朴振外交部長官「日本側も、『日本も誠意を見せる』に同意したような感じがした」

文在寅(ムンジェイン)政権が『関係改善首脳会談関係改善首脳会談』と言うようになったのは、確か、2020年の秋頃でした。あの頃の文政権のやり方も、今の尹錫悦(ユンソンニョル)政権と大差ありませんでした。

パクチウォン国情院長が菅義偉当時総理を表敬訪問し、日韓パートナーシップ関連で新しい宣言、いわば菅・文宣言をしたらどうかと話したことが、代表的です。うまくいかなかったけど、うまくいった、ちゃんと会えた、としながら、当時、朴院長は『菅総理は笑顔だった。マスクをしていたけど、ハッキリわかった』を論拠にしました。もちろん、それから何かが変わることはありませんでした。

 

NATO首脳会議で岸田総理と尹大統領が挨拶したときにも、大統領室側は「うまくいく」としながら、こう話しました。6月30日の朝鮮日報(朝鮮BIZ)から引用しますと、「両国共に、首脳同士では問題を解決する準備がもう出来ている」、「選挙を控え、韓国と会話(会談)した場合、国内政治的に負担があるのではなないかと悩んでいた首相が、韓国大統領を(現場で)見て、話を聞いて、選挙が終わった後ならいくらでも会って実務協議で解決していく姿勢になっているということを、日本側が悟ったようだ」、と。

で、その論拠は何だったのかといいますと、表情です。「私たちも日本側が慎重しすぎるでのではないかと思ったが、日本の首相を見ると、かなり開放的であり、韓国に対して期待も大きく、うまくやっていきたいとする熱意が、表情から感じられた」とのことでして。しかし、そのすぐ後、大統領室が発表した「岸田総理が、(日韓共に)努力しようと話した」について、日本側は『事実と違う』とし、岸田総理は『努力しよう』ではなく『努力していただきたい』と言ったと、公式に発表しました。

 

このように、笑顔(マスク越し)や表情を論拠にしてきたわけですが・・今回はパクジン外交部長官が、「日本も誠意あるリアクションを」という発言に、日本も同意したと発表しました(ソースはKBS)。つい昨日お伝えした(過去エントリー)とおり、パク長官は林芳正外相との会談で、「日本『も』誠意あるリアクションを」と話したものの、その後に松野博一官房長官が「尹政権の対応を見極めた上で、緊密に疎通していく」と話すなど、日本側の反応はパッとしないものでした。じゃ、パク長官は何を論拠にして「日本側も同意した」と話したのでしょうか。その論拠は、「そんな感じがした」です。以下、<<~>>で引用してみます。

 

<<日本を訪問中のパクジン外交部長官が、懸案解決のための韓国政府の努力に、日本政府も誠意をもって対応する考えがあるように見えると明らかにしました。パク長官は「今回の訪問を通じて、日本側も韓国政府の努力に、誠意をもって呼応する意志がある、とする感じを受けた」とし、今日午前、東京のあるホテルで開かれた韓国メディアの特派員懇談会で明らかにしました。

朴長官は「韓日関係改善を希望する両国政府の意志を確認した」とし「特に日本側も、尹政権が韓日関係改善のために強い意志を持っていることを今回改めて確認できただろう」と述べた。一方、外交部高位当局者は、2015年の日韓合意により日本側が出した10億円で設立し、文在寅政権で解散となった「和解・治癒財団」の再設立を検討するかという質問に、「そうではなく、さまざまな方案を検討している」と話しました(KBS)>>

 

ですが、現実は小説よりKなりともいいますが・・日本側の反応はそうではないと『感じられ』ます。なにせ、冒頭発言も、共同記者会見も無かった、と指摘されています。ニューシースは「日本メディアの評価は、全般的に思わしくない」としながら、いくつかの記事を紹介しています。今回、会談に応じたのも、「まだ尹政権の体力がある間に、すなわち支持率が下がる前に(笑)応じただけだ」、「すでに支持率が下がっているので、それすらもどうかと思われるようになった」、とのことでして。

<<・・読売は、パク長官の訪日と関連し、「日本政府は夕食の晩餐を行うなど外交上の礼儀を守り、配慮しながらも、会談の冒頭発言は公開しなかった。会談後の共同記者会見も保留した」とし、「懸案の解決策において具体的な成果が見いだせなかったためだ」と雰囲気を伝えた。時事通信も、両国外相が、内外への慣例的な発言もせず、「沈黙のキックオフ」をしたと伝えた・・・・日経は、日本の自民党内では保守派を中心に「解決策が提示されるまで、会談を開いてはならない」という意見が根強かったと伝えた。

 

それでも日本政府が外交部長官会談に応じたのは、「まだユン政権の体力が残っている任期初期に、問題を打開したいという考えがあるため」と解釈した。しかし、「ユン政権の支持率はすでに下落している。現金化問題などで難しい政治判断を出すことができるのか、不透明だ」と指摘した。日本外務省幹部も、「韓国外交部長官が解決に意欲を出すのは評価するが、実際の解決策を提示できるか疑問だ」と話した・・(ニューシース)>>

なにをどう感じたのかはわかりませんが、なにか違います。さて、マスク越しの笑顔も、表情も、あたったことなど一度もありませんが・・今回の「感じ」は、どうでしょうか。こんな内容の懇談会をしなければならなかった時点で、答えはすでに出ている気もしますが。次の更新は、明日11時頃の感じがします。

 

 

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