朝日新聞が16~17日世論調査を実施したところ、福島処理水海洋放流を「評価する」人が66%、「評価しない」人が28%という結果になりました。先月の調査では「評価する」が53%だったとのことで、とりあえず、個人的には一安心、というか、肯定的な流れになっていると思っています。これで油断することなく、政府は科学的データに基づいて一貫したスタンスを貫き、風評被害対策などもさらに徹底する必要があるでしょう。さて、そんな中、最近出番が増えた韓国の最大野党「共に民主党」は、「国際世論づくり」という路線を強調しています。
簡単に言えば、「IAEAの調査データ」に背を向けている人たちを統合しようとしている、とでも言いましょうか。15日には国会議員団が米国議会を訪問しましたし、ロンドンIMO(国際海事機関)総会でも、処理水海洋放流関連で国際世論づくり(?)をする、としています。IMOについては、基本的に「当事国で話し合ってなんとかしてね」な反応しかないし、9月6日のエントリーでも紹介しましたが、すでに海洋放流はロンドン条約とは関係ないという内部指針を決めています。なにせ、こういう形の放流を投棄としてしまうと、基準をちゃんと守っている世界中の施設にも当てはまることとなり、下手すればロンドン条約そのものが有名無実なものになってしまう可能性だってあります。未読の方は、6日のエントリーをお読みください。
で、訪米した人たちはどうなったのか・・ですが、「議会」といっておいて、上院・下院のほうには訪れてもいない事がわかりました。朝鮮日報によると、地方議会(州)を訪れて、議員と話すまではできたものの、その議員はポスター撮影には応じなかった、とのことでして。結局、全てのフレーズを消して「太平洋を保全しましょう」というフレーズだけ残して、やっと撮影においじてくれた、とのことです。他にも何人かの国会議員には会ったものの、「何が出来るかで考えてみます」というよくある返事だけ、または、「うちの州の原発に何かの問題が起きないように頑張る」という、共に民主党が期待していたものとはあまりにも距離のある返事しか出てこなかった、とのことでして。以下、<<~>>で引用してみます。
<<・・共に民主党所属の議員たちが、放流をとめるための世論づくりのためと言い、米国を訪問した。 ところが、米連邦政府に影響力を行使する連邦上院議員ではなく、州上院議員に会った。放流に反対するポスターを持って一緒に記念撮影をしようという提案も失敗した。イスジン共に民主党比例議員は15日(現地時間)米国ニュージャージー州イングウッドでゴードン・ジョンソン州上院議員に会って、「イ・ジェミョン代表がハンスト16日目で健康がよくない」とし「最大の理由は放流過程で韓国政府が役割をしなかったため」と伝えた・・
・・「米国が、連邦政府レベルで明らかに立場を示してくれると、大韓民国国民が安心するだろう」と話したが、ジョンソン議員は共に民主党議員一行の発言を聞いているだけで、意見を中央政治家たちに伝えるとする以外、これといった意見を表明していないことが分かった。ジョンソン議員は「私はニュージャージー地域の政治家にすぎません」とし「地域区の連邦上院議員にその意思を伝えましょう」と話した。ニュージャージー州上院はワシントンDCにある連邦上院とは関係のない、地方議会だ。ジョンソン議員は面談が終わった後、イ議員一行が反対ポスターを持って一緒に記念写真を撮ろうと要請したが、ジョンソン議員は応じなかった。ジョンソン議員はグラフィックなしで「太平洋を保護しよう」というフレーズだけで、記念撮影に応じた(朝鮮日報)・・>>
他にも、ジョンソン議員は(共に民主党は日本のことを言ったのに)ニュージャージー州の原発になにか問題がないよう頑張る、という趣旨の話しかしなかった、とも。韓国メディアによく名前が出てくるアンディーキム議員も、「私の立場において、なにか出来ることがあるのか調べてみましょう」と話していますが、これといってなにか具体的な話があったわけではないそうです。とはいえ、共に民主党はこの訪問の成果(?)を大々的話している、とのことです。ただ、記事によると、成果関連のほとんどの文章が「~してほしいと要請した」です。さて、IMO総会で、日本、中国、および韓国政府がどんな発言をするのでしょうか。共に民主党も参加するそうですが・・
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