韓国大手メディアが見た、「国の地位を上げたのに、なんで選挙でまけるのか」と悩む大統領の話

一つ前のエントリーでも紹介しましたが、朝鮮日報がユン大統領の問題点を指摘する社説・コラムを相次いで掲載しています。今回紹介するのは19日のコラムです。現状、保守メディアとしてこういう指摘をするのは肯定的なことだと思われますが、ちょっと別の理由もあって、ネットで話題になっています。別の理由とは、朝鮮日報「さえも」こんな記事を載せるようになった!と喜ぶ、左側の人たちも多いからです。肯定的な批判のつもりで書いたのに、「相手側」に利用されてしまうというパターンです。私と大手・朝鮮日報の影響力を比べることなど到底できないでしょうけど、私はいつも「(書くこともないですけど)私が日本のことでなにか批判的な論調で書くと、『シンシアリーさえこんなことを言っている』とミスリードに利用されるのではないか」を意識しています。

たとえそれがどれだけ微塵な影響だとしても、そんなことだけはあってはならないと思っています。書くこともないですけど(重要な事だから二回)。特に本の原稿を書く時は、前もエントリーしたことがありますが、拙著がKBSなどにも取り上げられたこと(8月2日の本ブログエントリー)があるので、さらに気をつけています。日本とて何の問題もない社会ではありませんが、私が好きなのは日本であり、地上楽園ではありません。問題に悩み、改善していこうとすることもまた日本の一部です。それにお供したい、と。そういう話をするときにも、ネガティブのためのポジティブではなく、ポジティブのためのネガティブである趣旨を間違えないよう、気をつけているつもりです。

 

そういうこともあって、朝鮮日報の記事がネットで話題になっているのは、見ていてセツナイ気もします。今回は論説委員の書いたものですが、その内容は他の記事からは分からないユン大統領の今の問題点を明らかにしています。就任前は李明博氏に似ていると言われていたユン大統領ですが、どうやら、朴槿恵氏に似てきたのかな・・個人的にはそう思いました。ふたりとも、退任後、任期中にあんなことやK(こん)なことがありましたが、ユンたん、大丈夫でしょうか。どうやら、ユン大統領は1時間会議すると50分は自分で話す人で、今回の補欠選挙でまけたことにも「私ほどの功績をもってしても勝てないというのか」と落胆しているようです。以下、<<~>>で引用してみます。今回はツッコミではなく、該当部分の引用メインでいきます。

 

<<・・参謀の一人は「大統領は、(※江西区庁長補欠選挙で)勝てると期待していたようだが、あまりにも違う結果が出たのであわてているようだ」と言う。彼は、大統領が勝てると思っていたことにむしろ驚いたともいう。世論を知らず、与党とも疎通しなかったからだ・・・・大統領は、国際舞台で国の地位を上げた業績を、なぜ選挙結果で評価してもらえないのかと思っているかもしれない。しかし、それを功績だとしていた国民でも、票を入れない理由はいろいろあるのだ・・

・・大統領は「党と政府の疎通を強化せよ」とした。しかし、国民が聞きたかったのは、大統領が他の人に指示することではなく、自分から変わると話すことだった。与党を改編させ、そう信じさせなければならなかった。大統領が喜びそうにないことも言う人を、前面に登場させれば良かった。与党は、選挙関連当職者がすべて辞任することで答えた。でも、その当職者が誰なのか、国民は知らないし興味もない。キム・ギヒョン代表は「来年総選挙でまけたら政界を引退する」という覚悟を明らかにした。キムギヒョン代表が自身の地位と立場を勘違いしているのではないか、というのが国民の反応だ。このように現体制のまま総選挙まで行くというのが、大統領の方針なのだろう。

 

「国民の上に君臨する大統領府時代を終える」。 大統領選挙運動初日だった昨年2月15日、国民の力ユン候補のメッセージだった(※その結果、いまは「大統領府」ではなく「大統領室」になっていますが、やることは同じに見えます)。執権すれば帝王的大統領制を象徴する大統領府を去ると、話頭にしたのだ。ユン大統領の執務室移転の決心を理解し、国民も支持した。いままでの大統領たちの失敗は、大統領を孤立させる大統領府の宮殿のような構造と、無関係ではないと信じたためだ・・

・・(※しかし、いまの)ユン大統領には「59分大統領」というニックネームができた。1時間会議すれば大統領が59分間、一人で話すということだ。しばらく前からは、大統領がおこって大声を出すという話がよく聞こえてくる。そうしてこそ、参謀たちがちゃんと動くと、大統領は判断しているのだろう。大統領の強い自己確信は、相手の口を封じる。だから与党指導部が、大統領の思うがままに、勝てそうにない世論で燃え上がっている補欠選挙に、自ら飛び込んだのだ。帝王的大統領制度をやめるためといって大統領府から出てきたのに、いままででもっとも帝王的国政運営をする逆説を、私たちは目撃中だ。とても気になる。なんで執務室を移転したのだろう(朝鮮日報)・・>>

 

 

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