外国メディア記者懇談会で、韓国外相「中国は韓国の立場をかなり理解している」・・根拠は示さず

最近、特に出番が増えた朴振(パクジン)外交部長官。昨日は外国メディアの記者たちを対象にした懇談会で、いろいろと質問に答えました。「中国側(王毅 中国外交部長)は、相当、韓国の立場を理解している」、などです。なにを根拠にしてこんな話をしたかは分かりませんが、王毅部長って、そうぬるい相手ではないはずですが。

過去エントリー(20日)にも書きましたが、韓国側は今まで、会談などで何か肯定的な結果があったとしながら、具体的な成果や根拠ではなく、「笑顔」「表情」「感じ」などを挙げてきました。パクチウォン国家情報院長が菅総理を表敬訪問したときには、菅総理が肯定的なスタンスを示したとしながら、『笑顔だった。マスクをしていたけどハッキリわかった』などと話しました。NATO首脳会議で尹錫悦(ユンソンニョル)大統領が岸田総理と会話したときには、『岸田総理が尹大統領を理解した。表情で分かった』としました。

 

そして、パク長官が日韓外相会談を終えたあとには、例の「日本『も』誠意あるリアクションを」発言に対し、『日本側も呼応した。そんな感じがした』と話しました。ちょうど同じ日、日本側では、自民党内部などで該当発言が問題視されているという記事が、いくつも出ていました。今回の『王毅外交部長は、韓国の立場を、相当、理解している』もまた、これといって根拠は示されていません。G20で会ったとき、王毅外交部長がそんなふうに話した、とのことですが・・どうでしょうか。記事に「(王部長が)そういう姿を見せた」となっていますが、まさか、これでしょうか。以下、ソウル経済の記事ですが、他にもいくつかの発言をまとめた記事になっているので、日本関連の部分も合わせて(特に目新しい部分はありませんが)紹介したいと思います。<<~>>が引用部分となります。

 

<<・・パクジン外交部長官が27日、ユン・ソクヨル政府のインド太平洋経済フレームワーク(IPEF)加入など韓米同盟強化に対する中国側の懸念と関連し、「王毅中国外交担当国務委員兼外交部長に説明し、王部長も、相当、理解する姿を見せた」と明らかにした。朴長官はこの日午後、ソウル中区韓国プレスセンターで開かれたソウル外信記者クラブ(SFCC)懇談会で「今回政府に入り韓国がIPEFに加入し、別名チップ4(韓国・アメリカ・日本・台湾半導体)同盟参加を検討するなど親米の歩みを見せ、韓中関係には無駄だという評価が出ている」という指摘にこのように答えた。

朴長官はまず「韓国がIPEFに参加することは、ある特定国を排除するためのものではない」とし「インド太平洋地域経済のダイナミックさと戦略的重要性を勘案したとき、韓国が国益を維持し拡大していく過程で役立つと判断し、参加したものだ」と線を引いた。続いて「国際規範を作るにおいて、韓国がルールフォロワー、つまりルールにしたがうのではなく、ルールメーカー、ルールを作る国として参加することが、役に立つと判断したのだ」とし、チップ4同盟に関しても「同様にそんな次元で検討している」とした。

 

特にパク長官は、今月初め、インドネシア・バリの主要20カ国(G20)外相会議で開かれた韓中外交長官会談に言及し、「王部長と私がサプライチェーン部分を話し、IPEFの話をした時、韓中の意見が違うというのは、両方とも認めた」としながらも「でも、韓国の立場がどんなものかについて、(が部長が)理解した」と主張した。中国としては米国主導のIPEFなどに韓国が参加することが気に入らないだろうが、韓米関係や対外経済など状況を考慮する際、参加するしかない韓国の立場も理解するという意味だと思われる(ソウル経済)・・>>

 

さて、どうでしょうか。他にもパク長官は、記者から『特定の価値観を追求しながら、どんな国も排除しないということが出来るのか」という指摘を受けても、「意見が異なるときに相手が誤解しないように事前に説明することで価値を追求するものであり、事前によく説明する、外交的な努力が必要だ」としながら、『事前に説明すれば、出来る』というニュアンスで答えました。先も書きましたが、王毅外交部長がこんないいかげんなスタンスに満足するはずはないと思いますが。

日本関連だと、現金化の前に解決策を準備するとした発言のことで、「日本企業側の再抗告の期限が終わる来月までに解決策を設けるという意味なのか」という、『具体的な時期』を問う質問に対し、「とにかく現金化が行われる前にこのような望ましい解決策を模索することが必要だ」とし、直接的な言及を避けました。いや、これもまた、この期に及んで『とにかく(直訳です)』でなんとかなる案件ではないと思いますが・・

 

最後に、「尹政権の支持率が下落し、それで対日外交の基調変化があるのではないか懸念する声がある」との質問(鋭い質問ですね)に対しては、こう答えました。「国際情勢は常に変化する。支持率もそうだ。いままで名を残した指導者たちを見ると、在職中にはそんなに人気が高くなかったが、やらなければならないことをやって、それから評価される場合がある。支持率に一喜一憂せず、外交の方向、価値、原則を守っていきたいと思う。韓日関係も韓中関係も同じだ」。いや、だから・・『やらなければならない』ことなら、まず国家間の約束から思い出してほしいものであります。

 

 

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