中国、国営銀行の金で未分譲住宅数百万戸を買い入れか・・不良債権化の懸念も

今日(5月19日)の「楽韓WEB」さんのひとりごとで知りましたが、中国政府が、各地方政府(記事本文では「国営企業」も)に「未分譲住宅の買い入れる」ようにする政策を準備している、というニュースがありました。しかも、財源は国営銀行から借りるようにしている、とも。なにか韓国メディアに関連ニュースが出ていないだろうとかと探してみたところ、15日のソウル経済にそれらしい記事があったので、紹介します。元ソースはブルームバーグ通信とのことです。

韓国でも李明博大統領の頃に、未分譲マンションなどを政府が買い入れて、賃貸住宅などの形で利用したことがあります。当時は約「数万戸(記事によってちょっと数値が異なったりしますが)」でしたが、今回の中国政府の措置は数百万に及ぶ、とのことでして。明らかに『とりあえずなんとかしましょうね』な政策ですが、これ、不良債権化したらどうなるのか、気になります。以下、ソース記事から<<~>>で引用して、韓国で未分譲関連がどうなっているのかも、簡単にまとめてみます。

 

<<・・中国政府が地方政府に、未分譲住宅の数百万世帯分を買収させる方案を検討していると、ブルームバーグ通信が情報筋を引用して15日報道した。中国政府が、低迷に陥った不動産市場のために破格的な対策を取り出すのではないかという観測が出ていた中、不動産問題の解決を試みるものの、政府の債務状況がさらに思わしくない方向に進む可能性もあると指摘されている。ブルームバーグは情報筋を引用し、「全国の地方政府が未分譲住宅を買い入れる方案を考慮している」とし「これは、ピンチに瀕した不動産市場を救済するための最も野心的な試みになるだろう」と報道した。中国国務院はこれと関連して多数の地方政府などと細部の事項と妥当性などについて議論を進めている・・

 

・・中国国営企業が、国営銀行が提供する融資を土台に、安い価格で未分譲住宅を買い入れる方案が検討されていると知られている。最終決定には数ヶ月かかる可能性もあるというのが、情報筋の説明だ。中国の不動産市場の低迷は、長年、解決されていない。こうした中、今年に入っても住宅売買が約47%減り、市場に積もった住宅在庫も8年ぶりに最高値を記録した。市場そのものに関する懸念が高まる中、現地では数百万人の失業者が出てくる可能性もあるという観測も出ている。これに中国政府が立ち上がって、高強度対策の準備に乗り出したという分析だ・・

・・ブルームバーグは、「住宅供給と需要の差が縮むまで、中国の不動産は安定しそうにない」と話した。一方、現地証券会社資料を引用して、「昨年未分譲住宅在庫は2016年以降最高値」とし「政府が18ヶ月以内に在庫を吸収するのに、少なくとも7兆元がかかるだろう」とした。住宅市場の改善のために地方政府を参加させようとする計画は、中国の政府債務問題をさらに深化させる可能性があるという指摘だ(ソウル経済)・・>>

 

韓国の未分譲住宅の場合、普通は「未分譲数5万~6万で沈滞期」ということになっています。確実な根拠があるわけではありませんが、そういうことになっています。でも、サブプライム・ローン事態が発生した時には16万戸まで増えたこともあるので(李明博政府が一部を買い入れたのがこのときです)、そこまでは大丈夫じゃないのかという意見もあります。今年2月時点で、約6万5000戸が未分譲とされています。だから、まだ問題ない、というのです。しかし、この数値に関しては反論もあります。数値すなわち統計に問題がある、というのです。

普通、マンションやアパートなどに売れ残り(空き)があっても、「そんなこともあるだろう」なところですが、韓国ではそうではありません。マンションが売れ残るなんて、いったいどれだけ投資に向いていないのか、そんな感覚になります。中国ではどうなのか分かりませんが、いくつかの記事を読んでみたところ、「似たような感覚かな」と思ったりします。これは、韓国で未分譲住宅がちゃんと集計されないでいる大きな理由でもあります。各施行社(マンション建設プロジェクトの総括社)または施工社(建設会社)から自発的に報告することになっていますが、それ以外に政府、自治体などで把握できる手段がありません。売れ残りすなわち未分譲があるとされると、どうしても「あ、あそこは投資に向いてないのか」というイメージになるため、各社はちゃんと報告しません。

 

また、これもまた中国で似たようなことが起きているという記事もありますが、そもそも工事を始めることができない現場が多いので、未分譲としてカウントされないでいるだけだ、との話もあります。サブプライム・ローン事態のときには、それでもマンションを建てるまではできたけど、いまは購入した土地の利子(どうせ融資で買ったので)払いに精一杯で、そこまでできないから未分譲も増えないでいる、と。これについては4月23日にエントリーしたことがあるので、未読の方はお読みください。中国の場合も、これらの理由で、いざ「政府が買うよ!」と言い出すと、隠れていた未分譲・未着工の件が無数に出てくるのではないか・・そんな気もします。

 

 

おかげさまで、新刊「Z世代の闇 物質主義に支配される韓国の若者たち」(扶桑社)が発売中です(2024年5月2日、アマゾン発売日)。詳しくは、下記のお知らせをお読みください。ありがとうございます
・以下、コメント・拙著のご紹介・お知らせなどです
エントリーにコメントをされる方、またはコメントを読まれる方は、こちらのコメントページをご利用ください。以下、拙著のご紹介において本の題の部分』はアマゾン・アソシエイトですので、ご注意ください。

   ・様のおかげで、こうして拙著のご紹介ができること、本当に誇りに思います。ありがとうございます。まず、最新刊(2024年5月2日)<Z世代の闇>です。いまの韓国の20代、30代は、どのような世界観の中を生きているのか。前の世代から、なにが受け継がれたのか。そんな考察の本です。・新刊(2023年12月21日)、<韓国の絶望、日本の希望(扶桑社新書)>も発売中です。「私たち」と「それ以外」、様々な形で出来上がった社会の壁に関する話で、特に合計出生率関連の話が多目になっています。・刊として、<韓国人として生まれ、日本人として生きる>(2023年7月29日)も発売中です。2023年、まさに心願成就、帰化できました。その際の、自分なりの持論に関する本です。・しい説明は、固定エントリーをお読みください。・当にありがとうございます。書きたいことが書けて、私は幸せ者です。それでは、またお会いできますように。最後の行まで読んでくださってありがとうございます。