韓国大統領選挙、現在の支持率は・・伝統的な保守支持地域で、保守人気が上がらず

さて、6月3日の大統領選挙まであと約2週間。現在、各調査は1位李在明(イジェミョン)「共に民主党」候補、2位金文洙(キムムンス)「国民の力」候補、3位李俊錫(イジュンソク)「改革新党」候補の順です。一時は話題だった曺国(チョグク)氏の祖国革新党は、今回は候補を出していません。聯合ニュース(18日)が現在の支持率などを分析しましたが、特徴として、「右」支持が強いとされるTK(大邱・慶尚北道)とPK(釜山・蔚山・慶尚北道)地域で、「国民の力」の人気があまり上がらないでいることです。高いと言えば高い(約40~50%)ですが、普通ならこれよりずっと高い数値が出ます。

韓国で政治家の支持は「地域」で決まる事が多く、6割は超えて当たり前、7割での驚かない、8割もあり、そんな世界です。記事は、尹錫悦「前」大統領に対する保守層の支持が弱くなっているので、「国民の力」としては尹大統領に離党を進めてきた・・離党はしたけど、タイミング的にちょっと遅かったのではないか、そんな分析を載せています。個人的には、それより韓悳洙(ハンドクス)前総理との候補単一化の騒ぎのほうが影響しているのではないだろうか、とも思っています。以下、<<~>>で引用してみます。




<<・・次期大統領に向けた候補たちのレースが18日で初の1週間を過ぎる。序盤、大きな構図としては、共に民主党のイジェミョン候補、国民の力のキムムンス候補、改革新党のイジュンソク候補の「3者構図」となっており、イジェミョン候補が「大勢論(※最有力と認められ、勢いを増す状態)」を続けており、キムムンス候補がそれを追いかける形だ。イジュンソク候補は、両候補の代案として自分を位置づける戦略だ。大統領選挙を半ば残した時点で、イジェミョン候補は特別な失点なしに安定的な歩みを通じて、点数を積み上げている姿だ。しっかりとした支持基盤を土台に、いままでは厳しいとされてきた嶺南地域地(※南東部、慶尚北・南道地域)でも支持率が上昇傾向を見せている。

イジェミョン候補は17日公開された韓国ギャロップ調査で支持率51%を記録して、初めて50%台支持率を突破した。首都圏(ソウル50%、京畿・仁川55%)、中道層(52%)で過半支持率を達成し、大邱・慶北(TK)と釜山・蔚山・慶南(PK)でも、34%と41%得票率で善戦した。イジェミョン候補は「出る杭は打たれる」と、できる限り姿勢を低くしている。党内部では「シャイ保守」がキムムンス候補に結集する可能性を警戒する雰囲気だ。

 




候補交代論議を経て(※単一化)、やっと本選の舞台に上がったキムムンス候補は、イジェミョン候補との差を縮めなければならない、追う立場にある。選挙運動序盤からユン前大統領の脱党(離党)問題と、右派人事の合流など、支持率を下げる案件が重なり、支持率が停滞している状態だ。韓国ギャロップ調査で金候補支持率は29%で、嶺南圏(TK48 %・PK39%)でも、大きな力が受けられないでいる。キムムンス候補に対する保守層支持率は58%で、進歩側(※左側)においての李在明候補の支持率(84%)に比べて、核心支持層の結集が弱いという評価だ。ただし、前日、ユン前大統領の離党という形で、今回の大統領選挙の最大リスクを下ろすことができたため、いまから追撃を本格化するというのが国民の力の、希望的な見通しだ。

イジュンソク候補は選挙過程で浮上した「国民の力」の各種問題に対する保守層の失望と、李在明候補に対する中道層の反感を同時に攻略しながら、自分こそが代案だと強調している。しかし韓国ギャロップ調査で支持率8%を記録するなど、まだ1桁の支持率に留まっている。経験上、選挙が近づくほど、巨大両党の支持層が結集する流れを見せる。これも克服しなければならない要素だ。中盤に入った大統領選挙の構図だが、その変数としては、尹前大統領の離党が及ぼす影響と、李在明候補に対抗したキムムンス、イジュンソク候補の「単一化」の有無が挙げられる。国民の力は、ユン前大統領の離党により、散らばっていた支持層を結集して、背を向けた中道層を引き寄せる計画ではあるが、一部では、キムムンス候補や党がユン前大統領と「もう無関係」というイメージを得るには、離党が遅すぎたという指摘も出ている(聯合ニュース)・・>>




 

ここからはいつもの告知ですが、新刊のご紹介です。本当にありがとうございます。<THE NEW KOREA(ザ・ニューコリア)>という1926年の本で、当時の朝鮮半島の経済・社会発展を米国の行政学者が客観的に記録した本です。著者アレン・アイルランドは、国の発展を語るには「正しいかどうか」ではなく、ただ冷静に、データからアプローチすべきだと主張し、この本を残しました。どんな記録なのか、「正しい」が乱立している今を生きる私たちに、新しい示唆するものはないのか。自分なりの注釈とともに、頑張って訳しました。リンクなどは以下のお知らせにございます。

・以下、コメント・拙著のご紹介・お知らせなどです
エントリーにコメントをされる方、またはコメントを読まれる方は、こちらのコメントページをご利用ください

  ・様のおかげで、こうして拙著のご紹介ができること、本当に誇りに思います。ありがとうございます。まず、最新刊(2025年3月2日)<THE NEW KOREA>です。1920年代、朝鮮半島で行われた大規模な社会・経済改革の記録です。原書は1926年のものです。 ・新刊は、<自民党と韓国>です。岸田政権と尹政権から、関係改善という言葉が「すべての前提」になっています。本当にそうなのか、それでいいのか。そういう考察の本です。 ・刊として、<Z世代の闇>も発売中です。いまの韓国の20代、30代は、どのような世界観の中を生きているのか。前の世代から、なにが受け継がれたのか。そんな考察の本です。 ・しい説明は、固定エントリーをお読みください。・当にありがとうございます。