韓国政府「関税合意の対米投資3500億ドルはローンと保証のことで、直接投資ではありません」

日本と米国の関税合意も、合意したあとに両国間の認識の差とか、追加要求とか、いろいろと頭のいたいニュースが流れていま。EUとかも似たような話があるので「トランプさん共通仕様」かもしれませんがが、米韓の間でも同じです。でも、東亜日報(1日)の報道によると、投資金額について米韓の間でものすごい(笑)認識差がある、とのことでして。いままで関税合意関連で「両国間の認識の相違」についてのニュースは世界各国で流れましたが、その中でもトップクラスではないのか、そんな気もします。なにせ、米国側は投資金額を「直接投資」だと思っているのに、韓国側はほとんどを「ローンと保証(loanとguarantee)」だと主張しています。

ローンということは、あとで返してもらうということですから・・関連ニュースの中でも、こんなのは初めて見た気がします。まだ米国と韓国の関税交渉が妥結される前、対米投資金額が何度か記事になりました。しばらくは1500億ドルが限界だという話でしたが、日本が5500億ドル(民間の投資分も合わせて)で合意し、それから「米国側が大幅な増額を要求している」という記事がありました。合意した後にも増額関連の話が出ていますが、とりあえず、合意時には3500億ドル、ということになりました。東亜日報の記事によると、米韓首脳会談の前に、具体的に合意文書などを作成するために米国と韓国が政府レベルで話し合ったけど、結局はなにもできなかった、とのことでして。




記事に詳しい参加者は載っていませんが、今振り返ってみると、外交部長官が日韓首脳会談(大統領の訪日)に同行しなかったこと、事前に報じられていた「合意文書が出る」という話が外れたこと、非公開部分まで含めて会談後に「米国側の対応が異例だった」という報道、などなども、こういう部分で繋がっているのかもしれません。なにかの文書を発表するつもりだったけど、そこまではできなかったのでしょう。米国側は、「アメリカは世界でもっとも富強なのに、なんで金を借りるというのか(ローンは必要ない)」と話した、とも。以下、<<~>>で引用してみます。

 

<<・・米韓首脳会談を控え、両国が3500億ドル規模の対米投資ファンドをめぐって、はげしく対峙していたことが分かった。韓国側は、その投資ファンドの大部分は貸出(loan)と保証(guarantee)で行われたという立場だが、トランプ政権は直接投資(invest)と見ており、隙間を狭められなかったということだ。これに韓米両国が対米投資ファンド3500億ドルと関連した具体的な合意文書を作ることにしたという。8月31日、政府高位関係者によれば、トランプ政権は韓国が要求する融資、保証方式について「米国が一番富強なのになぜお金を借りる必要があるというのか」と、直接投資方式で履行されなければならないと主張した、という。




特にトランプ政権は、交渉過程で15%に引き下げることで合意した関税を、さらに上げることもできると、圧迫を加えたという。米韓が相互関税と自動車品目関税を25%から15%に引き下げることに合意したものの、対米投資ファンドに対する米国の要求に応じなかった場合、関税を25%よりさらに上げることもできる、と主張したというのだ。米国ではハワード・ラトニック常務長官とマルコ・ルビオ国務長官兼ホワイトハウス国家安保補佐官が、関税圧迫を主導していたことも分かった。これに対し、韓国政府は「3500億ドルの対米投資ファンドと関連した業務協約(MOU)を結んで、も国内法に適切でなければならず、経済的合理性を担保しなければならない」「拘束力のない(NON-Binding)MOUとしても、国会同意を受けなければならない」と対抗したことが分かった。

韓国政府は、前に国際通貨基金(IMF)の管理下に入った事例も取り出したという。韓国側は「私たちは外国為替リスクを経験した国だ」とし「3500億ドルがどれだけ大きいお金なのか、私たちの外国為替市場に大きな負担である」と米国を説得した(東亜日報)・・>>

しかし、なにかあれば1人GDPが~とか世界10位圏~とかG8~とか言っているのに、こんなときはあっさり「私たちはIMF入りしたことがある」と話した、というのが・・なんというか、なんとも言えない味(?)があります。




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