尹政権、THAAD関連各種監査で、文政権の「3不(+1限)」は調査せず・・中国を意識したか

1ヶ月位前の記事ですが、見落としていたので、今日取り上げます。10月、尹政権は「前政権のTHAAD関連疑惑を調査する」とし、その際、いわゆる3不及び1限も調査するとしていました。もう説明も必要ないほど有名な話ですが、3不とは、文在寅大統領が中国と合意したとされる内容で、高高度防衛ミサイルTHAADを追加配備しない、日米韓軍事同盟しない、米国のミサイル防衛システムに入らないというものです。1限は、既存THAADの運用を制限するというものですが、文政権は3不については「合意ではない」としながらも存在は認めていますが、1限については存在を認めていません。

ユン大統領は「既存THAAD部隊正常化する」としています(ちゃんと正常化はできたのかどうか続報がなかなか見つかりませんが)。そして、10月、THAAD関連で文政権がなにをしたのか、本格的に調査するとしました。7月、国防部長官候補者も会員になっている「大韓民国守護予備役将星団」が公式に監査請求をしたのがきっかけです。これについては10月11日に本ブログでもエントリーしましたので、未読の方はお読みください。環境評価というのは、THAAD部隊が正常的に機能するには環境評価を事前にクリアーする必要がありますが、普通は20ヶ月かかるのに、文政権では2年かかっても「審議会」すら構成されませんでした。審議会には市民団体側の人が参加するようになっているため、市民団体側が参加しないというのが表向きの理由です。

 

この件、10月のエントリーでも書きましたが、私がもっとも気にしていたのは、調査予定の範囲に「3不1限の実態」があったことです。もし調査結果、3不(1限)が国家間の合意だったなら、ユン政権はどんな反応を示すのか、です。国防部はすでに「3不は、韓国と中国の合意である」と公式文書を作成しています(2019年)。もし合意だったとなると、ユン政権は、それを覆すことができるのでしょうか。文政権が「日本との合意」に対してやったように、ユン政権は中国に対して合意を覆すことができるのか。そこが個人的に「観戦ポイント」でした。本件、続報は無いのかと調べてみたら、なんと10月20日、調査するとしてから11日から(記事掲載時点で)わずか10日後に、ニュース1などに続報がありました。3不1限の実態については、調査しないことにした、というのです。以下、<<~>>で引用してみます。

 

<<・・環境影響評価協議会の構成遅延、電磁波及び低周波騒音等の測定結果を公開しなかったこと、関連文書破棄疑惑、中国との3不(1限)の実体など、4つの事項に対する監査が要求されていた。監査院は先月20日、「公益監査請求諮問委員会」で監査着手の有無について議論した結果などを総合し、「中国との3不1限の実体」以外の、残りの3つの事項について監査することに 決めた。監査院は「「中国との3不1限の実体」は、外交交渉及び結果として政策決定事項等に該当するため、監査を実施しないことに決めた」と説明した(ニュース1)・・>>

続報を待っていたら、実はすでに観戦ポイントは消えていたでござる・・といったところでしょうか。「あ、なるほど。合意だったのか。そして、なにもしないことにしたのか」とすぐわかったからです。それは、ま、国家間合意なら、守るのが常識です。でも、それならちゃんと国民に知らせたらどうかな、とも思いました。合意だったから守る。仕方ない、と。対中関係は大変なことになるでしょうけど。

 

 

おかげさまで、新刊「韓国人として生まれ、日本人として生きる」が発売中(2023年7月29日発売)です!2023年、まさに心願成就、帰化できました。「韓国人として生まれた」を受け入れ、その連続性を大事にしながらも、「日本人として生きる」を上位の概念にしたのはなぜか。なぜ名前を変えなかったのか。「両国間の架け橋になりたい」などと全然思っていない理由は何か。『日本人』として初めて韓国を訪れたときの感想をメインにして、一つ一つ、自分なりの持論を綴りました。新刊・準新刊紹介エントリーもぜひ御覧ください。ありがとうございます
・以下、コメント・拙著のご紹介・お知らせなどです
エントリーにコメントをされる方、またはコメントを読まれる方は、こちらのコメントページをご利用ください。以下、拙著のご紹介において本の題の部分』はアマゾン・アソシエイトですので、ご注意ください。

 ・様のおかげで、こうして拙著のご紹介ができること、本当に誇りに思います。ありがとうございます。まず、最新刊(2023年7月29日)からですが、<韓国人として生まれ、日本人として生きる>です。2023年、まさに心願成就、帰化できました。「韓国人として生まれた」より「日本人として生きる」を上位の概念にしたのはなぜか。なぜ名前を変えなかったのか。帰化した人たちがよく口にする「両国間の架け橋になりたい」などの言葉について、私はなぜ「そんなつもりはありません」としか思っていないのか。一つ一つ、自分なりの持論を綴りました。 ・新刊は、<韓国の借金経済(扶桑社新書)>です。本書は経済専門書ではありませんが、家計債務問題の現状を現すデータとともに、「なぜ、マンションを買えば貴族になれるのか」たる社会心理を、自分なりに考察した本です。帰化を進めている私の率直な気持ちを書いた<日本人を日本人たらしめているものはなにか~韓国人による日韓比較論~>も発売中です。・刊・準新刊の詳しい説明は、固定エントリーをお読みください。・当に、本当にありがとうございます。書きたいことが書けて、私は幸せ者です。それでは、またお会いできますように。最後の行まで読んでくださってありがとうございます。