韓国専門家「大統領がなにか言うと、それがそのまま『政策』になってしまう」

本ブログで高い人気(?)を集めている李在明大統領ですが、任期500日を迎えたそうです。ソウル大学の政治外交学教授が描いた寄稿があったので、取り上げてみます。中央日報、20日です。いろいろ書いてありますし、それは、ま、支持率が一時の約半分になっているわけだから、言いたいこともいろいろあるでしょうけど、個人的には「大統領がなにか言うと(検証もちゃんとせずに)それが国の政策になってしまう」という指摘に注目しました。いつものことで、右も左も、これは同じです。ただ、一つ、韓国の左側の政治家・支持者たちは、基本的に極度の右派だった政権、いわゆる軍事政権のときから、「大統領の権力が強すぎる」「なぜ大統領がなにか言うとそのままの政策が行われるのか」を問題視してしました。しかし、いわゆる政権交代が何度も行われ、いまは左派政権ですが、それでもこれは変わっていません。左右が入れ替わるだけ、本ブログで前から使ってきた表現だと「上下が入れ替わっただけ」が続いているわけです。以下、<<~>>で引用してみます。

<<・・「 70%の支持率が30%台に半減」「大統領の指示がそのまま政策となる」「『万機親覧』型のリーダーシップが問題」「実用よりも理念や党派の論理が優先されることも多い」(※見出し) 李大統領が度々関心を示してきた不動産政策は、マイホームの購入はおろか、伝貰(※住宅の賃貸制度)を見つけることさえ困難な状況を招いた。また、政府・与党が「実績」として誇ってきた株式市場も、最近になって急落した。高く評価されていた外交・安全保障分野でも、事態がこじれている。米国との関係では、単なる政策的な意見の相違を超え、深刻な亀裂が露呈している。対北朝鮮政策についても、ミサイル発射や地雷による挑発、さらには侮辱的な談話がなされたにもかかわらず、医療機器の支援を提案するなど、実効性のない政策を打ち出したことで、「国民感情や安保の現実を軽視している」との批判を浴びた。政権発足当初は70%に迫っていた李大統領への支持率は、500日が経過した現在、30%台に低迷している・・




・・なぜ、このような事態に至ったのか。度々指摘されてきたことだが、李大統領がすべての事案を自ら直接取り仕切ろうとする、「万機親覧」型のリーダーシップが、まず問題の根源にあると考えられる。(※『万機親覧』とは、君主や最高権力者が、国のあらゆる政務を自ら直接取り仕切ることを意味します。韓国の政権は『大きな政府』を目指すことが多く、それは『すべて』を政府がカバーするほうがいいと思っているからです。前の左派政権では、「揺りかごからお墓まで(生まれてから亡くなるまでずっと)」政府が責任を取るべきだとする主張などもありました)・・突然持ち上がった農地全数調査は、こうした問題点を如実に物語る事例だった。政策の緊急性や必要性について、関連部署による十分な検討や事前の調整を経て決定されたものなのか、多くの人が疑問を抱かざるを得なかった。

大統領の即興的な判断や指示がそのまま政策として実行されるような状況は、国政運営に対する信頼を損なうほかない。国民にとって重要なのは、大統領がいかに懸命に働き、どれだけ多くの仕事を直接取り仕切っているかということではない。政策が実効性があるのか​​、そして国政が体系的かつ信頼できる形で運営されているのか、という点である・・・・リーダーシップの重みという点でも、物足りなさが残る。任期当初から始まった大統領の重任(※現在は、再選できなくなっています)をめぐる改憲論争は、実現可能性も低い問題をめぐり、長きにわたって政治的な論争から抜け出せない状況を作り出した。北朝鮮による地雷事件をめぐる大統領の曖昧な発言や、「左雅に行こう」といった軽率な表現も、大統領の言葉として適切だったのか疑問が残る(※優雅の「優」が「右」と同じ発音なので、それを「左」に変えたもの。李大統領がSNSで使った造語です)・・




それは気さくさというより、指導者としての品格や安定感の欠如と受け取られかねない。大統領の一言は、個人の意見の域を超え、国政の方向性を示すシグナルとして受け止められるものだ。だからこそ、大統領の言葉には慎重さと節度が求められる。コミュニケーションについても同様である。現大統領はSNSを積極的に活用し、閣議を公開するなど、国民との対話を強調してきた。しかし、一方的な自己主張や、支持層に偏りがちなSNSに過度に依存する姿勢は、国政運営の不安定さを高める結果にしかならない。閣議の公開にしても、「国務」を担う各部門の責任者たちによる真摯な議論よりも、大統領一人の発言や指示、叱責ばかりが目立っていた。こうした問題が積み重なるにつれ、就任当初の期待感は、次第に失望感へと変わりつつある。

現大統領は就任以来、一貫して「実用」を強調してきた。しかし、これまでの国政運営が果たしてどれほど実用的であったのかは疑問である。実用政治の出発点は問題解決にあるはずだが、誰の過失か、誰のせいで問題が生じたのかを追及するような視点で事案を捉えているように見受けられ、イデオロギーや党派的な立場が前面に出る場面も少なくない。結局のところ、就任から500日が経過した今、求められているのは国政運営のあり方の刷新である。大統領個人の判断や指示に依存するのではなく、制度や組織が本来の役割を果たすべきなのだ(中央日報)・・>>

 




ここからはいつもの告知ですが、新刊のご紹介です。いつも、ありがとうございます。今回は、<韓国リベラルの暴走>という、李在明政権関連の本です。新政権での日韓関係について、私が思っていること、彼がいつもつけている国旗バッジの意味、韓国にとっての左派という存在、などなどを、自分自身に率直に書きました。リンクなどは以下のお知らせにございます。

・以下、コメント・拙著のご紹介・お知らせなどです
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   ・皆様のおかげで、こうして拙著のご紹介ができること、本当に誇りに思います。ありがとうございます。まず、最新刊(2025年8月30日)<韓国リベラルの暴走>です。韓国新政権のこと、日韓関係のこと、韓国において左派という存在について、などなどに関する本です。・準新刊は<THE NEW KOREA>(2025年3月2日)です。1920年代、朝鮮半島で行われた大規模な社会・経済改革の記録です。原書は1926年のものです。・既刊、<自民党と韓国>なども発売中です。岸田政権と尹政権から、関係改善という言葉が「すべての前提」になっています。本当にそうなのか、それでいいのか。そういう考察の本です。・詳しい説明は、固定エントリーをお読みください。・本当にありがとうございます。