韓国、一晩でGDPが6%以上(2020年基準)増加・・基準年・集計方式などの変更でGDP14位から12位へ

韓国のGDPが、韓国銀行基準で一晩で6%以上(2020年基準)増加しました。各種統計算定の基準となる「年」を2015年から2020年に変え、「新しい集計方法」を使ったからです。その間に「統計にカウントされなかった小規模事業」が多く見つかって、それでGDPなどが一気に増えたという説明です。「他の国もやっている」「今までもやってきたこと(今回が13回目)」とされてはいますが・・なんか、聯合ニュース毎日経済など各メディアの反応はパッとしません。一気に増えすぎたし、こういうのは「今までの流れ、すなわち推移を評価する」ことが重要なのに、これではむしろ錯視効果だけが大きくなるのではないか、というのです。

世界GDPランキングでも14位から一気に12位になったし、1人あたりGNIでも日本、台湾を超えて、範囲を人口5000万人以上の国にすると、世界6位になったそうです。家計債務のGDP比率、財政的な指標などなど、すべてが一気に改善されました。先も書きましたが、いままでは基準年が変わるとき、GDPなどの補正を「調査」を基盤にしていたけど、今回は「行政的こと(各事業者の登録など)」を基盤にしたとの情報も出ており、ユン政権なりの何かの方向性・・そういえば、急に産油国がどうとかの話もありましたが・・が、『こういうこと』になったのではないか、そんな気もします。以下、<<~>>で引用してみます。ちなみに「計定」という言葉が出てきますが、この場合、「統計において各種データを記録、計算するために設定した単位」のことで、一応、日本語訳は「勘定」になります。韓国では「アカウント」も計定と言います。

 

<<・・韓国銀行が国民計定基準年度を2015年から2020年に変え、韓国の1人当たり国民総所得(GNI)が昨年基準で3万6000ドルを超えた。基準年改編過程で、産業生産と付加価値、需要関連数値が全般的に調整された結果だ。各種数値集計基準を高度化しつつ、より詳細な経済状況を捉えることができ、これにより改編前より経済規模が大きくなった。経済規模の拡大は一人当たりGNIにプラスの影響を与えた。1人当たりGNIは、国民が稼いだ総所得であるGNIを総人口で割った値で、国民の平均的な所得水準を示す。チェジョンテ韓銀国民計定部長は、「経済総調査のような場合、いままでは調査基盤だったが、今は(行政)登録基盤に変わり、小規模事業者が多くカウントされた」とし「これにより基準年の(GDP)レベルが上がり、それに合わせて比較年のレベルもともに上げるなどの作業がなされた」と話した・・

・・家計債務と国家債務の比率が低くなったという点も、改編の肯定的な効果に挙げられる。分母である経済規模が大きくなったことで、比率が自動的に調整されたのだ。日本は円安の影響を受け、昨年1人当たりGNIが減り、韓国が初めてこれを超えた。ただし、基準年の変更による指標改善に大きな意味を持つ理由はないという声も出ている。指標の改善は、数字の変化に過ぎず、国民が体感する実質的な経済状況を完全に反映することは難しいという指摘だ。基準年改編は5年ごとに行われ、今回が13次変更だ(毎日経済)・・>>

 

<<・・だが、基準変更によって上方調整された統計数値にすぎず、実際に韓国経済が突然良くなったわけではないため、現実と合わず、錯視効果に対する懸念も出ている。韓国銀行が5日に発表した「国民計定2020年基準年1次改編結果」によると、韓銀はこの日の国民計定統計の基準年を2015年から2020年に変え、これをまず2000~2023年の時系列に適用した。基準年改編は5年ごとに行われ、今回が13次変更だ。この日の改編で経済総調査(2022年6月公表)、実測投入算出表(2024年4月公表)などをもとに各産業の総算出・付加価値・部門別最終需要などが変わり、結果的に韓国経済規模自体が大きくなったというのが韓銀の説明だ。

チェジョンテ韓銀国民計定部長は「特に経済総調査のような場合、いままでは調査基盤だったが、今は(行政)登録基盤に変わり、小規模事業者が多く入った」とし「これにより基準年の・・(※先の記事と同一なので省略します)・・実際、新しい時系列で2020年の名目GDPは2058兆ウォンで、2015年を基準にした既存の時系列上規模(10941兆ウォン)より6%も増えた。2001~2023年の実質GDPの年平均成長率も時系列変更により3.5%から3.6%に0.1%ポイント(p)高くなった(聯合ニュース)・・>>

 

ちなみに、MBCなどによると、一人当たりGNIは、今年3月に発表したものより一気に7%以上も増加しました。さすがに、これだと各メディアも「?」と思うのでしょうか。ソース記事の一つ毎日経済の記事は、題を「私以外はみんな豊かなのかな・・GDP増え家計債務比率急減」としています。一部のメディアは「1人GNIで日本を~世界6位~」と大喜びですが。「いままでもやった」「他の国もやっている」とのことではありますが・・さらっと「集計方法変えたお」と言っているところが、気になります。また、ブログ書いてもう結構経ちますが、いままでこんなに大幅に増えたというニュースは見た記憶がありませんが・・どうしたのでしょうか、急に。

とりあえず、これで一部からは「家計債務の限度を増やす政策が出せる」「財政支出などを増やせる根拠ができた」という見解が出ています。繰り返しになりますが、急に石油ガス田が~というのもそうですし、『こういう路線』で行こうとしているのか、そんな気がしてなりません。そういえば、李明博大統領がちょうどこんな感じでした。というか、文大統領が統計に介入していたと批判してからそう経っていないのに、ユンたん、これでいいのか、と。 最後に告知ですが、明日はまた1日休みをいただくことになりました。次の更新は、月曜日の11時頃になります。それでは、また。

 

 

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