韓国大邱(テグ)市でマンション価格が急落、市長が政府に対策を要請

韓国の広域市の一つ「大邱(テグ)」市で、マンション価格が急落し、市長が政府に対策を要請する事態となりました。大邱MBCソウル経済など複数のメディアが報じています。首都圏ではないにせよ、大邱は、6つだけの広域市(ソウルは特別市)で、相応の発展を遂げてきました。全体で見ても10%、人気だったエリアのマンションの場合は60%近く下がったところも多く、それでも取り引きがほとんど無い、とのことです。

さらに問題になるのは、この大邱地域、2023年にマンションに入居する世帯が35000世帯もある、ということです。これがどういうことなのか、簡単に説明致しますと・・前にも「請約」エントリーなどで書きましたが、基本的にマンション団地を建設する前に購入(契約金を支払い、それからの代金である「中途金」と「残金」支払の日付まで決めて)する形になるので、完成して入居する日付もすでに決まっています。すなわち、2023年に入居するマンションなら、すでに2~3年前には『販売』が終わっていたわけです。

 

2023年にマンションに入居する予定だから、とにかくマンションは完成させないとならないでしょう。最近は資材なども高くなったし利子負担も増えたのでマンションを作る方も大変でしょうけど、とにかく2023年に入居だとして販売(すでに販売済み)したので、作らないといけません。その分が、3万5千世帯分あります。だからソース記事でも「マンション入居」と言い切れるわけでして。さて、彼らも多分これから利子負担でこまることになるとは思いますが、それはともかくして、初めて家を購入した人ならそれでいいかもしれません。

でも、似たような投資を繰り返して、前に住んでいた家があるなら、その家を売らなければ、残金が支払えません。入居前に残金まで支払いを終えないとなりませんから。いまは取り引きがほとんど無いので、中途金、残金が支払えるのか?という疑問が指摘されている所以です。もし売れたら売れたで、それがさらにマンション価格を下げる要因になるのではないか、とも。最近は新規ローンも難しくなったし、安く出すしかないからです。一部のネットメディアでは、ヨンクルなどもあって首都圏でのマンション価格下落が注目されているけど、不動産市場関連で懸念されている問題が始まるのは大邱市ではないのか、そんな見解も出ています。以下、<<~>>が引用部分となります。

 

<<・・大邱地域マンション売買価格の急落が、普通ではありません。最高値と比較して60%近く下がった団地まで出ています。2023年にマンション入居物量が多く、価格下落がさらに大きくなる見込みです。学校が多く、学区として高評価の大邱市スソン区のあるマンション団地、専用面積75平方メートルのこのマンションは、11月21日に6億4千万ウォンで売れました。2020年10月の13億9千万ウォンと比べると53.5%も下がった価格です。これは国土交通部の実際の取り引きデータから確認されたものです。

ダルソ区のあるマンション団地、専用面積59平方メートルのここも、11月29日、2億ウォンで売買され、2021年7月の4億6,500万ウォンより57%の下落率を記録しました。この他にも、大邱市ジュン区のあるマンション団地、専用面積75平方メートルは、11月25日、3億4,500万ウォンで取引され、2020年12月の6億5,800万ウォンと比較して47.5%下がりました。韓国不動産院の大邱地域マンション売買価格指数変動率は、去る11月マイナス2.09%を記録し、2022年累積でマイナス9.2%になりました。さらに深刻なのは、5月から売買価格指数の下落傾向が加速している点です(大邱MBC)・・>>

 

<<・・市長のホン・ジュンピョ氏は「不動産景気のハードランディング対策をあらかじめ用意しなければならないと前にも話したが、実際に大邱も金利上昇と供給物量過剰でマンション価格が急落しているた」と明らかにした。続いて「地方政府としては、このような事態を防ぐ政策的な手段が制限されるため、地方政府としできる限りの不動産安定対策を設けようとしているが、我が国の不動産対策は地方政府の力だけで成し遂げられるものではない。 方法がなくて苦労している」と話した。

これと共にホン市長は「不動産価格が下がれば、家のない庶民たちはマイホームを持つことが容易になると歓迎するという話もあるが、不動産急落はそれだけで景気にも影響が大きいため、庶民生活がより難しくなる」とし「家を所有している人たちのことも考えて、市場が早く安定するように対策を設けるよう、政府に促す」と伝えた(ソウル経済)・・>>

 

ホン「ユンに聞いてほしい」ユン「ムンに聞いてほしい」ムン「パクに聞いてほしい」パク「え?」サグミュン「まずは信頼を積み上げましょう」・・といったところでしょうか。市長自ら急落と言い切っていいのかどうか、なところも気になりますが、尹政権とて、何かできることがあるのでしょうか。「借りやすくするからマンション買ってください」という政策を、住宅担保ローン金利7%台(第1金融圏)の時代に本気で推進しているところですが。余談ですが・・大邱市の合計出生率は0.78で、データ作成時点の全国0.81より低いほうでした。また、「区」単位で見ると0.45、0.55の区があって、韓国でもっとも合計出生率が低い10大(?)区のうち2つが大邱にあります。

 

 

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