次期大統領は「曺国」氏になる? 選挙専門家「今回の選挙は、曺国代表の戴冠式のようなもの」

「オムタコ」という選挙専門家がいます。時代精神研究所というシンクタンクのオム・ギョンヨン所長のことです。この前の総選挙で「共に民主党が180議席を取る」という予想が命中したことで、オムムノ、すなわちオムタコと呼ばれるようになりました。サッカー試合結果をよく当てたという、あのタコにちなんだニックネームです。文化日報など複数のメディアによると、そのオムタコさんが、「今回の選挙は、曺国(チョグク)氏の戴冠式と同じだと言えるだろう」と予想しました。選挙結果で、次の大統領選挙候補にまでなる可能性があるし、当選可能性も高いから、戴冠式と同じだ、と。

曺さんは、文在寅大統領の後継者とされていました。しかし、多くの不正が報じられるようになり、検察の権限の多くを警察に移譲する、一般的に「検察改革」とされる政策で多くの衝突もあり、法務部長官(大臣)から辞任しました。これは、韓国社会で「ああ、検察総長は保守の希望だ」という考えが急速に広がるきっかけにもなりました。実は、韓国検察は政権の方向性に合わせてきただけですが、当時検察総長だった尹錫悦氏が政府と対立していたことで、「左と対立しているから右」という認識が広がり、結果的に、尹大統領誕生の大きな力にもなりました。

 

もし前回の大統領選挙で、曺国氏が左側の候補として出ていたら、どうなっていたのか・・李在明側との対立もあったでしょうからはっきり言いきることはできませんが、異なる結果になっていたかもしれません。まだ大統領選挙の前に、曺国氏が帰ってくる可能性もあるけど、さすがに裁判が長引いていて今から復帰するのは時間的に難しいのではないか・・という趣旨を拙著に書いた記憶がありますが、とにかく、退任時に支持率40%を記録していた文在寅大統領。あの『鉄板』と言われるコンクリート支持率をもっとも受け継ぎやすい人は、曺国氏でした。いまはさすがにそのまま受け継ぐのは難しいでしょうけど、それでも彼の帰還を待っている人が多かったのも事実です。そんな彼が、今回、「比例政党」である祖国革新党(韓国の比例代表制度については、3月27日のエントリーを御覧ください)の代表として、政治復帰しました。

今回、野党『側(共に民主党だけでなく、全部合わせて)』で3分の2が取れるとか、そんな話も出ていますが、個人的に、そこまでいくかな・・については、ちょっと疑問です。各選挙区での調査結果をもとにしての予想でしょうけど、それでもそこまで与党側・野党側の議席数の差が広がるとはちょっと思えません。野党側の勝利(過半数超え)だというなら分かりますけど。とにかく、そうやって野党側の勝利になった場合、その野党側の事実上のリーダーは誰になるのか、と。共に民主党のリーダーが、現在の李代表でなければならない理由があるのか、というのが、タコさんの予想です。今回の選挙は、そのための曺国氏の戴冠式になる、と。支持者たちが続々と曺国氏側に移っているという話も聞こえてきますが・・さて。以下、<<~>>で引用してみます。

 

<<・・オム所長は27日、YTNラジオに出演、曺国代表が「野党側の次期大統領候補1位になるのは時間の問題」としながらこのように明らかにした。特にオム所長は「曺国代表の政党は、湖南(※全羅道地域)を基盤とした新しい『民主党系列』の政党で、民主党が2つに分かれたと見ている」とし「総選挙後に本格的に野党側の再編の時間が来る可能性がある。曺国代表は主導権をすでに確保したと見ている」と強調した。オム所長は「・・・・共に民主党内でも、李在明代表にこだわる必要はない。誰でも、最も強力な次期大統領候補走者と浮上するなら、それが李代表でも曺代表でも、どちらでもいい」と指摘した。

オム所長は「今は、民主党候補は全員が親・明(親・イジェミョン派)のように見えるが・・・・「支持率の前にはどうしようもない。いずれ、共に民主党も李代表と曺代表、どちらかの選択のときがくるだろう」と展望した(文化日報)・・>>  この前、「前回の大統領選挙はAVPと言われていた」という話をしましたが・・もしオム所長の予想通りなら、次の大統領選挙の前に、野党内で「李V曺」が展開されることになります。さて、どうでしょうか。キャッチフレーズはなにがいいでしょうか。コワイモノミタサに見てみたい気もしますが。

 

 

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