相変わらず、関税で世界が揺れています。今週(11日)にも米中の高官がスイスで初めての関税関連協議を行うというニュースが流れましたが・・はてさて、お互いとんでもない関税をかけている状態。困っているのもお互いのはず。日米関税交渉もなかなか進まずにいるのに、さすがに米中の協議が1回で具体的な話が出てくるとは思えませんが・・どんな結果になるのかは気になります。個人的に、今のようなトランプ政権のやり方には賛成できませんが、自由民主主義陣営によるサプライチェーン再編という、本来の姿を忘れないでほしいところであります。で、本題ですが・・本ブログでもお伝えしましたが、今まで大統領権限代行をしていた韓悳洙国務総理が大統領選挙に出馬しました。保守側では、候補単一化を急いでなんとかしないといけないという主張が相次いでいますが、今のところ詳しい話は聞こえてきません。11日まで結論を出すとかの話はありますが。
で、大統領不在も続いています。国務総理(大統領権限代行)が出馬のために辞任し、大統領「代代行」になるはずだった、米韓関税協議の担当者でもある崔相穆(チェサンモク)経済副総理兼企画財政部長官も野党の攻勢で辞任し、李周浩(イジュホ)社会副総理兼教育部長官が代代代行になっています。そんな現状を気にしたのでしょうか。韓国の趙兌烈(ジョテヨル)外交部長官(外相)が、米国側に「同盟国でFTAも締結している唯一の国」と「大統領選挙を考慮して進めてほしい」と、言い換えれば、米韓関税協議においての「特別待遇」と「事実上の延期(関税免除期間の延長と見ることもできます)」を要請しました。毎日経済(7日)など多くのメディアが報じていますが、題が「考慮せよ(直訳)」となっているのが印象的です。以下、<<~>>で引用してみます。
<<・・ジョテヨル外交部長官が米国に向けて韓米通商協議の際、韓国は他の国々とは異なり、米国と両者自由貿易協定(FTA)締結国という点を勘案しなければならないと要求した。6日、外交部によると、ジョ長官はこの日の夕方、ルビオ国務長官と通話し、韓米同盟と経済協力発展案などについて議論した。長官は特に、最近、韓米間で進行中の通商協議と関連して、韓国の特別さを米国が勘案しなければならないと強調した。彼は米韓の間の通商協議で、「韓国は、米国の同盟国でありFTA締結国」という点が十分に考慮されるように、ルビオ長官に役割を果たしてもらうよう要請した。また、韓国が現在大統領選挙政局である点を勘案して、十分に時間を持って通商協議を進めていこうと要請した・・
・・ルビオ長官はこれに積極的に協力していくと答えた。一方、ドナルド・トランプ大統領を含め、米国は韓米同盟を重視し、これをさらに強化していく計画だと強調した。彼は韓米同盟が韓米相互防衛条約など韓米防衛力量、貿易・投資など経済・技術パートナーシップなど3つの軸をもとに強化されてきたと指摘した。長官は強力な対北連合防衛態勢をもとに同盟をさらに強化していこうと答えた。続いて米国が韓国の政治的転換期にも揺らぎない支持を送ってくれたことに謝意を表明した。長官はさらに、大統領選挙後、韓国の新政権が迅速に安着し、韓米間の協力成果が続くように、大統領選直後、早急に韓米首脳間の通話が必要だと強調した。このためにルビオ長官に格別の関心を要請した(毎日経済)・・>>
引用はしませんが複数のメディアの関連記事も似たような内容で、中央日報は「大統領代行の代行の代行」体制になった現状と無関係ではないだろう」としています。「代行の代行の代行」は直訳です(笑)。今回も「米国側の要請によって」電話会談があったとなっていますが、なんか、最近の「米国側と~について話した」というニュースは、ほぼすべてが「相手側の要請により」となっていて、どうしても「本当かな」と思ってしまいます。ルビオ長官は「韓国の政治的転換期にも、揺らぐことのない支持を送っている」と話した、というニュースもありますが・・これは前からです。
尹大統領が職務停止になって、韓悳洙国務総理が大統領代行になったときも、米国側が「韓悳洙代行体制を信頼している」と話したことがあります。でも、そのあとすぐに韓悳洙代行も弾劾されて、そのあとには米国側は「チェサンモク体制を信頼している」とコメントしました。米国側が本当に気にしているのは、「次の政権」でしょう。特に政権交代について。最後に、また申し訳ない告知ですが、今日の更新はこれだけで、次の更新は明後日(金曜日)のいつもの時間、11時頃になります。
ここからはいつもの告知ですが、新刊のご紹介です。本当にありがとうございます。<THE NEW KOREA(ザ・ニューコリア)>という1926年の本で、当時の朝鮮半島の経済・社会発展を米国の行政学者が客観的に記録した本です。著者アレン・アイルランドは、国の発展を語るには「正しいかどうか」ではなく、ただ冷静に、データからアプローチすべきだと主張し、この本を残しました。どんな記録なのか、「正しい」が乱立している今を生きる私たちに、新しい示唆するものはないのか。自分なりの注釈とともに、頑張って訳しました。リンクなどは以下のお知らせにございます。
・皆様のおかげで、こうして拙著のご紹介ができること、本当に誇りに思います。ありがとうございます。まず、最新刊(2025年3月2日)<THE NEW KOREA>です。1920年代、朝鮮半島で行われた大規模な社会・経済改革の記録です。原書は1926年のものです。 ・準新刊は、<自民党と韓国>です。岸田政権と尹政権から、関係改善という言葉が「すべての前提」になっています。本当にそうなのか、それでいいのか。そういう考察の本です。 ・既刊として、<Z世代の闇>も発売中です。いまの韓国の20代、30代は、どのような世界観の中を生きているのか。前の世代から、なにが受け継がれたのか。そんな考察の本です。 ・詳しい説明は、固定エントリーをお読みください。・本当にありがとうございます。