昨日あたりから、バッテリー業界に問題が起きたとかそんな記事が増えてきました。世界的に「車のオール電化」が遅れている中、米国が電気自動車関連の税額控除を取り消したことで、各種恵沢を意識して電気自動車増産を計画していた各企業が、次々とプロジェクトを縮小、またはキャンセルしている、とのことでして。その中、フォード社が、韓国のバッテリー大手LGエネルギーソリューションと結んでいた契約を解除しました。なんと円にして1兆円近い規模で、LGエネルギーソリューションの株価は昨日9%近く急落しました(株価などの情報はソース記事の掲載時点のものなので、株価や投資関連で興味をお持ちの方は、最新の情報をかならずチェックしてください)。ちなみに、この前、ジョージア州の工場であんなことやこんなことがありましたが、あれもLGエネルギーソリューション(共同)の工場でした。
米国だけでなく、多くの市場で、他の韓国バッテリーメーカーもピンチが続いています。また、内需も不景気で、対米市場での電気自動車輸出も減少が続いています。韓国のKBS(18日)、朝鮮日報(19日)など多くのメディアがかなりの数の記事を出しており、朝鮮日報はこれを「フォード発のバッテリーショック」としています。最近の流れで、電気自動車が終わるのかというと、そうではないでしょう。電気自動車「化」の時間が長くなるのは事実でしょうけど。米国がどうとかの前に、全固体電池など、「次」を実現していかないと、どうしても中国勢に勝つことは難しいでしょう。以下、<<~>>で引用してみます。
<<・・米国「ビッグ3」完成車メーカーであるフォードの電気自動車「変心」で、韓国バッテリー企業が連鎖的に衝撃を受けている。「電気化革命を先導する」と言っていたフォードが、15日、電気自動車事業の縮小を事実上公式化したためだ。フォードは、看板車種である電気ピックアップトラック「F-150ライトニング」の生産を中断し、収益性の高いハイブリッド車と内燃機関車に集中する方へ事業を再編すると明らかにした。このような政策の急旋回で、韓国バッテリー業界は直接的な影響を受けた。17日、フォードはLGエネルギーソリューションと昨年10月に結んだ契約を破棄した。ポーランド・ヴロツワフ工場で5年間で9兆6030億ウォン規模のバッテリーを生産し、フォードの欧州向け電気自動車に供給しようとしていた計画が、白紙化されたのだ。フォードは先に去る11日、2022年SKオンと共に立てた米合弁法人ブルーオーバーSKも解体することにしたと明らかにした。当初、両社は総16兆8000億ウォンを投資してフォード電気自動車専用バッテリーを作る計画だった・・
・・フォードのUターンの影響はさらに拡大する可能性がある。GM(ジェネラルモーターズ)も来年から米国デトロイト電気自動車工場で生産を減らし、従業員1750人を解雇すると、10月末に明らかにした。リリック・ビスティックなどキャデラック電気SUV2種を作る米テネシー州組立工場の稼働も12月、1ヶ月間中断することにした。ジープ・プジョーなどを保有したステランティスも、電気ピックアップトラックモデル「ラム1500」開発計画を9月に撤回し、高燃費エンジン生産を再開した。バッテリー業界関係者は「知られている内容だけでなく、電気自動車の生産が取り消され、契約が消えることは頻繁に起きている」とし「米国電気自動車補助金廃止で、電気自動車市場が来年よりさらに厳しくなる可能性が高く、業界が緊張している」と話した(朝鮮日報)・・>>
<<・・【フォード電気自動車広告:「クラシックなフォードF-150トラックの感じをそのまま生かしながらも電気自動車ならではの感覚を加えました」】・・アメリカではピックアップトラックが一般家庭にまで幅広く普及しています。ところが、フォードが主力モデルとして掲げたこの電気自動車トラックの、廃止手順に入りました。トランプ政権も、電気自動車に対する税額控除をなくしました。高価な電気自動車の開発も中止され、フォードはLGエンソールと結んだバッテリー購入契約を解除しました。9兆6千億ウォン、LGエンソルの売上高の約30%が飛んたのです・・
・・韓国のもう一つのバッテリーメーカー「SKオン」も米国事業から一部撤収することになりました。やっとの思いで建設したケンタッキー工場を、そのままフォードに引き渡すことにしました。フォードはこの工場で電気自動車の代わりに発電所のバッテリーなどを作って売る計画です。韓国企業が共に作り上げたのに、競争工場になるわけです。前に進めないでいる電気自動車市場、米国だけではありません・・・・ヨーロッパは10年後の2035年からガソリンやディーゼルのような内燃機関車の販売を全面的に止める予定でしたが、当初計画から一歩退きました。
中国政府の全面的支援を受けて、安価な中国産電気自動車が押し寄せてくる中、欧州企業は競争力のある電気自動車を出せないままコーナーに追い込まれたのです。米国とヨーロッパで電気自動車市場への移行が止まりつつありますが、新技術の競争は依然として激しいです。テスラの自律走行技術が徐々に洗練されている間、中国もすごい勢いで追ってきています。電気自動車競争、私たちの自動車やバッテリー業界も機会を逃してはいけません(KBS)・・>> 明日は1日休みをいただくことになりました。次の更新は21日(日曜)の11時頃になります。
ここからはいつもの告知ですが、新刊のご紹介です。いつも、ありがとうございます。今回は、<韓国リベラルの暴走>という、李在明政権関連の本です。新政権での日韓関係について、私が思っていること、彼がいつもつけている国旗バッジの意味、韓国にとっての左派という存在、などなどを、自分自身に率直に書きました。リンクなどは以下のお知らせにございます。
・皆様のおかげで、こうして拙著のご紹介ができること、本当に誇りに思います。ありがとうございます。まず、最新刊(2025年8月30日)<韓国リベラルの暴走>です。韓国新政権のこと、日韓関係のこと、韓国において左派という存在について、などなどに関する本です。・準新刊は<THE NEW KOREA>(2025年3月2日)です。1920年代、朝鮮半島で行われた大規模な社会・経済改革の記録です。原書は1926年のものです。・既刊、<自民党と韓国>なども発売中です。岸田政権と尹政権から、関係改善という言葉が「すべての前提」になっています。本当にそうなのか、それでいいのか。そういう考察の本です。・詳しい説明は、固定エントリーをお読みください。・本当にありがとうございます。