韓国租税専門メディア、「同じく通貨安で貿易収支も赤字なのに、なぜ日本では『金融危機』という言葉が出ないのか」について分析

多くのメディアが、通貨安について報じています。韓国銀行も金利引き上げが予想されているし、ちょうど国連総会でバイデン大統領とユンソンニョル大統領が『金融安定のために協力する』と話した、という発表もありましたが、前週とさほど変わっていない雰囲気です。そんな中、租税日報という、その名の通り租税専門メディアが、『同じく通貨安なのに、なぜ日本では金融危機という言葉が聞こえてこないのか』という記事を載せました。趣旨としては、日本では結構知られている内容も含まれていますが、韓国メディアにしては珍しい論調となります。

記事は、国内では高騰する原材料価格などの影響で6カ月連続の貿易赤字が続き、為替レートが急激に通貨安に動くなどで、また1997年や2008年のような、いわゆる『金融危機』が再び起こるのではないか、そんな懸念を指摘します。これはソース記事だけでなく、多くのメディアがキキ、キキと、魔女の宅急便な記事を出しています。中央銀行側は問題ないとしていますが、どうも動きが安心できない、というのです。「家計負債がGDPを超える」国で、金利を引き上げるのは容易ではありません。にもかかわらず、今まで何度も金利を上げましたし、記事によると、介入もしているようです。

 

しかし、これといった効果は現れていません。不動産価格の下落に関するニュースが相次いでいるのも、また一因でしょう。そして、他でもない大統領自ら、バイデン大統領と『金融安定のための協力を~』と話していることは、どうも中央銀行側の『問題ない』とするスタンスとズレがあります。そのような点を考えると、マスコミ側としてはどうも安心できない、と思っているのでしょう。ですが、同じく貿易赤字が続き、通貨安になっている日本では、もちろん通貨安による問題はあるものの、なぜか金融危機という言葉がまったく出て来てきません。記事はこの点について、記事はこの点について、『このような点が違う』と分析を載せています。以下、<<~>>で引用してみます。

 

<<・・(※通貨安による国内の状況について述べた後)日本の場合も、為替レートが140円台を超え、22日、中央銀行と政府は外国為替市場に介入し、ドルを売却して円を買った。24年3カ月ぶりのことである。鈴木俊一財務大臣は、「原則として為替レートは市場で決定されるが、投機による急激な変動は見過ごせない」と話した。このように、円の急激な通貨安を警戒しているものの、「金融危機」まで懸念する雰囲気は感じられない。その背景は、日韓両国の貿易収支の動向と外債の現状などをもう少し細かく覗いてみれば、すぐに分かる。

我が国の場合、8月に史上最大の貿易収支赤字が出た。関税庁のデータなどを読んでみると、9月も変わらずで、6カ月連続になる可能性が高い。全国経済人連合会が各証券会社リサーチセンター長を対象に「貿易収支および為替レート予想」を調査した結果、今年の年間貿易収支赤字は281億7000万ドルと見込まれた。これは、1996年の206億ドル赤字、2008年の133億ドルの赤字を上回る、史上最大値だ。貿易収支の悪化は、強ドル基調によるウォン価値の弱さをさらに強める可能性もある。そうなると、輸入価格上昇につながり、貿易収支赤字幅がまた拡大することになるだろう。さらに、証券市場の魅力度が低くなり、外国人投資家が去る可能性も提起される・・

 

・・日本も8月、貿易収支が2兆8173億円の赤字で、13ヶ月連続だった。しかし、急激な通貨安にも関わらず、9月、企業の経常利益は17.6%増加し、内部留保は初めて500兆円を超えた。25日に中央銀行が発表した各企業の短期経済調査によると、製造大企業に対する経済評価は9ヶ月ぶりに改善されると予測した。タンカン(Tankan of Japan、Short-Term Economic Survey of Enterprises in Japan)は、国内の企業約1万社の現在の経済現況を尋ね、民間シンクタンクを含む13社の予測を発表した。半導体やその他部品の供給不足が解決され、中国上海の封鎖制限が解除され、経済活動が再開されたため、大企業とメーカーの経済評価が改善されると見た。

日本の外貨保有高は7月末基準で1兆3230億ドルで、全世界2位だ。だが、何よりも外国為替関連で金融危機がないと自身が持てる理由は、31年連続世界最大の債権国であるためだ、と解釈される。5月、財務省によると、日本の対外純資産は411兆1841億円で、前年同期比15.8%増加した。2位ドイツは315兆7207億円で、100兆円近くも差が広がった。円安により、海外資産の価値は上がっており、これは、為替介入に積極的でない理由の一つだとも思われる。海外資産が多いため、ドルで受け取る利子と配当の価値が高くなり、海外不動産価格も上昇するからだ。

 

2022年8月基準の国際収支表を見ると、海外投資が多いため、金融収支は1兆7125億円の黒字を記録した。貿易収支は赤字だが、金融収支は黒字を記録したのだ。通貨安が続くと、金融収支の黒字はさらに拡大する。また、家計負債問題からも自由だ。OECD加入国のGDPに対する家計負債の平均は約60%だが、韓国は106.3%で1位を記録した。日本の家計負債水準は59.7%水準で、OECD平均にも及ばない。さらに、米国、英国、カナダ、欧州中央銀行、スイスと通貨スワップを締結している。私たちはカナダと通貨スワップが締結されているだけで、米国、日本とは通貨スワップ契約を締結していない(租税日報)・・>>

ちょうど昨日も、『日本はすでに貿易国家から金融国家に変身した』とする主張を紹介しましたが、それと通じる部分もあります。内容的にも、ソース記事から引用していない部分(短期外債など)も載っているので、まだ未読の方は昨日のエントリーもお読みください。その記事にも、『日本はすでに貿易国家ではなく金融国家に変身した状態だ。貿易赤字がいくら増えても、米国、ヨーロッパに行った3兆ドルの投資を通じて、それを補うことができる。急な円安というけれど、その復元力は強い』と書いています。本エントリーと繋がっているとも言えるでしょう。もちろん、だからといって急激に動く為替レートに何の問題もないとは言えませんが。

 

 

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