日韓『パスポート無し』は、現状、成立が難しい・・なぜなら、国会批准が必要だから

日本と韓国をパスポート無しで往来できるようにしよう、という話が出ています。駐日韓国大使がそう話したと聞きますが、1日にはまた「外交部ハイレベル」がそう言った、とニュースが流れています(ファイナンシャルニュースなど)。多分、大使の発言のことだと思いますが・・外交部ハイレベルと表現するのはちょっと不自然なので、誰か別の人がまた言った可能性もなくはありません。政府は、そのあと「個人的な意見にすぎない」としました。でも、大使またはハイレベルがそう言ったなら、やはり気になるところです。現状、どこまで話が進んでいるのか。急になんでこんな話が出たのか。本当にそうなる可能性はあるのか。ソース記事からまとめ、および<<~>>で引用してみます。

<<・・日本と韓国が、お互いにパスポートなしで内国人のように出入国できるようにする案が、政府から提起された。来年の韓日修交60周年の関係発展案を講じていた中、アイデアとして提示されたのだが、経済界でも同じ要求をしているだけに、肯定的な雰囲気だ。問題は、国会批准である。今月末に発足する国会も野党が大きい「ねじれ国会」であるためだ。外交部ハイレベル関係者は先月26日、記者たちと会って、「両国間の出入国手続きを最大限簡素化して、パスポートなしで行き来する、内国人のような基準にしようという共感帯が日本にもある」と明らかにした・・

 

・・政府は直ちに「個人的なアイデア」と線を引いたが、外交部内部では必要だという意見が強いと伝えられた。外交部当局者は1日、ファイナンシャルニュースとの通話で、「日韓間協議はもちろん、外交部だけでなく法務部をはじめ、出入国関連省庁が関連して複雑な事案」としながらも、「隣国間でパスポートなしで行き来できるようにするのは正しい方向」と話した。経済界は、日韓はもちろんアジア全域の出入国手続きの簡素化を主張してきた。アジア主要13の経済団体代表は昨年7月、アジアビジネスサミットで「人的交流活性化のための出入国手続きの簡素化」を要求した。電子パスポートを活用した手続きの簡素化と主要都市・観光地のビザ無し地域指定、企業人にビザを免除するパイロットプロジェクトなどだ(ファイナンシャルニュース)・・>>

 

このパスポート無しのアイデアそのものが経済関連で出てきたもので、政府というよりは民間のほうで盛り上がっている、そしてそのアイデアの一つが政府側に伝わって、このような形で出てきた、そして政府は「個人的な話」とした、そんな流れではないのか、記事はそう書いています。また、これはソース記事にダイレクトに書いてあるわけではありませんが、ユン大統領としては、何かの成果がほしい、すなわち支持率が上がってほしいと願っていて、このパスポート無し案も、その一つです。日本に行ってくる韓国人が多い分、実際に効果を体感できるものである、というのです。

ただ、この部分、ビザ無しならともかく、普通の観光客またはビジネスマンにとってパスポート無しがそんなに『変わる』のか?・・そこはちょっと疑問です。日本がパスポート無しになっても、他の国用にパスポートは必要だから、別に持っていけばいいだけではないのか、と。また、共に民主党が反対しているので、国会批准を得るのは難しい、すなわち、もしこの案が正式に提出されても、成立するのは難しいでしょう。

 

条約の締結に常に国会批准が必要なわけではありませんが、記事によると、「相互支援または安全保障条約、重要国際組織に関する条約、友好通商航海条約、主権に関する条約・・(略)・・国家や国民に重大な財政的負担を及ぼす条約または立法事項に関する 条約については、国会が同意権を有する」ということになっています。この場合、どうみても国会同意が必要な案件であり、記事もまた、「今月末に発足する予定の国会では、全300席のうち共に民主党など野党側が192席で、与小野大(※ねじれ国会)だ。共に民主党が、このような条約を受け入れる可能性は低い」としています。妙な話ですが、個人的に、こればかりは共に民主党グッジョブ、といったところです。ユン大統領が「これは国会批准が必要ありません」とするかもしれませんが、それだと野党側が黙っちゃいないでしょう。

 

 

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