韓国メディア「再配置(減縮など)が現実になるのか」・・在韓米軍司令官「数より能力が重要」

まず、またちょっとだけ「トランプ関税」関連を書いてから、メインに入りたいと思います。読売新聞の報道によると、やっと日米の間の齟齬(15%か、15%上乗せか)が解消され、日米共同声明の可能性もある、とのことです。両方、なにやってんだとしか思えませんが(日本側だけの問題ではない)、とりあえず収拾に向かっているようで、何よりです。韓国ではこの件、結構大きく報じられ、「日本は15%じゃないw」とする記事が量産されていました。でも、中には、15%特例措置がちゃんと明記されているのはEUだけだとし、韓国は大丈夫なのかという冷静な記事もありました(少数ですが)。

ちなみに、韓国も農産物分野などで、米国の発表にかなりギャップがあります。半導体関連も、日本・韓国は最恵国待遇になるとのことですが、範囲はどうなるのか、詳しいところはまだわかっていません。いつまで続くのでしょうか、この騒ぎ。さて、そこでメインですが、また在韓米軍関連です。在韓米軍司令官が「数より能力が重要です」と話した、という内容です。それは確かにその通りではありますが、韓国メディア、たとえば東亜日報(10日)は、この発言が「北朝鮮対応から、中国まで対応する戦力への転換」を意味するものだとしています。これもまた、「確かにその通り」です。




というか、個人的に、今回の発言そのものよりは、「関連した発言の回数、頻度など」に驚いています。「朝鮮半島は中国と日本の間の空母のように見える」発言、「米政府が在韓米軍の『現代化』を公式に要求」報道、今朝にもお伝えした「関税交渉でも本件が取り上げられた(結果は不明)」など、ハイレベルの公式発言、または相応の信憑性のある記事(ほとんどは米国メディア発)は、もう2~3ヶ月の間にかなりの数が出ています。前に「◯月危機説」などでも同じ趣旨を書いたことがありますが、一つ一つの内容より、「こんなに頻繁に出てくるとは」ということ。それがメインとも言えるでしょう。いったい、どれだけもろい状態なのか、と。この件も、中国との関係を考えると、韓国政府には危機説とも言えますが(笑)。米韓首脳会談でも、(公表されるかはわかりませんが)これはまた議題になるでしょう。以下、<<~>>で引用してみます。

 

<<・・「駐韓米軍司令官『数字より能力重要』、兵力の再配置は現実化するのか(題)」。ジェイビア・ブランソン駐韓米軍司令官が、「駐韓米軍に変化が必要だ」とし、「重要なのは兵力など数字(number)ではなく能力(capability)だと考えている」と明らかにした。また、戦力は一箇所に固定配置されるよりも必要な時間に必要な場所に移動し、複数の任務を遂行できるべきであると強調した。ブランソン司令官は8日、京畿平沢市キャンプ・ハンフリーズで就任後初の記者懇談会を開き、「朝鮮半島の変化するリスクへの対応に必要な任務を遂行することができる、新しい能力について考えている」と述べた。




ブランソン司令官はまた、「(米軍戦力を)固定された所に縛っておくのは軍事的に効率的ではない(militarily expedient)」とし、「いつでも他の場所に移動して様々な任務を遂行できるはずだ」と明らかにした。台湾防衛など中国牽制のための在韓米軍の「戦略的柔軟さ」が強化されなければならないという点を強調したのだ。彼は「朝鮮半島の防御任務は決して無視できない」としながらも「私たち同盟国と私たちの目標を支援するために必要な場所に移動することは、何の問題もない」と強調した。韓米安保協力の話題で浮上した「同盟現代化」に関しては「時代的変化を反映し、進化するすべての安全保障へのリスクに最適な対応態勢を保障すること」とした。

ブランソン司令官は先に「韓米ともに75年前とは、はっきりと異なる位置にあり、北東アジア地域も確かに変わった」とした。続いて「北の方に国境を越えたところには核武装した勢力があり、ロシアは北朝鮮と共に介入を増やしており、自由で開かれたインド太平洋地域に中国リスクもある」と説明した。彼は「私たちは2015~2016年の戦略的柔軟性のような事案について話した後、10年間、同盟は何であり、どこに行くべきかについて集まって真剣に議論したことがない」と指摘した(東亜日報)・・>>

 




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