韓国専門家が見た対米関税交渉・・「日本のように、ちゃんとした文書化が必要だ」

さて、まだ「文書化」ができないでいる米韓関税交渉。1週間前だったかな、「今週中(※今からだと先週中)にはまずファクトシートをまとめて公開する」という話がありましたが、いまのところ何も公開されていません。原子力潜水艦関連でなにか異見があるのではないか、そんな話もあります。本ブログでは取り上げていませんが、先週~今週にかけて、閣僚レベルで「国内で建造しないと意味がない」という公言が何度も出ているので、そういうところでなにか話が合わないでいるのではないか、と。ただ、文書化が遅れている理由は、具体的には明らかにされていません。文書化といっても、実際に「署名」までいくにはまだまだ時間がかかりそうな、今日この頃です。

8日のものですが、毎日経済(毎経エコノミー)に申律 教授の寄稿があったので、紹介します。明知大学校の政治外交学教授で、米韓関税交渉の間、ずっと「文書化」の重要さを強調してきました。しかし、韓国内ではAPEC関連の李在明大統領への評価が高すぎで、あまり注目されませんでした。教授は今回、「言語の創造能力が、自分を有利にするために使われている」としています。一例として、「文書化が必要ないほど良い会談だった」がそうだった、と。もはや「世界を創造するレベル」にまで来ている、とも(笑)。必要なのは文書化であるのに、なぜかファクトシートもまだだし、いまのところ、日本と米国が交わした文書化に比べると、その拘束力が弱すぎる、などなどです。以下、<<~>>で引用してみます。




<<・・言語は状況に応じて「新しい世界を創造」することもできる。このような現象が最も目立つ分野が、政治だ。李在明大統領の最初の米韓首脳会談は、2025年8月26日(韓国時間)だった。大統領室の広報担当者は、当時、「共同合意文があえて必要ないほど気持ちよく話ができた、良い会談だった」と話した(※当時、なんで共同合意文書などが出てこないのかという指摘があり、その説明としての発言でした)。そのため、会談の直後には、筆者をはじめとする多くの国民が、「今回の会談が本当に成功したんだな」と思った。ところが、9月3日に進行され、18日に報道された李在明大統領のタイム誌インタビュー内容は、大統領室のそういう言及とは全く違うものだった。

該当インタビューで李在明大統領は「(米国の要求条件を)受け入れたら私は弾劾されただろう」と言及した。米国の要求が過度だった、という話だ。米韓首脳会談があった8月26日とタイム誌インタビューがあった9月3日の間に、雰囲気が急変した可能性もあるかもしれない。しかし、その1週間の間に、話があまりに変わったのは事実だ。なんでこのような話を掘り返すのかというと、最近、APEC以後、米国との関税交渉が妥結したとし、その結果が非​とても良かったとする評価が盛んでいるからだ。私が見るには、評価するにはまだ早い。ハワード・ラトニック商務長官がSNSに明らかにした内容から見てみよう。




ラトニック長官は10月30日、SNSに「韓国が市場を100%開放することに合意した」と述べた。もちろん、この「市場開放」が正確に何を意味するのかは具体的には明らかにしていない。それでも、国内ではこの市場開放というものが農産物開放を意味するという解釈が出ている。解釈の真偽かどうかを離れて、重要なのは、韓国政府の立場と米国が主張する内容が異なる可能性があるという点だ。半導体部門も同様だ。韓国政府は、主要競争国である台湾に比べて不利でない水準の関税を適用されることにした、と明らかにした。しかし、ラトニック長官は、「半導体は今回の合意の一部ではない」と話している。ラトニック長官の発言だけを見れば、半導体関税は再び交渉をしなければならないという意味と解釈される。状況がこうだから、安心などできない。善戦したと自評できる状況でもない。

外交的成果と評価できない理由は、またある。米国と日本は9月4日、合意内容を文書化した了解覚書を締結した。 10月28日、日米首脳会談の直後、「両首脳はこの偉大な協定を履行するという強い意志を再確認した」と強調する内容の合意文に、両国首脳が署名した。日本と米国の場合、関税協定に関連して2回にわたって文書化作業が行われた。韓国政府によれば、近いうちに米国とのMOUとジョイント・ファクトシートを発表するという。これが文書化だ、というわけだが、これは日本が米国と発表した合意文形式の共同声明よりは、拘束力が著しく弱い。このような状況なので、私たちはまた「8月の経験」を思い出すしかない。

現在、米国と韓国が繰り広げる交渉過程を見ると、言語による「新しい世界の創造」がどんな意味を持つのか、分かる。米国は米国なりに自国に「有利な世界」を創造しようとする。また、韓国政府は韓国政府なりに、私たちの立場からして「有利な世界」を創造しようとしている。まさにこういうのが、文書化が必要な理由であろう(毎経エコノミー)・・>>

 

最近、同じ内容の告知が多くて本当に恐縮ですが、このまま明日まで休みをいただくことになりました。紅葉シーズンが終わる前に、もう一回、紅葉を求めて出かけます。日帰りなので遠くまではいけませんが、富士山が見えるところに行くことになりました。さすがに週末は人が多すぎると思われ、今回も平日に動くことになりました。帰ってきたら、(ちゃんと撮れたら)紅葉の写真でも載せてみます。次の更新は明後日(13日)の11時頃になります。※コメント欄の不具合(私のミスでした)、修正いたしました




ここからはいつもの告知ですが、新刊のご紹介です。いつも、ありがとうございます。今回は、<韓国リベラルの暴走>という、李在明政権関連の本です。新政権での日韓関係について、私が思っていること、彼がいつもつけている国旗バッジの意味、韓国にとっての左派という存在、などなどを、自分自身に率直に書きました。リンクなどは以下のお知らせにございます。

・以下、コメント・拙著のご紹介・お知らせなどです
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   ・様のおかげで、こうして拙著のご紹介ができること、本当に誇りに思います。ありがとうございます。まず、最新刊(2025年8月30日)<韓国リベラルの暴走>です。韓国新政権のこと、日韓関係のこと、韓国において左派という存在について、などなどに関する本です。・新刊は<THE NEW KOREA>(2025年3月2日)です。1920年代、朝鮮半島で行われた大規模な社会・経済改革の記録です。原書は1926年のものです。・刊、<自民党と韓国>なども発売中です。岸田政権と尹政権から、関係改善という言葉が「すべての前提」になっています。本当にそうなのか、それでいいのか。そういう考察の本です。・しい説明は、固定エントリーをお読みください。・当にありがとうございます。