字を出しながら、この財務約定が問題になった。早期償還の懸念が浮かび、ロッテグループの流動性リスク説が起きたのだ。日本銀行資金が、ロッテグループにブーメランになったという評価が出る背景だ(韓国経済)・・>>

 

ブーメランもなにも、好きで借りたのでしょうに。今回の件で、日本のメガバンクになにか損失が発生していないか、その点が心配です。 あと、いつもの告知ですが、久しぶりに新刊のご紹介です。本当にありがとうございます。新刊は「自民党と韓国」という題です。岸田政権・尹政権になってから、「関係改善」という言葉がすべての議論の前提になりました。果たして、本当にそうなのでしょうか。いや、それでいいのでしょうか。じゃ、同じ路線でないのは、たとえばこれから日本政府の路線変更があった場合は、それは「改善」ではないのでしょうか。そんな疑問に対する考えを、自分なりに、自分に率直に書いてみました。リンクなどは以下のお知らせにございます。

 

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様のおかげで、こうして拙著のご紹介ができること、本当に誇りに思います。ありがとうございます。まず、最新刊(2024年12月22日)<自民党と韓国>です。岸田政権と尹政権から、関係改善という言葉が「すべての前提」になっています。本当にそうなのか、それでいいのか。そういう考察の本です。・新刊(2024年5月2日)は、<Z世代の闇>です。いまの韓国の20代、30代は、どのような世界観の中を生きているのか。前の世代から、なにが受け継がれたのか。そんな考察の本です。・刊として、<韓国の絶望、日本の希望(扶桑社新書)>も発売中(2023年12月21日)です。「私たち」と「それ以外」、様々な形で出来上がった社会の壁に関する話で、特に合計出生率関連の話が多目になっています。・しい説明は、固定エントリーをお読みください。・当にありがとうございます。