広がる不動産リスク・・ブリッジローンだけで370億円規模の釜山の『ちょっとした都市規模』開発事業、公売行きか

マンション価格が下がったとか、取り引きが減ったとか、プロジェクトファイナンス(PF)によるローンの返済に関する問題とか、不動産関連でまだまだ多くの記事が出ています。もちろん、家計債務とセットで。住宅公示価格が統計作成以来最大の下落幅だったので、全般的に価格が下がっているのは間違いありませんが、それぞれの事業(マンション団地、再開発プロジェクトなど)単位で見ると、『もっとも』大きな話題になったのは、2つあります。一つは、ソウルのオリンピックパークフォレオン。もう一つは、釜山(プサン)の多大浦というところにある、ダデ(多大)マリーンシティです。両方、政府の不動産政策に直接響いていると言われるほど、規模が大きく、そして、不動産バブルの象徴でした。

ですが、どちらも、1~2年前には想像もできない、振るわない結果になっており、その中のダデマリーンシティに関しては、デフォルト(公売行き)になるのではないか、とまで言われています。本エントリーはダデマリーンシティ関連ですが、1月、オリンピックパーク・フォレオンも紹介したことがあります。一般的には、再開発前の遁村(둔촌)住公という名で呼ばれており、不動産関連ニュースでかなり話題になったプロジェクトです。韓国不動産市場最大の再開発で、最高の憧れだと言われきました。一時なら、何かの神殿のようにあがめられる(?)はずのプロジェクトですが・・なんと契約が未達する事態となりました。

 

何度か書いてきましたが、韓国ではマンションが完成する前に買う、いや詳しくは「買うための権利」を買うのが一般的で、普通は『請約(契約させてくださいという申込み)』だけでも競争率が高くなり、相応の優先順位による抽選となります。このオリンピックパークフォレオンの場合、まだ完売できず、一部からはPF(プロジェクトファイナンス)資金の返済に問題はないのかとの声もありますが、まだ本ブログで取り上げるほどの続報があるわけではありません。そして、2月あたりから、釜山のダデマリーンシティ関連でさらにマズイ話が聞こえてきました。ダデマリーンシティの場合、ブリッジローンだけで3700億ウォン。期限は今月中旬までと言われています。

 

5日にも朝鮮日報が「『高級』を掲げたプロジェクトが、相次いで公売にかけられている」という記事を載せました。規模(世帯数など)が大きくないのであまりニュースにはならないものの、ソウルでも公売行きになる『高級』プロジェクトが多く、ダデマリーンシティも、中旬までブリッジローンをなんとかしないと、同じことになるだろうと報じました。本ブログでは、もう少し詳しく書いてある、2月26日のソウル経済から引用したいと思います。いつも通り、<<~>>が引用部分です。引用してそのまま終わりにしたいので私見をもう少し書きますと、オリンピックパークフォレオンとかダデマリーンシティとか、こういう話が出ていること事態もバブルの一面ではありますが、それより、『連続で』出てくるのがもっと問題ではないだろうか、と思っています。さて、次はどこになるのでしょうか。大邱(テグ)の未分譲も相当な数だと聞いていますが。それに、公売といっても、PF資金が原因なので、まだ完成もしていません(建設中)ので、今の状態で買う人がいるのでしょうか。

 

<<・・ブリッジローン規模だけで約3700億ウォンに達する釜山多大浦開発事業、ダデマリンシティが揺らいでいる。釜山市が推進する東・西釜山バランス発展、いわゆる「多大ニュードリームプラン」の一環として施行される民間事業であるが、最近の不動産金融市場の状況からして、投資する人を見つけるのが難しくなっている。着工時に1兆ウォンを超えるプロジェクトファイナンシング(PF)資金調達が必要な、まさしく「ミニ・新都市」レベルの事業だが、認可を受ける前から資金問題が指摘されてきた。26日、不動産開発業界によると、ダデマリンシティ開発事業は現在、400億ウォン規模の追加ブリッジローン投資家を募集中だ。

トレンチは6つに分けて、先順位は約9%、最後順位は施工会社である第一建設が保証し、18%を提供する条件だ。今回集める資金は、既存の3700億ウォン規模のブリッジローンに対する利子支給などに使われる予定だ。既存の投資家は、地域セマウル金庫(2000億ウォン)とハナ証券・キョボ証証・BNK投資証券・第一建設(1700億ウォン)などだ。 このうちの一部が、1月18日、ブリッジローン初の満期で到来、資金回収を希望した。紆余曲折の末、既存の投資家たちは400億ウォンの新規資金確保を前提に、4月20日まで再延長することにした。追加資金確保がうまくいかないと、公売に移る可能性がある(ソウル経済)・・>>

 

 

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