TSMC、日本に第2工場の建設を検討中と明言・・韓国紙「このままでは日米台の半導体協力に参加できない可能性がある」

ご存知、日本、米国、そして台湾の半導体関連協力が強化されています。単に強化するぞ!(するぞ!)なものではなく、早ければ数年後には具体的な実績が出せるような話が聞こえてくるのもになるのではないか、そんな気もします。TSMCやIBMなど、日本とは異なる分野で強みを持つ企業が『日本と補完し合う』形で関わっているのも、国際情勢と相まって、新しいサプライチェーンの形が期待できそうです。日台のときもそうでしたが、最近は明らかに日米台の3国協力の形になったこともあり、各メディアの緊張感は日々強くなっています。

半導体投資関連税額控除をメインとする「いわゆるKチップス法」が難航しているのもそうですが、そもそも韓国が民主主義陣営の「経済安保関連」に参加できないでいるのではないか、そんなところです。そういえば、11日には、「チップ4の中で我が国の具体的な役割が具体的に見えない」という朝鮮日報の記事を紹介したこともあります。そんなとき、TSMCが今までは「具体的な計画はない」としていた日本での第2工場を検討していると公言し、またヘラルド経済など複数のメディアが「ひょっとして、日米台協力に参加できないのではないか?」という記事を載せました。グローバルなチップ『同盟』からはずされているのではないか、と。いまさら、といったところです。以下、<<~>>が引用部分となります。

 

<<・・グローバルファウンドリ(半導体チップ委託生産)1位企業である台湾のTSMCが、日本に第2工場建設を考慮していることが分かった。台湾と日本の半導体協力が強化され、グローバルチップ同盟から我が国がはずされるのではないかという懸念が出ている。12日、業界及び日本現地媒体などの報道によると、ウェイザージャTSMC魏哲家最高経営者(CEO)はオンラインで開かれた2022年第4四半期実績説明会で、「日本にTSMCの2番目の半導体工場建設を検討している」と話した。

先月中旬、TSMC側は日本に2番目の半導体工場を建てるという外国メディアの報道が出ると、これに「具体的な計画がない」と明らかにしたことがある。ところが、1ヶ月でスタンスを変え、日本とのパートナーシップの可能性を公式に認めたのだ。今回の半導体工場の新設にのみ数千億円が投入されるという観測が出ている・・

 

・・TSMCの工場建設により、台湾と日本の協力関係が一層強化されるという分析が出ている。「半導体サプライチェーン回復力作業班(チップ4)」が最近構築されているが、チップ4内で再び国家間の関係による熾烈な戦いが繰り広げられているのだ。業界は、米国と日本、台湾の三角連帯によって、韓国が半導体覇権構図からはずされる可能性を懸念する。TSMCは米国と日本を確固たる同盟と規定し、両国に投資を集中している・・・・業界関係者は、「米国と日本、台湾各国が政府レベルで連合しているのに、我が国ではそのような支援が見られない」とし「政府レベルの支援が必要な状況」と話した・・>>

中国から離れようとしている動きなのに、韓国はメーカーの人が「もう中国から離れることができなくなっている」と話す構造になっています。この状況でチップ4(公式にスタートはしたのか?と疑問ですが)を論ずることがナンセンスかもしれません。6日にも紹介した記事(韓国日報)ですが、 <<・・各企業は、中国から離れるのが難しい。サムスン電子は中国西安工場で全体NANDの40%を、SKハイニックスは無錫と大連でDRAMとNANDをそれぞれ50%と30%ずつ生産している。大韓商工会議所によると、半導体輸出において中国が占める割合は昨年39.7%で、2000年(3.2%)から12倍以上成長した。中国現地の半導体業界関係者は、『設備、素材、部品、ノウハウがすべてここにある。同盟論理(※同盟という理由、記事本文では『義理』との表現もあります)で事業を動かすことができる段階は、すでに過ぎた』と話した・・>>、と。

 

どちらかというと、経済安保だけでなく、全般的に他国との『話し合い』そのものがうまく機能していないのではないでしょうか。これ、別に尹政権だけの問題でもありませんが・・話し合う前に発表してしまうというか、勝手に発表しておいて、そのとおりにいかないと『同盟なのに!』という反応を示す、そんなパターンです。去年9月、米国の商務長官が「(韓国も候補の一つだった)台湾企業を、米国に誘致しました」と公に話して、大きなニュースになりました。それからも似たような論調、私たちは米国に投資しているのに、米国はそうではないとする記事は、他にも結構目につきます。

昨日は、尹大統領に(オンライン面談で)韓国をバッテリー工場の「最優先候補」にしていると話した(と国内メディアで報じられた)テスラが、インドネシアに建てることにほぼ合意したと報じられ、また似たような論調の記事が複数ありました。「最優先と言ったのに!」と。また、昨日エントリーしたばかりの「自力による核開発」についても、米国側はあっさりと「朝鮮半島(全域)の非核化」が目標だと話しました。本当に『同盟なのに』と思っているなら、話す前にもうちょっと相談してもいいのでは。 申し訳ございませんが、今日はこれだけです。次の更新は明日の11時頃になります。

 

 

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