朴振外交部長官、8月に訪中、外相会談・・韓国メディア「もう尹政権の外交は日本から中国へ」

最近、尹政権内で、中国を意識した発言が相次ぎました。与党重鎮が「中国の加入が封鎖されているグループには、韓国も加入しない」と公言し、大統領が「中国が誤解しないように積極的な外交が必要だ」「経済のためなら大統領はどこにでも行く(訪中?)」と話したりしました。ついこの前、25日のものですが、未読の方は過去エントリーを御覧ください。多分、その延長線上にあるものだと思われますが、朴振(パクジン)外交部長官(外相)が8月、中国を訪問し、王毅 中国外交部長(外相)と会談するというニュースが流れました。

SBSはこの件を報じながら「しばらく日本関連外交がメインだったが、もう中国関連外交になってきた」「訪日の際には(北朝鮮問題に関して)局長級が同行したが、訪中の際にはもっと上の次官級が同行する」などと報じながらも、これといった根拠もなく「話せばわかる」としか分析していません。尹政権はもう戦略的曖昧さをやめたけど(そうは見えませんけど)、中国側に韓国の立場を話せば、それでなんとかなる、と。というか、日本関連外交でこれといった成果がなかったと思いますが、まるで「相応の成果を出し、今度は中国だ」と言っているような、そんな書き方です。

 

韓中外相会談の議題になる内容を予測しながらも、THAAD関連内容なども、まるで『すでに解決された』ような書き方になっています。こんな分析で本当にいいのか?と、疑問です。一方、専門家は、大統領が「中国が誤解しないように」とした尹大統領の発言について、「中国からすると、それが本当に『誤解』なのだろうか」と指摘しています。誤解だと主張するのではなく、一貫した立場に基づいて『説得』をしないとならない、というのです。以下、<<~>>が引用部分となります。

<<・・今月初め、民官協議会の発足と、4年7ヶ月ぶりの韓日外交長官会談など、しばらく対日外交に傾いていた関心の軸が、今や対中外交に移っていく模様です。いわゆる「チップ4同盟」など、友好国を中心としたサプライチェーン再編の動きに対する中国の反応が激しくなっている中、パクジン外交部長官が8月の防中日程を公式化しました。今月初め、G20外交長官会議で短く開かれた韓中外交長官会談では、両側ともこれといった内容は無かったと言われているだけに、1か月ぶりに開かれる会談がどんな内容になるのか、注目する必要があるでしょう・・

 

・・大きく3つの議題がテーブルに上がると言われています。 相互間友好協力、朝鮮半島問題、グローバル懸案などです。中国専門外交情報筋の言葉を総合すれば、友好協力分野ではTHAADやコロナで縮小されたフライト増便などを通じて、両国間の人的交流を拡大しようという内容が主に議論されるものと見られます。コロナを理由に議論が進展できなかった韓中間2+2戦略対話を次官級に格上げ、再稼働する問題も主要案件になると伝えられました。

2番目の朝鮮半島問題、つまり北朝鮮核問題です。北朝鮮が7次核実験を予告しているうえ、国連安保理制裁が無力化された現在の状況で、中国の役割を再び強調するというのが政府の計画です。韓日外交長官会談では、国長級北核問題担当者である北核外交企画団長が長官と同行したが、韓中外交長官会談では次官級の交渉本部長が同行することが知られています。それだけ、気合を入れて外交戦を繰り広げるという意味です(SBS)・・>>

 

他にも記事は「王毅外交部長が先に会談しようと言った(G20で)」「パクジン外交部長官も王毅外交部長も登山が好きで、中国側はどこかで二人が一緒に登山できないか場所を探している」などと、和気あいあいな書き方です。でも、本当にそんな認識でいいのでしょうか。この部分はニュース1ですが、ヤンガビョン国家安保戦略研究院責任研究委員は、「私たちが『誤解を解こう』というふうにアプローチしてはならない。中国からすると、誤解ではなく実質的な懸念事項だと話すだろう。『説得』をしなければならない。私たちの対中関係の設定に対する一貫した立場を、改めて強調する必要がある」と話しました。

確かに、いま中国側が韓国側に示している懸念を「誤解」としてしまうと、事実ではないということになります。中国側からすると、「現状をごまかそうとする」としか思えないでしょう。現状を「誤解」だと、事実ではないと主張するのは、韓国外交の特徴とも言えます。しかし、それがもっとも効かない相手が、中国だったりします。一貫した立場を示す必要があるというヤン研究委員の主張はそう間違ってないと思いますが、問題は、『一貫した立場』というのは、一つの主張を続けてこそ出来上がるもの。そんなスタンスを示すことができるのでしょうか。簡単ではないでしょう。文政権が示してきた「一貫した立場」と同じものならともかく、違うものなら、なおさらです。

 

 

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