「ま、こうなりますよね」というか、いままで配慮がすぎていたのではないか、そんな気もしますが。米国側が、「在韓米軍も中国関連で動きますからね」と、韓国政府に公式に要求した、という記事がありました。朝鮮日報(24日)です。公式といっても、実はいままでも(記事にならなかっただけで)何度も同じことがあったのではないでしょうか。いままで本ブログでも何度も取り上げてきましたし、最近になってまた同じ記事が増えてきましたが、韓国では在韓米軍は「韓国の専守防衛」ということになっています。北朝鮮関連以外、以外と言っても中国ですが、それでは動かない、動かすことができない、というスタンスです。保守政権でもこれは変わりませんでした。在韓米軍が動くと、その隙に北朝鮮が動くから、という理屈でした。
しかし、ついに正式要求が来たわけです。韓国としては、中国との関係があるので「安米経中・シェ米シェ中」路線に問題かもしれませんが、全体的に見ると、関税がどうとかというよりずっと生産的なニュースではないでしょうか。中には、日本やフィリピンなども含めて「NATO式」を要求するのではないか、という内容もあります。ただ、これまた何度も書いてきましたが、韓国政府は「たとえ有事の際でも、自衛隊は朝鮮半島に進入できない」ということを政府公式に主張しています。この状況で、いくつかの国が協力する安保システムができるのでしょうか。いずれ、これも立場を変えるよう、なにかの正式要求が来るのではないか、そんな気もします。しかし、この場合は韓国の世論が黙っていないでしょう。そのとき、大統領(次の人かも)はどんな選択をするのでしょうか。全力シェシェ、とか。以下、<<~>>で引用してみます。
<<・・「台湾有事に役割を果たせ」という意味(※見出し) 米国トランプ政権が、今月中旬に開かれた韓米協議で、韓国政府に「韓米相互防衛条約」を米国のインド・太平洋戦略に拡大適用するなどの「同盟現代化」を要求したことが23日、分かった。韓米政府の情報筋によると、クリストファー・ランドウ米国務省副長官は18日、東京で開かれた韓米外交次官会議で、「韓米相互防衛条約で結ばれた韓米同盟を『未来型包括的戦略同盟』に強化しよう」として、このような要求をしたという。トランプ大統領が課した25%関税の猶予期限(8月1日)を控えて、通商交渉の中、安保協議でも米国の請求書が飛んできたわけだ。
韓米相互防衛条約の前文は、両国が「太平洋地域の集団防衛」のために努力すると規定している。第3条は同盟のある国が太平洋地域で攻撃を受けた場合、他の国もこれを自国に対する危険と認め、『行動する』ことを規定している。これについて、これまでは北朝鮮が韓国を攻撃した場合、米国が自国に対する攻撃とみなして介入するという趣旨と解釈されてきた。トランプ政権の要求は、台湾有事など太平洋地域で米中が衝突した場合、韓国も役割を果たさなければならないことを、「明らかにしろ」というものである。
トランプ米行政府の「同盟現代化」推進の背景には、中国がリスクとして浮上した新しい環境に合わせて同盟の態勢を調整しながら、その財政的・軍事的負担を同盟国と分けなければならないという判断がある。米国は3月末に公開した「臨時国家防衛戦略指針」で、「中国の台湾侵攻抑止」を最優先課題として想定した。早ければ来月発表される新しい「国防戦略(NDS)」と「海外米軍配置検討(GPR)」においては、これに合わせて米軍を再編する内容が含まれると予想される。同時に、トランプ政権は韓国・日本・オーストラリア・フィリピンなどに「域内防衛強化のための国防費の引き上げ」及び「米中紛争の際に米国側に寄与すること」を要求し始めた・・
・・日本は今年、東シナ海・南シナ海を単一の戦区で結んで戦力を統合運用しようという「ワンシアター」概念を、米国、オーストラリア、フィリピンに提案し、同意を受けた。この4国間の安保協議体「Squad」が集団安保条約の母体になるという観測も出ている。金聖翰元国家安保室長は、「米国は、朝鮮半島は在韓米軍が、台湾海峡は駐日米軍が管轄する別個の戦区とみなしてきた。ところが、台湾と朝鮮半島は互いにリスクを触発する関係にあるので、事実上、統合された戦区を志向するのが効果的だと、米国は見ている」と話した(朝鮮日報)・・>>
明日はまた1日休みをいただきます。次の更新は、27日(日曜日)の11時頃になります。それでは、今日は鬼滅の刃無限城編を見に行ってきますーうわあぁぁー(悦び)
ここからはいつもの告知ですが、新刊のご紹介です。本当にありがとうございます。<THE NEW KOREA(ザ・ニューコリア)>という1926年の本で、当時の朝鮮半島の経済・社会発展を米国の行政学者が客観的に記録した本です。著者アレン・アイルランドは、国の発展を語るには「正しいかどうか」ではなく、ただ冷静に、データからアプローチすべきだと主張し、この本を残しました。どんな記録なのか、「正しい」が乱立している今を生きる私たちに、新しい示唆するものはないのか。自分なりの注釈とともに、頑張って訳しました。リンクなどは以下のお知らせにございます。
・皆様のおかげで、こうして拙著のご紹介ができること、本当に誇りに思います。ありがとうございます。まず、最新刊(2025年3月2日)<THE NEW KOREA>です。1920年代、朝鮮半島で行われた大規模な社会・経済改革の記録です。原書は1926年のものです。 ・準新刊は、<自民党と韓国>です。岸田政権と尹政権から、関係改善という言葉が「すべての前提」になっています。本当にそうなのか、それでいいのか。そういう考察の本です。 ・既刊として、<Z世代の闇>も発売中です。いまの韓国の20代、30代は、どのような世界観の中を生きているのか。前の世代から、なにが受け継がれたのか。そんな考察の本です。 ・詳しい説明は、固定エントリーをお読みください。・本当にありがとうございます。