韓国、自営業者債務が4年間で約50%増加、企業債務が6年間で約38%増加

先月の「チェックしておいた記事」消化という意味も含めて、「家計債務」以外の民間債務、すなわち自営業者債務と、企業債務についてまた取り上げます。一つ前のエントリーもそうでしたが、この『また』・・すなわち、相応の数の記事が出ているから、という側面もあります。まず、自営業者債務の場合、新型コロナ期間もありますが、大まかに4年間で50%も増加(約370兆ウォン)し、1100兆ウォンを超えました。ちょっと前に「1000兆ウォン」と言われていましたが・・。債務は「使い方による」という側面もありますが、ちょっとスピード速すぎないか、と。

新型コロナ期間中、多くの関連措置(満期延長、返済保留)に支えられていたものの、それらの措置が終わったあとの影響もあって、いろいろ大変なことになっていると聞きます。しかし、新型コロナ期間中の低金利をねらって創業資金にした人も多いので、その結果が出ているとも言えます。韓国の自営業者は、650万人と言われています。ちなみに、日本の場合は200万人台だとのことです。韓国の経済活動参加人口は約2800万人ですから、650万人の影響は相当なものです。

 

2023年6月6日(いまはこれが最新情報のようですが、もうすぐ2022年あたりのデータが発表されるでしょう)韓国経済TVの報道によると、彼ら約650万人の自営業者の2021年の平均所得は、年1952万ウォンでした。どんどん減少しつつあり、2000万ウォンより下がったのは初めてのことだそうです。今年5月13日中央日報の記事は、これが4年間で50%も増えて、これ大丈夫かとしていますが、これもまた約336万人のデータです。残りの人たち、債務が「ない」とはちょっと思えませんが(それは、無い人ももちろんいるでしょうけど)・・以下、<<~>>で引用してみますが、ここで一つご注意を。家計債務が1800兆ウォンとか1900兆ウォンとか言われていますが、もともとは自営業者債務は、「一部は重複する」ものの、家計債務とは別枠です。ただ、今回の記事は、「自営業者のローンでも、家計債務と分類されているものも含めてのもの(同じ人でも、ローンの種類で自営業者債務にカウントされたり、家計債務にカウントされたりしますが、これは同じ人の場合家計債務まで含めてのもの)」だそうです。詳しくは引用本文をどうぞ。

 

<<・・自営業者が金融会社から受け取った貸出金が1100兆ウォンを超えた。新型コロナウイルス以前と比較すると、4年間で50%以上増えた。12日、信用評価機関ナイス(NICE)評価情報がヤンギョンスク共に民主党議員に提出した資料によると、今年1~3月期基準で335万9590人の個人事業者(自営業者)が1112兆7400億ウォンの金融会社ローン(家計ローン+事業者ローン)を抱えていることが分かった。新型コロナ大流行以前の2019年12月末(209万7221人、738兆600億ウォン)と比べると、4年3ヶ月間で貸出利用者は60%、貸出金額は51%増えた。

3カ月以上延滞が発生した借主のローン規模も、今年1~3月期基準で31兆3000億ウォンで、2019年末(15兆6200億ウォン)に比べて2倍に増えた・・・・新型コロナ期間に低金利で受けたローンの満期が到来、高金利状況を支えなかった自営業者が増えたものと解釈される。自営業者・小商工人ローン元利金償還の猶予措置が昨年9月末に終了した影響もある。ある金融圏の関係者は「自営業景気が低迷した状況が長く続いて、でレバレッジング(債務縮小)がちゃんと行われず、債務が増えた側面がある」と話した(中央日報)・・>>

 

この中で、金融機関3箇所以上から金融を受けた「多重債務者」は、172万7351人。3箇所以上から借りた人でも問題ないという人もいるでしょうけど、データ上では、一般的にこの多重債務者は脆弱借主とカウントします。2019年に比べると、62%も増えました。ちなみに、先のデータの335万9000人という数が本当に合っているなら、半分以上が多重債務者ということになります。次は企業債務ですが・・こちらは5月20日CBSノーカットニュースですが、6年間で1100兆ウォン、約38%増えました。ただ、企業債務は家計債務や自営業債務に比べて、評価が難しい側面があります。なんか、大規模に投資やる!とすると、急に増えたりもしますから。でも、記事によるとノンバンクとの取引(第2金融圏など)が大幅に増えたということでして。あまり望ましい形ではない気がします。記事に明記されているわけではありませんが、PF(プロジェクト・ファイナンス)関連で進出したところが多いと聞きますが・・多分、それではないのか、と。

 

<<・・企業債務が年8%ずつ急増して2734兆ウォンに達することが調査された。 企業負債急増は不動産業投資と個人事業者金融支援などのためだった。韓国銀行が20日に公開した「韓国企業債務の現況および示唆点」報告書によると、国内企業の債務は2023年末現在2734兆ウォンで、2018年から6年間で1036兆ウォンも増加した。企業債務の年平均増加率は8.3%で・・・・名目GDP比で2017年末92.5%から2023年末122.3%に上昇した。このように企業の債務が急増したのは、不動産業投資、個人事業者金融支援、営業・投資資金需要などによるものと分析された。まず、2010年代以降の不動産景気活況とともに、ノンバンク圏を中心に不動産業への融資が急増した(ノーカットニュース)・・>>

 

 

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