ソル(旧暦1月1日)とチュソク(秋夕、旧暦8月15日)、年2回はほぼ間違いなくクローズアップされるニュースがあります。賃金未払いです。
秋夕やソルには、プレゼントをいっぱい持って故郷に帰る・・そんなイメージがあるからです。賃金未払いだと秋夕になっても故郷にも親の家にも帰れない、そんなシチュエーションを扱うニュースです。
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アメブロ版シンシアリーのブログにも何度かエントリーしたことがありますが、必要な部分だけここにまとめます。
約1年前の報道(2016年9月4日のMBC、9月5日の東亜日報)によると、韓国の賃金未払い労働者は、1月~8月集計で21万4千人(去年同期間より2万人増)、未払い金額は9471億ウォン(同11%増)。東亜日報の記事によると、2016年の賃金未払い予想値は1兆4千億ウォンを超えると見られており、その金額は「日本の10倍(日本は2014年基準で約1440億ウォン)」である、とのことです。しかも、記事で言う21万4千人は「正式に申告できた数」であり、実際にはもっと多いと見るべきでしょう。
http://media.daum.net/society/all/newsview?newsid=20160904202508574
http://media.daum.net/society/others/newsview?newsid=20160905030541470
今年も同じ趣旨の記事がありました。2016年のデータは、上の記事の予想通り、賃金未払い労働者は32万5,430人(3年間で22.1%増加)、未払い額は1兆4,286億ウォン(3年間で19.7%増加)。今年2017年も、8月末基準で21万8,538人とのことです。記事は、「毎年被害が拡大しつつある」としています。
http://v.media.daum.net/v/20170927162655884
なにより、「引っかかったら運がない(걸리면 재수 없다)」という考え方が社会全般に根を下ろしているのが問題です。「私だけでなく誰もが同じ不正をやっている。だから、引っかかる(=警察などにバレる、通報される)と、それは運がないだけだ」という意味です。雇用主は、なにかあれば、とにかく賃金を払わないことから始めます。そして、バレたら「運がなかった」とし、罰金を払い、また同じことを始めます。雇用側に対する罰金も少なく、実際にはあまり効果がないとのことで、いつもの「法はあるけど、機能していない」パターンです。
雇用主側がこういう「引っかかったら運がない」考えを持っているかぎり、なにをどうしようが根本的な改善は難しいでしょうし、なにせ、1年に2回だけ形式的にニュースになるだけじゃ、ただの「風物詩」みたいになってしまう恐れもありますね。
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