前にも同じテーマのエントリーがあったのでどうしようかと思いましたが、もう6ヶ月は過ぎてるし、あのときは「政府」によるものだけだったので、もう一度エントリーします。ちなみに去年10月6日に書いたものはこちらです。未読の方はぜひ。要するに、韓国では政府(公共機関)が、「政策庶民金融商品」というものを運用しています。青年用、自営業者用など多くの種類がありますが、基本的には『金融機関から借りられなくなった人たちの急銭(急に必要になった少額の金)または生計費などを、政府・公共機関がローンの形で提供するという趣旨です。商品名に、なにかの「日差し」「日差しローン」という表現が付いているのは、高い確率のこっちです。
趣旨そのものは別に問題ないですが・・この政策庶民金融、ちゃんと返さない人たちが多く、野党議員が分析した資料によると、公共機関が13兆ウォン以上(2023年)を代位弁済したとのことでして。前のエントリーで、「政府が1兆ウォン以上」となっていたのですが、あれこれ合わせるとその13倍になっていました。さすがに、そこまで大金を貸すわけではないし、金利もそこまで高くはない(高いけど、他の金融機関に比べると安い)わけですが・・SBS、イーデイリーなどの記事をまとめてみると、それでも延滞率は急増、『月、数千ウォン(数百円)が返せない人たちが多い』、とのことでして。これ、個人的に、返せないというか、返さない人たちも多いのではないか、そんな気がします。家計債務関連でも、違法金融業者関連以外だともっとも脆弱な立場の人たちの話、以下、各紙から引用してみます。
<<・・昨年、債務を返済できない庶民と小商工人(※自営業者)が増え、住宅都市保証公社、信用保証基金など金融公共機関の代位弁済額が前年より2倍以上急増したことが分かりました。22日、国会政務委員会所属のオギヒョン共に民主党議員の資料によると、公共金融保証機関の昨年の代位弁済額は13兆4412億ウォンで、前年より130.6%も急増しました。代位弁済は、借主が元金を返済できないとき、政策機関が銀行に代わって借金を返済することです(SBS)・・>>
<<・・自営業者からも同じ話が続出している。フィンテック企業「フィンダ」の商圏分析プラットフォーム「オープンアップ」によると、昨年閉業した外食業者は17万6258社で、全体の外食業者の21.52%に達した。新型コロナ期間である2020年の13.41%より、8.11%も高かった。オンラインカフェ「社長はつらいもんだよ」には、高金利による問題に関する書き込みが相次いでいる・・・・B氏は「新型コロナの時に受け取った小商工人ローンが終わって元金も返済することになる(※新型コロナ期間中の関連対策の中に、利子だけ返済できるようにするものがありました)ので、とても耐えられない」とし「どのように(事業を)整理をしなければならないのか考えている」とした・・
・・政策資金融資(※先に書いた政府・公共機関によるローン)を受けて、月に数千ウォンの利子がちゃんと返せずに延滞する状況も増えている。庶民金融振興院の資料によると、「少額生計費」関連ローンの延滞率は昨年4~6月期の2.1%から、今年1~3月期には15.5%まで跳ね上がった。政策商品ローンを返済できない庶民が増え、保証機関が代わりに返済した代位弁済金額も急増している。イジョンヨプ法務法人ロジップ代表弁護士(元ソウル回生裁判所部長判事)は、「売り上げがなければローンで固定費を払いながら頑張らなければならないが、今は金利も上がり、ローン延長も難しくなり、もう個人回生(※個人破産の一種)しかない」とし「新型コロナ時期に、ローンを組むより破産しておいたらもっと良かったという話も聞こえてくる」と話した(イーデイリー)・・>>
こういう政策金融商品は、ローンが組める金額もそこまで大きくはありません。利用するには、相応の基準(その商品が定める『庶民』にあたいするのか、など)とか、いろいろあります。それが代位弁済だけで13兆ウォン超えって、いったいどれだけ多くの人が借りているのか・・むしろそのほうが気になりました。政府の財政関連でもいろいろと記事が出ていますが・・税収とかいろいろ。いつまで続けられるのでしょうか。そういえば、同じく「急銭」のためと一般的に言われているカードローンも、2004年の金利は14~15%、高いところはほぼ19%(上限金利20%)なのに、急増しているという記事もありました。
こんな中、個人的に、やはり違法金融業者を利用している人たちがどれくらいいるのか、それが気になるところです。違法金融業者が摘発されたという内容以外に、データを取り上げる記事は目につきません。最近は、第2金融圏でも新規ローンをほぼ出さなくなったので、特に気になるところですが。最後に、また告知で恐縮ですが、昨日とはまた別の件です。3回連続で、今日もまたプレジデントオンラインに記事が掲載されました。韓国Z世代関連、拙著からの抜粋記事です(リストの一番上の記事)。よろしければ、お読みください。ありがとうございます。
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・皆様のおかげで、こうして拙著のご紹介ができること、本当に誇りに思います。ありがとうございます。まず、最新刊(2024年5月2日)<Z世代の闇>です。いまの韓国の20代、30代は、どのような世界観の中を生きているのか。前の世代から、なにが受け継がれたのか。そんな考察の本です。・準新刊(2023年12月21日)、<韓国の絶望、日本の希望(扶桑社新書)>も発売中です。「私たち」と「それ以外」、様々な形で出来上がった社会の壁に関する話で、特に合計出生率関連の話が多目になっています。・既刊として、<韓国人として生まれ、日本人として生きる>(2023年7月29日)も発売中です。2023年、まさに心願成就、帰化できました。その際の、自分なりの持論に関する本です。・詳しい説明は、固定エントリーをお読みください。・本当にありがとうございます。書きたいことが書けて、私は幸せ者です。それでは、またお会いできますように。最後の行まで読んでくださってありがとうございます。