中国不動産関連ニュースを二つ紹介します。低迷している経済・景気関連の対策として、「根本的には、中国経済の反騰を待つしかない」。韓国の経済関連専門家やメディア、いや政府そのものが、普通にそう話します。つい去年上半期まで、中国のリ・オープニング(新型コロナ後の経済活動本格再開)が始まれば大丈夫だというのが、当局の公式見解でした。一部、『構造的な変化』を指摘する声もありましたが。しかし、中国経済、特に不動産(これすなわち金融)関連でなにかおもわしくない話が聞こえてくる毎日。
そんな話を、多くの韓国メディアは(『すべて』というわけではありませんが)主に「中国経済はまだ肯定的」、「中国には底力がある」、「韓国の不動産市場に大きな影響はない」というふうに報じています。なんというか、どうしても「大丈夫だからね』というふうにしたいようで・・6日の韓国経済の記事にも、同じことがありました。日本と米国は株式市場が熱いのに韓国はそうではないという趣旨の韓国経済の記事ですが、その中に、「幸いなことに、私たちと似ている国は、中国と香港(※の株式市場の動き)だ」という一行がありました。なんでここで「幸い」が来るのか、何かのジョークのつもりか、それとも安心のつもりか、よくわかりません。株価浮揚策が韓国中国ともにうまくいきますように、という結論ですが。
それは、直接投資した分が大きいわけではないので、不動産市場への影響は大きくないかもしれません。しかし、中国の経済発展を支えてきた不動産市場の揺れは、結果的には中国経済そのものの不振につながるし、その影響をもっとも大きく受けるのは韓国経済であるという点は、さほど強調されていません。もうちょっと緊張感が必要なところでありましょう。そんな中、フォーブス(※日本語版)が、中国政府が国有企業に対して「海外の資産を片付けて、その資金で国内の株式市場を支えるように」と指示したと報じました。ほぼ同じタイミングで、ニュース1(元ソースはブルームバーグ)もまた、中国の企業(こちらは主に資金難によるものです)が海外の不動産など資産を売却していて、これがただせさえリスクの高い商用不動産の価格下落に繋がっていると報じました。不動産の流れによる、世界経済、日本経済への影響が気になるところです。韓国経済への影響はどれくらいになるのかも含めて。以下、<<~>>で引用してみます。
<<・・新たな報道によると、(※中国指導部は)国有企業に海外に保有する資金を引き揚げて中国株の購入に充てるよう命じることで中国の株式市場を支援しようとしているようだ。噂では、この取り組みで2兆元(約42兆円)が動くという。共産主義の政権にしては実に奇妙な動きであり、中国経済が直面している根本的な問題にも対処しない限り、失敗に終わるだろう。中国の株式市場はかなり長い間低迷している。米ウォールストリート・ジャーナル(WSJ)によると、上海総合指数は過去3年で21%超下落。それにともない時価総額も減っている。株式の投資価値を判断する際に重視される株価収益率は、過去10年間の平均12.5倍をはるかに下回る10.4倍まで低下している。政府の大型支出計画の噂が思惑買いを誘い、主要株価指数はわずか3日間で5%近く上昇したが、その後再び下落に転じ、2021年の高値を大きく下回ったままだ。一方、株価収益倍率のような投資価値を示す指標の下落は、経済が抱える根本的な問題を正しく反映している(フォーブスジャパン)・・>>
<<・・中国で始まった不動産リスクが全世界に広がっているとブルームバーグ通信が10日(現地時間)報道した。中国の主要不動産開発業者エバーグランデ(恒大グループ)が最近、香港裁判所から清算命令を受けると、同社をはじめとする中国の有名不動産開発業者が資金難を緩和するために海外資産を大挙売却しているのだ。これは、低迷している世界不動産景気にさらなる影響を及ぼす見通しだ。世界不動産市場は新型コロナ以降、在宅勤務が増え、オフィス不動産が大きく萎縮している。このように世界中はオフィス不動産部分でリスクを迎えている。このような状況で中国の不動産リスクが全世界に広がれば、世界の不動産市場は大きなダメージを受ける見通しだ・・
・・中国の不動産開発企業は、国内の資金難を解消するために海外資産を大挙売却している。今週、中国の不動産開発会社「広州R&F」は、英ロンドンのナインエルムス地区にある16億9000万ドル(約2兆2500億ウォン)規模の不動産プロジェクトに対する持分を売却した。もう一つの中国の不動産開発業者シーマオグループは最近ロンドン事務用建物の売却を試みている。以前の売却価格より15%割引して建物を市場に出したが、まだ売れていない。今月初めにはロンドン西部の高級マンション地域であるメイフェア中心部のある開発団地が、債務不履行となった。開発会社は中国会社のシティック・キャピタルとシンダートだ。
JPモーガン資産運用の欧州不動産リサーチ責任者であるキャロル・ホジソンは、「中国企業が不動産を大挙売りに出し、ヨーロッパの不動産価格が急落している」と話した。ヨーロッパ以外にオーストラリアでも中国の不動産開発業者は大挙資産を処理している。 わずか数年前でも盛況だった中国開発者のおかげでオーストラリアの不動産市場は最高の好況を享受していた。現地メディアによると、最近リスクを迎えているカントリーガーデン(碧桂園)は、メルボルンの郊外にある土地を1億6300万ドル(約2172億ウォン)で売却した(ニュース1)・・>>
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