さて、こうして、尹錫悦(ユンソンニョル)大統領が拘束されました。朴槿恵大統領のときもそうでしたが、やはり「ここまでするかな」な気持ちです。当時の拙著などにも書いた記憶がありますが、私は朴槿恵大統領をさほど評価していませんが、それでも、弾劾されるようなことはしていない、そもそもどんな違法行為をしたのかもよくわからない、そんなところでした。今回は、謎戒厳で違法(違憲)があったと見てはいますが、だからといって内乱にまでつなげるのは、さすがに問題だろうとしか思えません。
とりあえず、拘束できる期間は約20日間だけなので、その間に、公職者捜査処は尹大統領を起訴しなければなりません。そこまでうまくいくのでしょうか。ファイナンシャルニュースが、これからの手続きがどうなるのかについての記事を載せたので、その部分と、そして韓国日報が「共に民主党」李在明(イジェミョン)代表裁判関連で新しい記事を載せましたので、合わせて紹介したいと思います。李代表関連の件で、裁判所がスピードを出そうとしている、という内容です。普通、1審から2審までは3ヶ月くらいかかるそうですが、すでに2ヶ月が過ぎたのに、公判が23日に開かれる、とのことでして。一部からは、3~4月、遅くても夏までは大統領選挙が行われるという話も出ているので、間に合うかどうか、よくわからないところです。以下、<<~>>で引用してみます。
<<・・約20日程度だけ、拘束捜査が可能であるため、スピード感のある捜査を進行するとみられる。公捜処は先月、検察から渡された捜査記録をもとに、尹大統領に対する疑いを固める作業に入るだろうと見られる。キム・ヨンヒョン前国防部長官の訴状では、戒厳当時国会議員らの国会出入を阻止しようとする試み、中央選官委員会進入の試みなどに対する尹大統領の具体的な発言なども一緒に適時されたことがある。その内容によると、尹大統領は非常戒厳当日「扉をこわしてでも中に入って(国会議員たちを)連れ出せ」、「私が(戒厳を)2回、3回栗かせして宣言すればいいだけなので、予定通り続けろ」と指示していた(※証言による話で、関連文書があったというニュースはありません)・・
・・内乱が成立する要件上、公捜処は尹大統領の非常戒厳指示が、国政、憲法を無力化させようとする目的があったのかどうか、これが暴動に該当するかどうな、などを集中的に調査する予定だ・・・・ただし、尹大統領側が陳述に応じず、公捜処の捜査に協力しない可能性もあるため、円滑な捜査は難しいものと見られる。尹大統領側は8日「公捜処の無効な令状で進行される捜査には、応じることができない(※公捜処には相応の権限がないという主張です)」とし、ソウル中央地法を通じた令状請求や起訴に対してのみ、法的手続き通りに応じると明らかにしており、それからも「公捜処の捜査を認めるわけにはいかない」という趣旨の立場を出してきた・・・・公捜処には、大統領起訴権がないという点も、公捜処には不利に作用する可能性がある・・・・検察と公捜処は捜査期間をそれぞれ10日ずつ分ける方案を議論しているという。公捜処が実質的に捜査できる期間は、逮捕期間を合わせて12日ほどだ(ファイナンシャルニュース)・・>>
<<・・李在明「共に民主党」代表の公職選挙法関連裁判担当裁判部が、2カ月間、新たな事件を引き受けないことにしたことが確認された。李代表事件に集中し、審議にスピードを出すだめという意志だと思われる。1審で当選無効にあたいする結果になった李代表としては、最終結論と確定時期によっては、政治的運命が左右される。尹大統領弾劾審判で早期大統領選挙の可能性が大きくなったためだ・・・・李代表の控訴審は、早期大統領選挙が現実化する可能性とともに、宣告時点に関心が集まっている状態だ。1審裁判部は、疑いのほとんどを認め、当選無効基準をはるかに超えた懲役1年に執行猶予2年を宣告した。公職選挙法上、このまま確定すれば、執行が終わった後10年間、被選挙権が制限される・・
・・控訴審で100万ウォン未満の罰金刑が宣告されれば、李代表は司法リスクから抜け出すことができる。控訴審裁判部に新件配当が中止され、李代表裁判の進行に速度がつくものと見られるが、ただし、選挙法の「6・3・3規定」(1審裁判は6ヶ月以内、2審と3審は3ヶ月以内の宣告)を守ることができるかは未知数だ。検察と李代表の両側が積極的に弁論に出れば、裁判が長くなるしかないからだ。実際に、控訴審初の公判期日も、昨年11月15日の1審宣告以後、2ヶ月ぶりに(※23日)開かれる(韓国日報)・・>>
尹大統領も李代表も、「(相手の裁判だけは)急げ!」と叫んでいることでしょう。もう、どんなルールでなんのための競争なのか、よくわからない状態です(笑)。
ここからはいつもの告知ですが、久しぶりに新刊のご紹介です。本当にありがとうございます。新刊は自民党と韓国」という題です。岸田政権・尹政権になってから、「関係改善」という言葉がすべての議論の前提になりました。果たして、本当にそうなのでしょうか。いや、それでいいのでしょうか。じゃ、同じ路線でないのは、たとえばこれから日本政府の路線変更があった場合は、それは「改善」ではないのでしょうか。そんな疑問に対する考えを、自分なりに、自分に率直に書いてみました。リンクなどは以下のお知らせにございます。
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・皆様のおかげで、こうして拙著のご紹介ができること、本当に誇りに思います。ありがとうございます。まず、最新刊(2024年12月22日)<自民党と韓国>です。岸田政権と尹政権から、関係改善という言葉が「すべての前提」になっています。本当にそうなのか、それでいいのか。そういう考察の本です。・準新刊(2024年5月2日)は、<Z世代の闇>です。いまの韓国の20代、30代は、どのような世界観の中を生きているのか。前の世代から、なにが受け継がれたのか。そんな考察の本です。・既刊として、<韓国の絶望、日本の希望(扶桑社新書)>も発売中(2023年12月21日)です。「私たち」と「それ以外」、様々な形で出来上がった社会の壁に関する話で、特に合計出生率関連の話が多目になっています。・詳しい説明は、固定エントリーをお読みください。・本当にありがとうございます。