韓国専門家「中国の対日レアアース規制効果は2010年ほど大きくないだろう」「水産物輸入はCPTPPとトレードできるものではない」など

韓国メディアに、2019年まで駐日韓国大使だった李洙勲元大使の見解がいろいろ載っていたので、取り上げてみます。いろいろ言っていますが、気になるのは二つです。一つは、CPTPPのための水産物輸入再開には反対していること。実はこれ、韓国の国務総理も反対したことがあります。金民錫 国務総理は「CPTPPを主導している日本が韓国の加入前提条件として、水産物の輸入など国民的な関心事を要求し、やっと回復した両国関係の懸念事項になる」、「CPTPPは、様々な理由で進展がうまくいかないと予想される、そんな現実的な側面がある」としていました。韓国内にも「科学的な根拠が無い」という指摘があるにはあります。すでに数万件の検査で、問題ないと結果が出ていますから。しかし、もともと根拠など無しで始めたことだし、科学的根拠で解除するつもりも無いのでしょう。

もう一つは、韓国では定説になっている、「高市早苗首相が李在明大統領に深く辞儀したのは、韓国からなにかをもらうため」という見解。14日にも取り上げたことがありますが、こういう意見が溢れていて、中国の官営メディアが取り上げたりしました。今回のソース記事プレシアン(19日)の題もそうですが、こういう深いお辞儀を韓国では「90度」「フォルダーフォン(ガラケーみたいに折りたたむ)」などと呼んでいます。そうしたのは、中国対応に困っているから、一時的に韓国を味方にするためだ、という話です。元大使は「そうではない」としていますが・・その「そうではない」とする理由を、元大使は「もう韓国はものすごい国力を持っているので、『一時的に』必要でそうしたわけではない」と説明しています。あ、そうですか・・と。以下、<<~>>で引用してみます。中国のレアアース問題で「2010年のときほどの影響力はないだろう」と話すなど、別の内容もあります(日本関連だけまとめてあります)。




 

<<・・(※日米首脳会談などで日韓サプライチェーンが議論されたということで、これは中国の圧迫に直面した日本が韓国を引き付けるための一種のメカニズムの一つとしてサプライチェーン問題を活用しているのではないか、という話で)「サプライチェーン安定次元で日韓間で協力するという、そんな水準の議論はなされたものと見られる。そこに希土類問題もあったはずだ。ただ、中韓首脳会談してからわずか1週間しか過ぎていないのに、私たちが日本に行って日本と組んで、中国に関する懸案を議論することはなかったはずで、李在明大統領がそんな外交をしたとは思えない」。

(※米国はこのような日本の状況にあまり関心がなく、日本側を助けていない。だから一時的に韓国が必要になったのではないか、という質問に対して)「今、韓国は客観的に膨大な国力を持つ主要国だ。一時的な計算で日本が動くならそれは錯誤である。また、日本が外交的に孤立しているという評価もあったが、必ずしもそうではない。トランプが日本にやや冷たく見えるかもしれないが、日米同盟は非常に強固で、揺らがないでいる。また、日中葛藤があるのは事実だが、日中関係がすべてそうであるわけではない。政治分野以外では、財界などの分野では日中関係は維持されている側面もある・・




・・(※CPTPP加入のために日本は水産物輸入再開を要求しているという話で)CPTPPと水産物輸入再開は、トレードできるものではない。CPTPPは米国が撤収しながら日本政府が主導してきたと見られるが、世界的に自由貿易が薄れている状況の中で、太平洋沿岸に12カ国が自由貿易に基づくシステムを作ったものだ。ここに加入するのは私たちにとって良いことであり、日本もあえてこれに反対する理由がない。これから私たちが意思表示をしたので時間がかかっても加入することになると思う。これを日本の水産物輸入開放問題と結びつけることなどできないのだ。水産物問題は国民の安全と健康と直結した事案であるため、次元が少し違う事案だ。これは国民がどのレベルまで受け入れられるかが重要なため、国内問題でもある。それでも李大統領が話を出したのは、日本政府が求める懸案を「私もその話を知っている」という程度で言及したものだと見られる・・

・・(※中国の希土類規制に関する話として)2010年当時、中国希土類がかなり大きな影響を及ぼしたため、日本がそれなりに備えている。希土類カードに対する共同対応は、日本がすでに米国ともちょっと協議が行われており、大量の希土類が埋蔵された南鳥島をすでに開発推進中だというだ。時間がかかるプロジェクトだろうが、中国の希土類輸出措置が持つ効能感は、2010年とは少し違う。そのカードを乱発することはできない・・

・・(※日米韓安保協力構図について)尹錫悦政権は日米韓安保協力を、三角同盟にまで推進したが、今は全部霧散した。日米韓安保協力は、米国のこともあるため、米韓同盟を安定的に持っていかなければならないから、その程度で話せばいい問題だ。私たちは中国とも戦略的協力を伴う関係を発展させなければならない課題がある。バランスを適切に駆使しなければならない。李在明政権は、今、それをうまくやっている(プレシアン)・・>>

 




ここからはいつもの告知ですが、新刊のご紹介です。いつも、ありがとうございます。今回は、<韓国リベラルの暴走>という、李在明政権関連の本です。新政権での日韓関係について、私が思っていること、彼がいつもつけている国旗バッジの意味、韓国にとっての左派という存在、などなどを、自分自身に率直に書きました。リンクなどは以下のお知らせにございます。

・以下、コメント・拙著のご紹介・お知らせなどです
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   ・様のおかげで、こうして拙著のご紹介ができること、本当に誇りに思います。ありがとうございます。まず、最新刊(2025年8月30日)<韓国リベラルの暴走>です。韓国新政権のこと、日韓関係のこと、韓国において左派という存在について、などなどに関する本です。・新刊は<THE NEW KOREA>(2025年3月2日)です。1920年代、朝鮮半島で行われた大規模な社会・経済改革の記録です。原書は1926年のものです。・刊、<自民党と韓国>なども発売中です。岸田政権と尹政権から、関係改善という言葉が「すべての前提」になっています。本当にそうなのか、それでいいのか。そういう考察の本です。・しい説明は、固定エントリーをお読みください。・当にありがとうございます。