中韓のメモリ技術力、すでに逆転か・・専門家「中国メーカーが販売している232段3D NANDフラッシュメモリーは、今のサムスンからは買えない」

まだまだ多くのメディアが半導体関連の記事を載せています。日本、オランダが米国の半導体装備対中輸出関連で合意したというニュースに続き、今度は米国がインドと手を組んだという話が出ていますが、マネートゥデイなど複数のメディアは、「韓国にも参加するよう圧迫が強くなるのでは」「なんとしても中国とのバランスを」などの内容がほとんどです。個人的に、いまマスコミがこの件について書くなら、『圧迫が強くなるかも』ではなく、『なんで韓国関連の話は出てこないのか』だと思いますが・・そういう指摘は、無いわけではありませんが、主流とは言えません。

そんなところ、数年前からワンユンジョン現代中国研究所所長が話した「中国にあるサムスンやハイニックスの工場は、いわば『ボルモ(※担保や抵当などのことですが、昔、朝鮮は中国にしたがうという証として、王子を中国に預けることがありました。そういうのもボルモと言います)』を強調した、「女性経済新聞」というメディアの記事が異彩を放っています。他にもこのメディアは半導体関連で、多少は右側寄りの視点で記事を出しています。

 

他にも記事は、まだまだ中国を「ものを出せば売れるところ」としか思わない見方を警戒しながら、「すでにメモリ関連技術では逆転されているのかも」とする専門家の見解も紹介しています。しかし、先も書きましたが、こういうのは主流の意見とはいえません。ワンユンジョン氏も、もともとは現代中国研究所というシンクタンクの所長出身で、尹政権で大統領経済安保秘書官となりましたが、わずか1年足らずで辞任しました。以下、各紙、<<~>>が引用部分となります。一部、内容の繋がりのために段落の順番を変えてありました。

<<・・昨年10月、米国商務省が中国に対する半導体装備輸出関連措置を下したとき、サムスン電子とSKハイニックスに対しては猶予措置(※1年間)を出したが、いつまでもこれを延長するとは思えない状況だ。半導体機器を生産する日本とオランダが対中輸出措置に参加したからだ・・・・結局、業界の内外からは、「サムスン電子の西安ナンドフラッシュ工場と、SKハイニックスの無錫DRAM工場は、中国にボルモとされている」としたワンユンジョン大統領室経済安保秘書官の懸念が現実になったという泣き言が聞こえてくる。

 

また、メモリ半導体の主要生産基地が中国に偏重されたことこそ、実績沈滞と、中国が技術面で向上した原因だという指摘も出ている・・・・実際、中国企業YTMCはNANDフラッシュ部門でサムスン電子を超える技術力を見せている。去る1日、半導体博覧会であるセミコンコリア2023に参加したチェ・ジョンドン、テックインサイツ博士は、「最近YMTCが232段まで積み上げた3D NANDフラッシュを販売している」としながら、「現在、ここまでの積層技術が入ったNANDフラッシュは、サムスン電子やSKハイニックスからは買えない」と話した(女性経済新聞)・・>>

しかし、このような「緊張感を持て」な記事は、一部のメディアに限られています。大手だと朝鮮日報ぐらいでしょうか。この前も、「米国と同盟という理由で、半導体部門を中国から動かすことはもうできなくなっている」とする業界関係者の話を紹介しましたが、メディア側もまた、「なんとしても中国とのバランスを」という記事を出しています。サムスン電子の中国西安工場のNANDフラッシュ生産量は、サムスン電子全体の出荷量の40%以上です。

 

<<・・米国は対中牽制のためグローバル半導体連合戦線に合流するよう、より強くメッセージを伝えてくるだろう。オランダと日本が、経済的影響を受けながらも米国の措置に参加しただけに、我が国だけ例外になるのは難しい。米国は尹政権に半導体サプライチェーン協議体であるチップ4(米国、台湾、日本、韓国)に参加するよう積極的に要請してきた。韓国政府はチップ4予備会議に出席しながらも、水面下では中国と疎通し、中立的な立場を取ってきた。

半導体業界は、政府が米国と中国の間の実利を得ながらバランスを取らなければならないという雰囲気だ。国内半導体生産のためには、米国の技術と装備などが必須であり、中国は半導体輸出比重の半分以上を占める。米国と中国の間の半導体競争が、経済的利害関係を超え、安保と政治問題まで広がり、サムスン電子とSKハイニックスなど個別企業レベルでは対応が難しい。半導体業界関係者は「米国と中国間の競争は続くだろう。政府が、その中間で利益は得ながらも、ダメージは最小化する方向にレバレッジ戦略を繰り広げなければならない」と話した(マネートゥデイ)・・>>

大変申し訳ございませんが、今日もこれで更新終了です。次の更新は、明日(月曜)の11時頃になります。

 

 

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